南半球にあるオーストラリア・シドニーのクリスマスは、北半球と季節は真逆の真夏。雪が降り積もる厳かな雰囲気は全くないものの、街は美しくライトアップされてクリスマス一色になります。
クリスマスツリーやイルミネーション、マーケットなどなど、真夏のシドニーならではのクリスマスイベントを存分に楽しみましょう!
1. ロックス(The Rocks)のクリスマス・マーケット
ヨーロッパでお馴染みのクリスマス・マーケットは、シドニーでも楽しめます。シティ近郊で人気なのが、ロックス(The Rocks)で開催されるクリスマス・マーケットです。11月中旬から12月22日まで開催されています。
クリスマス・マーケットとは言いつつも、毎週末開催されているロックス・マーケットが「クリスマス仕様のデコレーションになっているだけでは‥‥」という気がしなくもありません。公式サイトでも「Christmas Edition」と表記されているので、あながち間違いではないですね。
それでも、通りが赤と緑に彩られてクリスマスっぽい雰囲気に包まれるのは、やっぱりワクワクするもの。通りを歩く人達はTシャツ&短パン姿ですが、そこにシドニーならではのクリスマス感が溢れています。
ヨーロッパのクリスマス・マーケットほど華やかではないものの、ロックス特有の歴史的な石畳の道を歩きながら、町並みに点在するデコレーションを巡るというのはなかなか趣があります。
夜になると路地裏までライトアップされ、街全体が幻想的な雰囲気に包まれます。この魅力的な夜の街並みを散策しながら、ゆっくりと街歩きを楽しむのもおすすめです。
The Rocks Christmas Market
2024年11月15日〜2024年12月25日(クリスマスマーケットは12月22日まで)
The Rocks Market, George St, The Rocks NSW 2000
2. QVBのクリスマスツリーとライトアップ
シティの中心に位置するクイーン・ビクトリア・ビルディング(QUEEN VICTORIA BUILDING / 通称QVB)のクリスマスツリーは、シドニーで外せないクリスマスイベントの一つ。欧米に比べるとイマイチ盛り上がりに欠けるシドニーのクリスマスも、このツリーが飾られると、街全体が一気にクリスマスムードに包まれます。
高さ20mのクリスマスツリーは、室内のツリーとしてはオーストラリア最大だそう。建物中央部にある三層の吹き抜けを貫通し、天井近くまで高くそびえ立っています。
オーストラリア固有の熱帯雨林や先住民文化をメインテーマに、クリスマスツリーは恒例の世界最古の種子植物であるオーストラリア固有種「ウォレマイ・パイン(ジュラシックツリー)」にインスパイアされたものです。
そのツリーの周囲を、アボリジナルのアーティストによる「フランネルフラワー(Flannel Flower)」の木彫りのオーナメントが彩り、絶滅危惧種の鳥たちの鳴き声を取り入れたサウンドスケープが空間全体を包み込んでいます。
大きなツリーの全貌が一度に見渡せないのは残念ですが、まるで建物を貫通しているかのような独特のフォルムがQVBツリーの魅力。内部のゴージャスなインテリアとのコントラストが生み出す美しさは、他に類を見ない唯一無二のツリーです。
QVBの外壁でも、毎日19:00〜1:00までイルミネーションとプロジェクトマッピングが投影されます。歴史あるQVBの砂岩の壁とのコントラストも美しいし、閉店後も楽しめるのが嬉しいです。
因みに斜向かいのWoolworthの壁でも、夜になるとプロジェクションマッピングが行われていますよ。
QVB Christmas Tree
2024年11月8日〜 (プロジェクションマッピングは7:30pm〜1:00am、12月27日まで)
455 George St, Sydney NSW 2000
3. ストランド・アーケード(The Strand Arcade)のデコレーション
QVBのご近所にある、シドニー最古のショッピングアーケード「ストランド・アーケード(STRAND ARCADE)」。同じショッピングアーケードのQVBよりもこじんまりしていますが、狭い通路に並んだお店の看板や手すり、床のタイルのディテールなど、個人的にはこの独特なレトロ可愛さがお気に入りです。
建物自体が狭いため大きなクリスマスツリーはありませんが、手摺に張り巡らされた20,000個のライトやクリスマス・デコレーション、天井から吊るされた電飾のオーナメントが、アーケード全体をキラキラと彩ります。
天井から吊るされたオーナメントは、固有種のユーカリの枝と赤い実を表現したものだそう。自然大国オーストラリアならではのデコレーションは、派手さはないものの、アーケードのレトロな雰囲気と見事に調和していますね。
実はここ数年、ストランドアーケードのイルミネーションはほとんど変わっていません。目新しさこそないものの、その一貫性が「毎年の恒例行事」として「今年もこの季節が来たのね」と感じさせる、クリスマスの風物詩的な存在だったりもします。
The Strand Arcade
412-414 George St, Sydney NSW 2000
4. ピットストリート・モール(Pitt Street Mall)のキャノピー・オブ・ライト
シドニーCBD随一のショッピング街 ピットストリート・モール(Pitt Street Mall)では、歩行者天国の通りの上部に85,000個のLEDライトを使った光の天蓋、キャノピー・オブ・ライト(Canopy of Light)が張り巡らされます。ショッピングとライトアップが同時に楽しめてしまいます。
日中は買い物客でごった返す通りも、日暮れとともに幻想的な雰囲気に包まれます。15分ごとに音楽に合わせて点滅するライトは、ショッピングの合間に見上げるだけでも心躍ります。
CBDに用事がある時はわざわざここまで来るほど、私のお気に入りの場所です。クリスマスシーズンだけでなく、一年中このイルミネーションが楽しめたらいいのに。
Canopy of Light
2024年11月28日〜2025年1月1日(20:00〜1:00)
182 Pitt St, Sydney NSW 2000
5. マーティンプレイス(Martin Place)のクリスマス・ツリー
シドニーにあるクリスマスツリーの中で一番の目玉といえば、シドニーCBDのビジネス街の中心、シドニー中央郵便局(The General Post Office)の目の前の広場に毎年飾られる、マーティン・プレイス(Martin Place)のクリスマス・ツリーでしょう。
ツリーの構成は毎年ほぼ同じなのに、何度も見ているにもかかわらずその魅力は全く色褪せません。
高さは25mのこのツリーは、NSW州最大だそう。シドニー随一の大きさと煌びやかさは圧巻です。330個のキャンディーのようにポップで可愛らしいボールオーナメント、そして11万個を超えるLEDが15分ごとに音楽に合わせて瞬く様子は、華やかで眼を奪われる美しさです。
ツリーに近付くと、ツリーに小さなお花がたくさん飾られているのも確認できます。これはオーストラリア原産の花々だそうで、全部で15,000個あるんだとか。やっぱりオーストラリアのツリーだけあって、ネイティブフラワー系をモチーフにしたデコレーションが多いです。
こちらはツリーから少し離れた、映画「マトリックス(Matrix)」でもお馴染みの噴水「Lloyd Lees Fountain」からの眺め。ツリーから100mも離れているのにもかかわらず、その圧倒的な存在感が伝わってきます。歴史ある建物とモダンなツリーの、絶妙なコントラストも絵になりますね。
11月28日からは、ツリー周辺でクリスマス・マーケットもスタートします。さらに週末になるとツリーの麓で、恒例のクリスマスキャロルの合唱やオーケストラの演奏も行われます。シドニーでも数少ない、幻想的なクリスマスらしい雰囲気にどっぷり浸れる、貴重なスポットです。
ピットストリートと併せて、わざわざ足を運びたくなるほど魅力的な場所です。
Martin Place Christmas Tree
2024年11月28日〜2025年1月3日(ライトアップは19:30〜1:00)
Martin Place Christmas Market
2024年11月28日〜12月21日の木曜日〜日曜日 11:00〜21:00
12 Martin Pl, Sydney NSW 2000
6. セントメアリー大聖堂(St Mary’s Cathedral)のプロジェクションマッピング
シティの東側、ハイドパーク(Hyde Park)脇に位置するセントメアリー大聖堂(St Mary’s Cathedral)では、毎年クリスマスシーズンには教会を照らすプロジェクション・マッピングが行われます。大聖堂にカラフルな映像が投影され、大きな水盤映り込む幻想的な様子は、息を呑むほどの美しさです。
ライトアップが行われるのは毎晩17:30から22:30まで。その直前には大聖堂前で合唱団によるクリスマスキャロルの演奏も行われます。聖堂前広場にはフードが立ち並び、階段状の観覧席もあるので、ゆったりと座りながらライトアップを堪能できるのも魅力的です。
投影される映像によって大聖堂がくるくると表情を変える様子は、とにかく楽しい!個人的には、大聖堂のアウトラインがカラフルに縁取られるライトアップが一番のお気に入りでした。
スタートは17:30からですが、夏のシドニーは20:00でもまだ若干明るいので、しっかりと暗くなってからライトアップを存分に楽しめる、20:30以降の訪問がおすすめです。
Christmas at the Cathedral
2024年12月12日〜12月25日(17:30〜22:30pm)
St Marys Rd, Sydney NSW 2000
7. ダーリングハーバー(Darling Harbour)のイベントとイルミネーション
普段は「観光地」というイメージが強く、地元民的にはなかなか訪れることのないダーリング・ハーバー(Darling Harbour)。最近はWホテルも開業して、さらに人気のステイ先になっているとか。そんなダーリング・ハーバーもクリスマスになると一変し、家族連れにぴったりなイベントが数多く開催されています。
「タンバロンパーク(Tumbalong Park)」では、ミュージックパフォーマンスやバンジー・トランポリン、ダンスやゲームなど、子供向けエンターテインメントが盛りだくさんの「クリスマス・フェスティバル(Christmas Festival)」が12月14〜15日に開催予定。毎年恒例のクリスマスイベントは、家族連れでかなり賑わいます。
クリスマスツリーが海に浮いているのも(Floating Christmas Tree)、湾岸エリアのダーリング・ハーバーならでは。コックルベイ・ワーフ(Cockle Bay Wharf)では、お馴染みのぷかぷか浮いているクリスマス・オーナメントの周辺をパドルボートで周遊できるイベントも開催します。
ダーリング・ハーバーは観光地色が強すぎて、個人的にはあまり得意でないエリア。イルミネーションも中途半端な印象は否めませんが、お子様連れの方は楽しめる場所かもしれません。毎週土曜日21:00〜、恒例の花火も打ち上げられるので、12月の週末の夜はパーティ気分でダーリングハーバーに訪れるのはいいかも?
Darling Harbour Christmas Campaigns
2024年12月12日〜12月25日
Christmas Festival
2024年12月14〜15日 17:00〜21:00
真夏のシドニーでクリスマス・ライトアップ
シドニーに移り住んでから、真夏の暑さの中でのクリスマスになかなか慣れませんでした。ただ、美しくライトアップされた華やかな街並みは、どれも魅力的で結構楽しめます。特にシティ中心部のイルミネーションはどれも見事で、真夏であっても、クリスマスの雰囲気存分に味わうことができるんです。
雪景色を眺めながら分厚いコートに身を包むような、厳かなクリスマス感は全くないけれど、凍える心配のない温暖なシドニーでのライトアップ鑑賞は、寒がりな私にとってはむしろありがたかったり。
ロックス、セントメアリー大聖堂、ダーリングハーバー以外のイルミネーションは、年明けまで開催しているので、まだまだゆっくりと楽しむ時間があります。真夏のシドニーならではのクリスマス体験、ぜひ存分に堪能してみてはいかがでしょう。