食の選択肢が豊富なオーストラリアでは、プラントベース(植物由来)のヴィーガンアイスクリームの種類もたくさんあります。今回はアイス大好きなのに乳製品アレルギーでなかなか食べられない私が、スーパーで購入可能なお気に入りのヴィーガンアイス5ブランドを食べ比べしてみました。
オーストラリアのヴィーガン(ビーガン)カルチャー
お肉や魚、乳製品やハチミツに至るまで、動物由来の食品を一切摂取しないVegan(ヴィーガン)。厳格なヴィーガンになると化粧品や洋服、日用品にまでこだわる人もいます。革製品やウール素材の洋服だったらまだわかるけれど、化粧品や洗剤まで手を広げると、調べるのは結構大変そうですね。
動物愛護の観点や他民族国家ならではの宗教上の理由などから、オーストラリアではヴィーガン人口もかなり多め。実際に国民の2%(約50万人)がヴィーガンと言われていて、イギリスに次いで世界第2位の多さなんだとか。
確かに専門店でなくてもVeganメニューが用意されていたり、週末にはVeganマーケットが開かれたり、スーパーでもVeganフードが普通に並んでいます。
ヴィーガン(ビーガン)アイスクリームとは?
私自身はヴィーガンではありませんし、お肉やお魚を美味しくいただきます。ただ、乳製品アレルギーなのでヴィーガン食品にはかなり助けられています。
レストランでは店員さんに細かい相談をしなくても、メニューの「V」「VG」マークを見れば迷わずオーダーできるし、スーパーでもパッケージの「Vegan」マークがあれば、成分表をいちいちチェックせずに商品を選べます。
そんな私がオーストラリアに来てからハマっているのが、乳製品を一切使わないDairy Free(乳製品フリー)のヴィーガン・アイスクリーム。動物由来の乳製品の代わりに、豆乳やココナッツミルク、エンドウ豆プロテインなど植物性ミルクを使用したアイスです。
「植物性」とはいえ、普通のミルクと見分けがつけないほどしっかりと濃厚な味わいを楽しめるものばかり。スーパーで出会ってからその美味しさにハマり、今ではセールになっていたら即購入するようになりました。
(お値段的には普通のアイスクリームよりも断然割高なので‥‥)
今回は数あるヴィーガン・アイスの中でも、私がリピートしている個人的な推しアイス、5ブランド・7種類をご紹介します。
PANA Organic(パナ・オーガニック)
$11.00
オーガニック・ココナッツミルク使用
The Vegan Society Certified
メルボルン生まれの「PANA Organic(パナ・オーガニック)」はオーガニックスイーツのメーカー。ACO(オーストラリアのオーガニック認証)の厳選された良質な素材で作られたアイスは、ヴィーガンでグルテンフリーです。
パイントが10種類とアイスバーが5種類もあって、アイスの種類も豊富。シンプルで可愛らしいパッケージやロゴも、ポイント高いですね。
Mint Chocolate Chip(ミント・チョコチップ)
ここの一押しは何と言ってもチョコミント味。私がオーストラリアで一番最初に食べたヴィーガンアイスがコレ。ベースのアイスは甘さ控えめながらしっかり濃厚で、ガムのような人工的なミント感はなく、ペパーミントの葉がそのまま入っているかのような自然な爽やかさが。チョコミントの強烈なミント感が苦手な人がいたら、是非試して欲しい!ちなみにこの淡いグリーンは、オーガニックのクロレラとスピルリナで色付けしているというこだわりも。
PANA特有の柔らかい食感のチョコレートも好きだけれど、このアイスに使われているのはザクザクした歯応えのあるビターチョコ。細かく刻まれたビターなチョコがアイスの中にたっぷり入っていて、それがまたミントに合います。
白砂糖不使用(ココナッツシュガー)なので、他のどのアイスに比べて甘さも控えめです。他のアイスに比べてもポーションが小さいので、そのままスプーンを突っ込んで一人一個でも全然行けます。さり気ない素材の美味しさのせいか、どんどんスプーンが進みます。気のせいか、何となく体の中からキレイになれるような、なれないような。
他のアイスよりも若干お値段は高めですが、厳選された素材を使っているからそれは致し方ないかなと。植物由来でありながら「クリーミーな濃厚さ」というアイスクリーム本来の美味しさもしっかりあります。
PANAはアイス以外にもチョコレートやスプレッド、コラボビールも出していて、どれも美味しくてオススメです!
Connoisseur Plant Based(コノシュア・プラントベースト)
$8.60(4個入り / 1個当たり$2.15)
ココナッツオイル、エンドウ豆プロテイン(乳化剤として大豆使用)
Vegan Australia Certified
Connoisseur(コノシュア / コノサー)はオーストラリアの老舗アイスクリームメーカー「Peters(ピーターズ)」が展開するブランドの1つ。低価格帯のアイスクリームを提供するピーターズの中では、高品質な素材を使った濃厚な味わいでお値段も若干お高めです。
パッケージも他のアイスと一線を画すようなプレミアム感が漂っていて、ハーゲンダッツ的な立ち位置といえます。(そう言えばオーストラリアでは、日本ほどハーゲンダッツを見ない気が)
そんなコノシュアでもヴィーガンの「Plant Based(プラント・ベースド)」シリーズが展開中です。パイントカップ2種類、バー2種類の全部で4種類で、私がよく購入するのはアイスバーの方。
カップのヘーゼルナッツ・チョコレート味もすごく美味しかったけれど、冷凍庫から出して少し溶けるのを待って、小さなお皿に移して食べる‥…という作業が、何気に面倒臭いんですよね。
Vanilla Brownie(バニラ・ブラウニー)
細かく刻まれたブラウニーを練り込んだ濃厚なアイスクリームを、チョコレートでコーティングしたバニラ・ブラウニー味。ココナッツオイルとエンドウ豆プロテインを使ったクリームはキャラメルのようなコクがあって、中に練り込まれたブラウニーのフワフワな食感も不思議な美味しさです。ほんのり香るバニラは高級マダガスカルバニラを使用しているとか。
コーティングされたチョコも甘過ぎずビター過ぎずちょうどいい感じ。ナッツが混ざった少し厚めのチョコのザクザク感で、食べ応えもあります。ふんわり食感のクリームとの相性もいいですね。ブラウニー&濃厚なダークチョコというチョコ尽くしは、チョコ好きに堪らない組み合わせのはずです。
Coconut Acai Berry(ココナッツ・アサイーベリー)
もう一つのフレーバー「ココナッツ・アサイーベリー味」は、控えめな甘さのココナッツベースのアイスとアサイーのフルーティな甘酸っぱさが美味しい一品。ガッツリ甘いアイスを食べたいならブラウニーだけど、さっぱりと(と言ってもしっかり甘いけど)アイスを楽しみたいならこっちがおすすめ。
ココナッツクリームなんだけどほのかな酸味があるフローズンヨーグルトのような爽やかさで、アサイーというよりはラズベリーっぽい風味があります。印象としては懐かしの「パナップ」がチョコレートでコーティングされているような感じです。
周りを包んでいるダークチョコレートも厚めで濃厚だけど、比較的さっぱりとしたアイスクリームとすごく合います。チョコレート好きな私だけど、個人的にはこっちのほうがバランスが良くて好きです。‥‥が、残念ながら販売中止になってしまったみたい。残念;
Magnum Dairy Free(マグナム・デイリー・フリー)
$7.50(3個入り / 1個当たり$2.50)
エンドウ豆プロテイン、ココナッツオイル使用
VEGAN ACTION Certified
ヨーロッパで大人気のベルギーのアイスクリーム・ブランド「Magnum(マグナム)」は、オーストラリアでも大人気。チョコレートコーティングのアイスクリームをたくさん出していて、その中に「Street Dairy Free」というヴィーガン仕様のシリーズがあります。
販売されているフレーバーはCLASSIC、ALMOND、SEA SALT CARAMELの全部で3種類。
Magnum Dairy Free ALMOND(アーモンド)
周りのチョコレートコーティングに粗く砕いたアーモンドが散りばめられたアーモンド味は、パリパリのチョコレートとナッツの香ばしさ、クリーミーなバニラの味わいと食感の違いが楽しめます。
アイスクリーム自体の美味しさはもちろんだけど、ベルギーブランドだからかチョコレートの濃厚な美味しさが際立っています。アイスだけでなくチョコレートもしっかり楽しめるアイスバーなので、チョコレート好きにはかなりオススメです。
Magnum Dairy Free SEA SALT CARAMEL(シーソルト・キャラメル)
個人的なお気に入りはこちらの塩キャラメル味。超濃厚でクリーミーな塩キャラメル味のアイスとダークチョコレートのコンビネーションがたまりません。結構甘いけど甘過ぎず、バーが小さめだからしつこ過ぎなくてちょうどいいバランスです。
市場に出回るほとんどのヴィーガンアイスの原料にはソイ(大豆)が使われていますが、マグナムはエンドウ豆プロテインとココナッツオイルで作られています。大豆のアレルギーの人にもオススメの商品です。
ただ1つ難点があるとすれば、3個入りっていうのが悩ましい。うちは毎回一個余り、残り一つをどうしようかなってなります。しかもポーションも他のアイスに比べて小さめな割には、お値段も高い気が。高めの値段設定のヴィーガンアイスの中でも、コスパはあまり良くないです。
Drumstick(ドラムスティック)
$10.00(4個入り / 1個当たり$2.50)
ココナッツミルク使用(乳化剤として大豆)
Vegan Australia認証済み
Affogato(アフォガート)
コノシュアも展開するアイスクリームメーカー「Peters」の人気コーンアイス・ブランド「Drumstick(ドラムスティック)」にも、ヴィーガン仕様のアイスがあります。それがこちらの「Affogato(アフォガート)」です。
まるでバニラアイスの上に熱いエスプレッソやリキュールがかかったアフォガートを食べているような、コーヒーのしっかりしたほろ苦さも感じつつ、トロッとした濃厚なエスプレッソソースとココナッツミルクのクリームが絡み合います。
このチョコがコーティングされたカリカリのコーンも、香ばしくてまた美味しいんですよね。思いっきりグルテンの塊だけど、美味しくてたまに無性に食べたくなります。
因みにドラムスティックは「Gelato Messina(ジェラート・メッシーナ)」とのコラボ商品も販売しています。こちらのアフォガート味もメッシーナとのコラボではないらしいけれど、ダサめなパッケージのドラムスティック社のアイスの中でも、かなり洗練された可愛いらしいパッケージデザインですね。
それにしてもMessinaってTimTamとかM.A.Cのリップスティックとかビールとか、キティちゃんばりに色んな企業とコラボしまくってますね。
Proud & Punch(プラウド&パンチ)
$8.00(6個入り / 1個当たり$1.33)
ココナッツクリーム、ココナッツオイル使用(乳化剤として大豆)
こちらも同じく老舗アイスメーカー「Peters」にある「Proud & Punch」はヴィーガンアイスのブランド。爽やかなパッケージとマンゴーやライムなどフルーツを使ったアイスキャンディーのようなフレーバーも多いことから、今回食べたアイスの中で一番さっぱりしています。
It’s Choc-Mint to Be(チョコミント)
タスマニア産ミントを使ったこのチョコミント味は、アイスクリームのようなクリーミーさは抑えめで、シャーベットよりも舌にしっかりとフレーバーが残るという、少し濃厚なアイスキャンディーという印象です。
チョコ味と言いつつもチョコレート感はあまりないですが、ミントのサッパリ感はしっかり感じられます。アイスバー自体も小さめのなので、サクッと一本食べられます。
一箱6個入りで、今回紹介したものの中では一番コスパはいいかも。しつこくなくなくて「ちょっとだけ甘くて冷たいものを食べたいな」っていう時にいいですね。
「ヴィーガン=ヘルシー」ではありません
私のお気に入りのヴィーガンアイスを色々ご紹介しましたが、「ヴィーガン」や「植物由来(プラントベース)」というだけで決してヘルシーという訳ではありません。
甘みを感じるということは相当量の砂糖が入っているものもあるし、中には保存料や着色料を使っているものもあります。シンプルでおしゃれなパッケージでナチュラルさを演出していますが、その辺の見極めも結構重要です。
ただ私のようにアイスが大好きなのにアレルギーでなかなか食べられなかったり、乳製品を食べると体の調子が悪くなる人にとっては、ヴィーガンアイスクリームはまさに救世主的な存在。甘くて冷たいアイスを食べると幸せな気持ちになれるので、あくまで嗜好品ということで、これからも楽しみたいと思います。
皆さんもこちらを参考にして、スーパーでヴィーガンアイスを見付けたら是非一度試してみてくださいね。