南半球にあるオーストラリア・シドニーのクリスマスは、北半球と季節は真逆の真夏。雪が降り積もる厳かな雰囲気は全くありませんが、街は美しくライトアップされてクリスマス一色になります。
そんな真夏のシドニーで楽しめるクリスマスツリーやイルミネーション、マーケットなどのクリスマスイベントをご紹介します。
【1】The Rocks(ロックス)のクリスマス・マーケット
ヨーロッパでお馴染みのクリスマス・マーケットですが、実はシドニーにもあります。シティ近郊で有名なのが、The Rocks(ロックス)で行われるこちらのクリスマス・マーケット。12月に入るとクリスマス直前まで毎日開催されています。
クリスマス・マーケットとは言いつつも、毎週末行われているロックス・マーケットが「クリスマスっぽいデコレーションになって毎日開催されているだけでは‥‥」という気がしなくもありません。実際に公式URLでは「Christmas Edition」という名になっています。
それでも通りが赤と緑に彩られてクリスマスっぽい雰囲気になるのは、何だかワクワクするもの。実際に通りを歩く人達はTシャツ&短パンですが、シドニーならではのクリスマス感に溢れています。
残念ながらヨーロッパのそれよりは少し見劣りしてしまうけれど、それでもロックスの歴史的な石畳の道を歩きながら、町並みに点在するデコレーションを巡るのはなかなか趣があります。
夜になると路地裏の所々がライトアップされるのも良い感じなので、街歩きがてら散策してみるのもいいですね。
〜2023年12月24日
The Rocks Christmas Market
George St, The Rocks NSW 2000
【2】QVBのクリスマス・ツリー
シティの中心「Town Hall」にあるQUEEN VICTORIA BUILDING(クイーン・ビクトリア・ビルディング)、通称QVBのクリスマスツリーは、シドニーで外せないツリーの一つ。シドニーのクリスマスムードは、このツリーが飾られてから一気に盛り上がるイメージです。
ツリーが飾られるのは建物中央にある吹き抜け広場。高さ24mのツリー(一応オーストラリア最大の室内ツリーだそう)は、三層のフロアを突き抜けて建物の天井近くまで高くそびえ立っています。
2021年のツリーは1Fホールにはツリーの幹が無く、木が浮いているデザイン。木を下から見上げると万華鏡の様な幹の部分から、QVBのドーム型天井のデザインがそのまま投影されて見えます。
2023年版ツリーは、ベース部分に先住民アボリジナルの人々縁の道具類が埋め込まれた、アートインスタレーションが展示されるそうです。
2021年から恒例のオーストラリアン・ネイティブフラワー「Wollemi Pine」のオーナメントは、アボリジナル・アーティストのコラボデザインによるものだそう。2020年のスワロフスキーよりもキラキラ感が少なく、若干華やかさに欠ける気がしないでもないけれど、これはこれで控えめな可愛さがあります。
ツリーの全貌が一望できないのが残念といえば残念ですが、建物を貫通しているかのような独特のフォルムが面白いのがQVBならでは。内部のゴージャスなインテリアとのコントラストが美しい、唯一無二のツリーです。
外壁にもカーテンタイプのイルミネーションやプロジェクトマッピングが投影され、閉店後も楽しめるようになりました。QVBの砂岩の壁とのコントラストも良い感じです。
因みに斜向かいのWoolworthの壁でも、夜になるとプロジェクションマッピングが行われています。
〜2024年1月9日
(プロジェクションマッピングは7:30pm〜1:00am、12月27日まで)
【3】The Strand Arcade(ストランド・アーケード)のデコレーション
QVBから徒歩3分の場所にある、シドニー最古のショッピングアーケード「STRAND ARCADE(ストランド・アーケード)」。狭い店内に並んだお店の看板や手すり、床のタイルなどのディテールなど、雑多な中にも程よい統一感があります。QVBよりもこじんまりしていますが、個人的にはこの独特なレトロ可愛さがお気に入りです。
建物内にクリスマスツリーこそありませんが、手摺に張り巡らされた20,000個ものライトやクリスマス・デコレーション、天井から吊るされた電飾のオーナメントが、キラキラとアーケード内を照らしていていい感じです。
因みに天井から吊るされたオーナメントは、固有種のユーカリの枝と赤い実を表現したものだとか。自然大国オーストラリアならではのデコレーションは、派手さはないけれど、店内のレトロな雰囲気とマッチしています。
実はここ数年、イルミネーションのデザインは全く変わっていません。ただその分「毎年の恒例行事感」もあって、「あぁ、今年もそんな季節になったのね」と思わせる、クリスマスの風物詩的な存在だったりもします。
〜2023年1月8日
The Strand Arcade
412-414 George St, Sydney NSW 2000
【4】Pitt Street Mall(ピットストリート・モール)の光の天蓋
シドニーCBD随一のショッピング街 Pitt Street Mall(ピットストリート・モール)では、歩行者天国の通りの上部に85,000個のLEDライトを使った光の天蓋(Canopy of Light)が張り巡らされます。
日中は買い物客でごった返す通りも、日が暮れると何とも幻想的な雰囲気に。15分毎に音楽に合わせてライトが点滅するのも、見ているだけで楽しめます。わざわざ夜はここをゆっくり歩いて通るほど、個人的には結構お気に入りです。クリスマスだけでなくずっとやってくれればいいのに。
〜2024年1月1日(6:00pm〜1:00am)
【5】Martin Place(マーティンプレイス)のクリスマス・ツリー
シドニーにあるクリスマスツリーの中で一番の目玉、と言ってもいいのがこちらのMartin Place(マーティン・プレイス)のクリスマス・ツリー。シドニーCBDのビジネス街にある、シドニー中央郵便局(The General Post Office)の目の前の広場に毎年飾られます。
ツリーの高さは25mもあり、これはNSW州で最大だそう。キャンディーのような330個のカラーボールのオーナメントが飾られている様子はとても可愛らしいし、110,000個を超えるLEDが15分ごとに音楽に合わせてキラキラとライトアップされるのもすごく華やかです。
遠くから見ていると気が付かないけれど、ツリーに近付いてよく見ると小さなお花がたくさん飾られています。これはオーストラリア原産の花々だそうで、全部で15,000個あるとか。やっぱりオーストラリアのクリスマスライトって、全体的にネイティブフラワー系のデコレーションが多いですね。
「Matrix(マトリックス)」の撮影スポットとしてお馴染みの噴水「LLOYD LEES FOUNTAIN」からの眺め。ツリーから100m近く離れているのに、そのダイナミックさがわかりますよね。歴史ある建物とのコントラストも絵になります。
週末の夜にはツリーの麓でクリスマスキャロルの合唱やオーケストラの演奏も行われていて、クリスマスらしい幻想的な雰囲気に浸れます。何度も見ているにもかかわらず(しかも毎年ほぼ同じツリーだけれども)、ピットストリートと併せて、わざわざここを通りたくなるほどオススメです。
〜2024年1月1日(ライトアップは7:30pm〜1:00am)
【6】St Mary’s Cathedral(セントメアリー大聖堂)のプロジェクションマッピング
シドニーCBDの東、Hyde Park脇にあるSt Mary’s Cathedral(セントメアリー大聖堂)では、クリスマス期間になると大聖堂にカラフルな映像が投影されるプロジェクション・マッピングが行われます。大聖堂前の水盤に反射するシルエットもいつも以上に美しいです。
プロジェクション・マッピングが行われるのは毎晩8:00pmから。その前の7:30pmからは大聖堂前で合唱団によるクリスマスキャロルの演奏も行われています。大聖堂前の広場にはフードの屋台も出ているし、階段状の席もあるのでゆっくり座りながらライトアップを楽しめるのもいいです。
投影される映像によって、大聖堂が様々な表情を見せます。個人的には大聖堂のアウトラインがカラフルに縁取られるライトアップが一番好みでした。5:30pmからスタートしていますが、真夏のシドニーでは8:00pmでもまだ若干明るいので、しっかりと暗くなってから楽しめる8:30pm以降がオススメです。
2023年12月14日〜12月25日(5:30pm〜10:30pm)
【7】Darling Harbour(ダーリングハーバー)のイベントとイルミネーション
人気の観光地の印象が強いせいか、個人的に普段なかなか訪れる機会のない「Darling Harbour(ダーリング・ハーバー)」ですが、クリスマスになると子連れの人にぴったりなイベントがたくさん開催されています。
Cockle Bay Wharfにはクリスマス・オーナメントを模した大きな浮きがプカプカ浮いていて、その間をボートを漕いで遊べたり、陸上では同じオーナメント型の照明がライトアップされています。
お隣のDarling Quarterにある「Tumbalong Park(タンバロンパーク)」では、ミュージックパフォーマンスやバンジー・トランポリンなど、子供向けエンターテインメントが盛りだくさんのクリスマス・フェスティバルも開催中。
元々touristyすぎてあまり得意でないダーリング・ハーバーというエリアで、イルミネーションも何だか中途半端で微妙。さらに子供向け&観光客向けすぎたので、個人的にはわざわざ訪れなくても良かったかなという印象です。お子様連れにはいいかもしれません。
2023年12月16日〜12月25日
真夏のシドニーでクリスマス・ライトアップ
シドニーに来てから真夏の暑い中でのクリスマスになかなか慣れませんでしたが、街はそれなりにライトアップして盛り上がっています。シティ界隈がライトアップされる様子は、どれも素敵なので結構楽しめますよ。
雪を眺めながら暖かいコートを着て‥‥というような典型的で厳かなクリスマス感は全くないけれど、凍える心配のない暖かいシドニーでのライトアップ鑑賞は、寒がりな私にはありがたいです。
ロックスとセントメアリー大聖堂、ダーリングハーバー以外は、年明けまで開催しているのでまだまだ楽しめます。真夏のシドニーでのクリスマス、一度体験してみませんか。