オーストラリア最古の博物館「AUSTRALIAN MUSEUM」はシドニーのハイドパーク脇にある、自然科学に特化した子供にも大人気の博物館です。今回は2020年11月末に1年間の改修工事を経てリニューアルオープンした博物館に久々に訪問しました。
オーストラリア最古の博物館「AUSTRALIAN MUSEUM(オーストラリア博物館)」
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AUSTRALIAN MUSEUM(オーストラリア博物館)は1827年設立されたオーストラリア最古の博物館で、シドニー・シティの中心にある公園「Hyde Park(ハイド・パーク)」の脇、セントメアリー大聖堂の正面という最高の立地にある博物館です。
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壮大な自然と独特の生態系を持つ動物が生息している、海に囲まれた広大な島国「オーストラリア」ならではの、ユニークな野生動物、自然史、恐竜やアボリジナル文化などの膨大なコレクションを展示しています。
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今回は1年以上の大規模改修工事を経てリニューアル・オープンということで(しかも通常$15.00だった入場料が今だけ無料!)、シドニーに40℃近くの熱波が訪れていたにもかかわらず気合いを入れての訪問です。
2020年11月にリニューアル・オープン
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アプローチからガラスのエントランスに関しては前とほとんど変わってないなと思ったら、こちらは2015年に改修したばかりだそう。以前と違うのは、入り口でCOVIDチェック(スマホでQRコードを読み取って名前や電話番号を登録)がマストになり、ソーシャルディスタンスのシールが貼られているくらいですね。
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入り口を抜けた大きなエントランスホールの中央には丸いインフォメーション・カウンターが。通常はここで入場券や特別展示のチケットを購入しますが、今回は入場無料なのでそのままスルー。今まであった壁は取り払われ、奥まで見渡せる明るい空間になりました。
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インフォメーション・カウンター脇には新しいミュージアム・ショップが。「ザ・お土産」的なものではなく、セレクトショップにありそうなセンスのいい小物が並んでいます。アボリジナル柄のリードディフューザーやソープはプレゼントにも喜ばれそう。
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奥に進んで階段を上ると、吹き抜けの大空間「HINTZE HALL」が。この部分が今回の改装工事でリニューアルされたエリアで、向こうに見える1840年代当時の砂岩ブロックの本館と緩やかに繋がっています。
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4層吹き抜けの大空間にはガラスの天窓から光が降り注ぎ、外なのか内なのか分からなくなるような圧倒的な開放感です。以前はチャコールグレーの暗めのカーペットが敷かれていたので、色に統一感もあり更に明るくなってかなりいい感じですね。
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オーストラリアは地震が無いせいか、既存の古い建物と新しい建物が連続している空間がとても多い気がします(しかも免震のエキスパンションジョイント無し)。因みにART GALLERY OF NSW(ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館)やMUSEUM OF CONTEMPORARY ART AUSTRALIA(オーストラリア現代美術館)なども古い歴史的建造物と新しい建物が新旧共存しているいい例ですね。
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今回はリオープンを祝って、人形劇団による恐竜のパフォーマンスが行われていました。喜んで走り回る子がいたり、恥ずかしがってフリーズしていたり、逆に無表情だったり、子供のリアクションが一人一人違ってそれもまた面白いです。
オーストラリアの歴史を感じるユニークな常設展
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オーストラリア博物館では、様々な常設展が開催されています。QVBやSTRAND ARCADEのような歴史感じる細長い吹き抜けが印象的な「LONG GALLERY」は、オープン当時からあるオーストラリア最初のギャラリーだそう。開業当時の姿をそのままに、2017年にフルリストアされています。
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創業当時のままの本館には、恐竜を始めオーストラリア固有種の動物達の剥製が展示されています。階段の手すりなど所々のディテールに歴史を感じますが、大ホールに慣れてしまったのでちょっと天井が低く圧迫感があるかなという印象です。
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こちらの恐竜の常設展では、「T.REX AUTOPSY」というティラノサウルスの検視解剖というコーナーも。実際に係の人が子供達の前でティラノサウルスの模型を解体して、内臓を取り出していくというイベントが行われていたそうで、グロテスク過ぎて吐きそうになる子もいたとか。日本ではちょっと考えられない、かなり攻めたイベントですね。
NATURE PHOTOGRAPHY OF THE YEAR(ネイチャー・フォトグラフィ・オブ・ザ・イヤー)
大自然の動植物や宇宙などを扱うオーストラリアの自然環境専門誌「AUSTRALIA GEOGRAPHIC」が主催するNATURE PHOTOGRAPHY OF THE YEARは、ANZANG(オーストラリア、ニュージーランド、南極、ニューギニア地域)の自然遺産の中で撮影された自然写真コンテストです。
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毎年恒例のコンテスト入賞作品の展示が、ホールの一角で行われていました。前回はこの展示に$20.00支払っていたので、今回はこれも無料で観られてラッキーです。
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動物や植物、ランドスケープなどのカテゴリーに分かれ、年齢、国籍問わず全てのカメラマンに向けて開催されているこのコンテスト。雄大な自然のランドスケープや野生生物の生活を切り取った臨場感あるものまで、様々な作品が100点以上が展示されていました。
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使用しているカメラやレンズ、ISO感度や露出、シャッタースピードなど、細かい設定が記載してあるので、「この写真、どうやって撮ったの?」と思った時に細かいデータがすごく参考になります。
ネイチャー・フォトグラフィーを見ると「私ももっとネイチャー写真が撮りたい」欲が毎回むくむくと湧いてきます。なかなか旅行や遠出がしづらい状況ですが、もっと撮影トリップの出掛けようかな。
併設の絶景カフェもオススメ
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因みに最上階のカフェは、ハイドパーク、シドニー・タワー、聖メアリー大聖堂などが見渡せる絶景スポット。個人的にはシドニー有数の絶景カフェだと思うので、天気の良い日はここでもランチやお茶もオススメです(閉店時間は早めなのでご注意を)。
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自然科学にフォーカスしているので、シドニーでも子供連れのファミリーに人気のスポットです。特に休み期間は子供向けのイベントが頻繁に開催されていますし、現在(2021年1月現在)はリオープン記念で入場料はしばらく無料だそうなので、ぜひこの機会にオーストラリア最古の博物館に一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
*旅行マガジンtripnoteに「シドニー美術館特集」として掲載しているので、是非チェックしてみてください。
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1 William Street, Sydney, NSW 2010
TEL:02-9320-6000
OPENING HOURS:
MON – SUN:9:30am – 5:00pm