10月中旬から11月いっぱいまで楽しめる紫色の花「JACARANDA(ジャカランダ)」は、オーストラリアの春の訪れを知らせる「桜」のような存在です。今回は私が個人的におすすめする「シドニーで美しいジャカランダが見られるスポット」を、定番から穴場まで、全部で10箇所ご紹介します。
シドニーで美しいジャカランダが見られるスポット ベスト10
オーストラリアの春、10月中旬から11月いっぱいベストシーズンを迎える、紫色の花「JACARANDA(ジャカランダ)」。街路樹などが紫に色づき始めると、「春が来た!」とワクワクさせてくれる「オーストラリアの桜」のような存在です。
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元々中南米原産のジャカランダは、私が子供の頃住んでいたメキシコでは「ハカランダ」と言われ地元の人達に親しまれていたそう。母曰く、桜が見れないメキシコの在住邦人の間では「メキシコの桜」と呼ばれていたとか。しかも桜と違って、1ヶ月以上も美しい花を咲かせてくれるのも嬉しいです。
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まだ小さかったのでメキシコでのジャカランダの思い出はあまりありませんが、この紫の花を見て妙にテンションが上がるのは、もしかして小さい頃の記憶がそうさせているのかも?少しオーバーだけど、何か運命的なものを感じるような、感じないような。
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私の住むシドニーでは民家の庭先や並木道、公園など、あらゆる場所でジャカランダに遭遇することができます。
今回は定番から穴場まで、私が個人的におすすめするジャカランダ・スポット ベスト10をご紹介します。
【1】定番中の定番 キリビリの「マクドゥーガルストリート(McDougall Street)」
「シドニー」「ジャカランダ」で検索すると必ず上位にヒットする、まさに「定番中の定番」(ベタ中のベタ)なスポットが、Kirribilli(キリビリ)にあるMacDougall Street(マクドゥーガル・ストリート)です。Milsons Park脇の閑静な住宅街にある通りが、ジャカランダが咲き始めると朝からカメラを構えた人達でごった返します。
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元々地元では有名だった場所がSNSの影響で話題になり、今ではツーリストが「観光名所」として訪れる超人気スポットになったそう。シーズン中はあまりにも人が多いので「正直ちょっと面倒臭い場所」ではありますが、行ったら行ったで毎回その美しさに感動します。
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道路の両脇から枝を伸ばすジャカランダが織りなす、まさに「紫のトンネル」はため息ものの美しさ。200mの連続したジャカランダ並木ならではの、奥行きのある幻想的な写真が撮れます。ただ車の通りが多い車道でもあるので、写真撮影の際はくれぐれもご注意を。
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週末や平日の昼過ぎは混雑が予想されるので、記念撮影やセルフポートレートを撮りたい場合は平日の午前中がオススメ。シティからはフェリーでKirribilliかNorth Sydneyのワーフから徒歩5分、シティレールのMilsond Point駅からも徒歩5分です。
McDougall Streetでジャカランダを見た後は、すぐ脇のMilsons Parkにあるカフェで休憩もいいですね。
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【2】キリビリのもう1つの名所「カラベラストリート(Carabella Street)」
McDougall Streetからキリビリ・ワーフに向かって徒歩5分のCarabella Street(カラベラ・ストリート)も、隠れたジャカランダ・スポットの1つ。並木の連続感ではMcDougall Streetに軍配が上がりますが、ボリュームある木々には毎年美しい花が咲き乱れています。
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差し込む柔らかい光と地面に映し出される影、紫の花とのコントラストがとても美しくて、小さな並木ながら幻想的な写真が撮れます。観光客で混み合うMcDougall Streetとは違って、より奥まった静かな住宅街の中にあるせいか、そこそこ有名な割には通行人以外見かけない穴場スポットです。
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キリビリ・ワーフのすぐ近くなので、人気カフェ「Celsius Coffee Co.(セルシウス・コーヒー)」でのブランチと絡めて訪れるのもいいですね。キリビリにはジャカランダ・スポットが他にも点在しているので、ジャカランダのシーズンはキリビリ界隈でのお花見散歩がオススメです。
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【3】シドニーらしい景色を満喫「ファースト・フリート・パーク(First Fleet Park)」
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ジャカランダと一緒にシドニーのアイコン「オペラハウス」と「ハーバーブリッジ」を眺められ、シドニーらしい景色を満喫できるスポットが「First Fleet Park(ファースト・フリート・パーク)」 です。オーストラリア現代美術館(Museum of Contemporary Art)の横にある、サーキュラー・キーとロックスに挟まれた小さな公園で、イギリス人がオーストラリアへ最初の上陸を記念して作られた場所だそう。
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公園自体は小さく、ジャカランダの木もそれほど多くはないけれど、シドニー湾とハーバーを行き交うフェリー、シティの高層ビルを間近に感じながらジャカランダが楽しめます。昼になると芝生に寝転がる人達や休憩中のビジネスマンもよく見かける、都会の中の小さな憩いの場です。
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ここに訪れたら絶対外せないのが、高架道路「Cahill Expressway(ケーヒル / カーヒル・エクスプレスウェイ)」からの眺め。サーキュラー・キー駅の東端、Wharf 2の近くから出ているエレベーターで上ることができます。
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ここはVIVID SYDNEYや年末の花火の撮影場所としても有名で、ジャカランダとシドニーのアイコンが一望できる、ジャカランダ・シーズンでなくても訪れたい展望スポットです。
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因みにコロナ禍の2020年には、芝生エリアにSocial Distancingの丸いペイントが施されていました。芝生の上でくつろぐ人達もとても気持ち良さそうだし、何だかアート・インスタレーションのようでシュールでそれも可愛いです。
【4】ハリーポッターの世界観満載「シドニー大学(University of Sydney)」
シドニー西部にある、オーストラリア最古の名門大学「University of Sydney(シドニー大学)」。「ハリーポッターの舞台になった」という噂が流れたほど(あくまで噂)荘厳な校舎は、「世界の美しいキャンパス ベスト10」にも選ばれています。
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そんな美しいシドニー大学構内でも、ジャカランダが楽しめます。私のオススメはManning Road(マニング・ロード)沿いのジャカランダ並木。薄茶色の砂岩の建物やデコラティブな壁の装飾と、ジャカランダのコントラストが美しいです。
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大学内にはQuadrangle(クアドラングル / 中庭型建物)をはじめ、歴史的な建物や著名建築家によるモダンなビル、有名なストリート・アートなどもあります。一般の人でも入場可能なので、学生気分に浸りながらお散歩するのも楽しいですよ。
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【5】珍しいホワイト&イエローのジャカランダ「ロイヤルボタニックガーデン(Royal Botanic Garden)」
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シドニー湾を見渡す植物園「Royal Botanic Garden(ロイヤル・ボタニック・ガーデン)」の園内にも、ジャカランダの木があります。ここはオペラハウスに近いというロケーションを生かして、「ジャカランダ越しのオペラハウス」が楽しめる珍しいスポットです。
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さらにシドニーでも珍しく、ホワイトとイエローのジャカランダも一緒に見られるスポットでもあります。
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場所はFarm Coveのジャカランダの木から、海を背にして100m程進んだ先。それぞれ一本づつなので見逃してしまいそうですが、訪れた際は是非チェックしてみましょう。
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【1】〜【4】のジャカランダ並木に比べると、残念ながら華やかさに欠ける感じは否めませんが、珍しいジャカランダもあるし、何よりジャカランダ越しのオペラハウスは美しいです。
ボタニック・ガーデン自体も見どころ満載で、お散歩するだけでも気持ちいい開放感抜群の植物園です。ハーバーを眺めながら絶景ビールも楽しめる、キオスク型のオープンエアのバー「BUSBY’S BAR」もおすすめですよ。
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【6】ジャカランダ越しのシドニータワー「カシードラルストリート(Cathedral Street)」
St. Mary Cathedral(セント・メアリー大聖堂)とPotts Point(ポッツ・ポイント)の高台の間にある、ポケット的なエリア「Woolloomooloo(ウルムル)」。ミートパイで有名なHarry’sや人気チャイニーズのChina DollあるFinger Wharf周辺は、路地裏に美しいジャカランダが点在していることでも有名なスポットです。
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特にオススメなのが、セント・メアリー大聖堂まで真っ直ぐ伸びるCathedral Street(カスィードラル・ストリート)。The Old Fitzroy Hotelというパブの前にあるジャカランダ並木では、ジャカランダ越しにシティの眺めが楽しめる、シドニー有数のジャカランダスポットです。
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咲き乱れる紫の花、シドニー・タワーをはじめとするスカイラインのコントラストが美しいです。場所はKings Cross(キングスクロス)の駅から歩いて5分。駅からの往復は特に問題はありませんが、周辺には若干治安が微妙な箇所もあるのでご注意ください。
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【7】ダーリングハーストのジャカランダ 「ライリーストリート(Riley Street)」
Cathedral Streetと直交するRiley Street(ライリー・ストリート)は、レストランやカフェ、パブなどが軒を連ねる通り。絶品のポークナックルのRiley St. Garage(ライリー・ストリート・ガレージ)【閉店】や人気のパン屋さんFlour and Stone(フラワー・アンド・ストーン)があるのも、この通りです。
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ジャカランダの街路樹があるのは、Oxford Street周辺。特に緩やかな坂の頂上にある広場「Oxford Square(オックスフォード・スクエア)」は、高台からジャカランダが見下ろせる絶景スポットです。広場脇にあるカフェTHEECAからも、ジャカランダが楽しめます。
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電線から吊るされたスニーカーとジャカランダのコラボレーション(!?)は、まるで現代アートのよう。「○ラッグの取引場所」「ギャングの縄張り争い」「ストリートアート」など諸説ありますが、そんなシュールなコントラストも楽しめます。
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【8】パディントンのジャカランダ並木「バラックス・リザーブ(Barracks Reserve)」
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Oxford Street沿いに続く、砂岩の長い塀に囲まれた場所には、オーストラリアの陸軍本部である「Victoria Barracks(ヴィクトリア・バラックス )」があります。その塀沿いの広場「Barracks Reserve(バラックス・リザーヴ)」に続くジャカランダの並木も、人気のジャカランダ・スポットです。
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1840年代に建てられた歴史を感じさせるブロック塀と、紫のジャカランダのコントラストが美しいです。通りを行き交う人々と、古い街並みが心地よく調和した風景もいい感じですね。
近くには北欧カフェの「FUNKIS KÖKET(フンキス・シャーケット)」をはじめとする、おしゃれなカフェがたくさんあるので、お散歩の休憩には困りません。
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【9】パディントンのオシャレ交差点「ファイブウェイズ(Paddington Fiveways)」
Victoria Barracksから歩いて約10分。住宅街を抜けると突如現れる五叉路「Paddington Fiveways(パディントン・ファイブウェイズ)」。ここはカフェやレストランが軒を連ねるエリアで、パディントンの中でも有数のおしゃれスポットと言われています。
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ビクトリア様式の建物はパブ「Royal Hotel」やリラックス感あるおしゃれセレクトショップ「Love Duck」がある中で、私のオススメはタイ料理屋さん「Eat Thai」(の外観)。実はまだこのお店で食事をしたことはありませんが、ペンキの剥がれたシャビーな壁とジャカランダとのコントラストが、フォトジェニック過ぎてたまりません。
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実はこの辺りは意外に車通りが激しく、ゆったりとした雰囲気とは程遠いのも事実です。ただ、適度なローカル感とスタイリッシュさが混ざり合った雰囲気は、他では味わえません、是非テラス席に座って、パディントンらしいローカルな雰囲気を楽しんでみてはいかがでしょう?
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【10】シティ近郊の穴場ビーチ「マレー・ローズ・プール(Murray Rose Pool)」
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シティから東へ6km、Double BayにあるMurray Rose Pool(マレー・ローズ・プール)もおすすめのジャカランダ・スポットの1つ。海水浴も楽しみながらジャカランダとシドニーハーバー越しのシティという絶景が眺められます。
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プールと言いつつも、実際には桟橋に囲まれた海・ビーチです。入江にあるので若干海水が淀んでいる感は否めませんが、シティから近くカジュアルに海水浴が楽しめるということもあり、私のオススメのビーチの1つでもあります。
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海に入りながらジャカランダを眺める‥‥なんていう、「海の街・シドニー」ならではの楽しみ方ができます。
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オーストラリアの桜「ジャカランダ」でお花見
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他にもオススメのスポットはたくさんあるけれど、まだまだ紹介しきれませんが、自宅周辺など個人的な場所も含まれるのでここでは内緒にしておきます。
春〜初夏にかけてのシドニーは、一年の中で一番過ごしやすい最高のシーズン(私個人的には)。そんなシドニーが一番美しい季節に訪れたら、街中を紫に染めるジャカランダでお花見しましょう!