新しいものと古いもののコントラストが面白い街シドニー。シドニーCBDにある「STATE LIBRARY OF NEW SOUTH WALES(ニュー・サウス・ウェールズ州立図書館)」は美しく荘厳な建物が印象的な図書館です。
シドニーCBDにある歴史的な建造物
シドニーのシティ近郊には10箇所以上の図書館があり、今までダブルベイにあるウラーラ図書館やサリーヒルズ図書館、最近オープンしたグリーンスクエア図書館など様々な図書館をご紹介していますが、歴史あるものから近代的なデザインのものまで、建築・デザイン好きにはたまらないスポットばかりです。

再開発真っ只中にあって高層ビルの建設ラッシュのシドニーですが、町のあちこちに歴史を感じる荘厳な建物がたくさん残っています。NSW州立美術館やオーストラリア博物館など展示内容だけでなく建物も印象的な美術館・博物館はありますが、個人的にはNSW州立図書館はかなり一押しスポットです。


STATE LIBRARY OF NSW(ニュー・サウス・ウェールズ州立図書館)
NSW州立図書館はROYAL BOTANIC GARDEN(ロイヤル・ボタニック・ガーデン)の南側、THE DOMAIN(ドメイン)の脇にある、まさにシドニーCBDのシティ中央にある図書館です。

1826年に設立されたオーストラリア最古の図書館で、何度も改修された後、現在は旧館のTHE MITCHELL WING(ミッチェル・ウィング)と新館のTHE MACQUARIE STREET WING(マッコーリー・ストリート・ウィング)の2つの建物から成り立っています。
美しく荘厳な旧館「THE MITCHELL WING(ミッチェル・ウィング)」
特に私のお気に入りはこちらの旧館ミッチェル・ウィングです。2010年に100周年を迎えたと言うこのエントランスは、初めて訪れた際少し敷居が高くて入るのを躊躇してしまったほど荘厳な佇まいです。

エントランスの中には美しい壁の装飾と床の大理石が広がるホワイエがあり、全体的に薄暗く厳粛な雰囲気が漂っています。もちろん公共の図書館なので誰でも入場可能ですが、荘厳な佇まいに毎回圧倒されます。

その先に広がるREADING ROOM(読書室)は四方を本棚に囲まれていて、天井のトップライトから柔らかい光が降り注ぐ明るい大空間です。まるで時が止まったかのようにシーンと静まり返った空間です。
無駄な物音が一切せず、皆黙々と作業や勉強しています。ここに来ると本当に気が散らないので、集中力が爆上がりしてすごく仕事がはかどる気がします。

因みにこの部屋には水以外の飲み物や食べ物は持ち込み禁止なので、残念ながらコーヒーやスナックを飲みながら食べながらの使用はできません。私はお水を持ち込んで作業して、疲れたら併設のカフェでコーヒーを買って休憩しています。

また子供向けの館内ツアーもしているので、読書室の中も司書さんに連れられて子供達が通り過ぎることもあります。司書さんに「シーッ!」と言われながら口を手で塞いで歩いている姿がカワイイです。
因みに館内にはフリーWi-Fiもありますが、時間によっては遅めなこともあるのでご注意を。
初版本の写しもある「SHAKESPEARE ROOM(シェイクスピア・ルーム)」
同じ旧館THE MITCHELL WINGにある「SHAKESPEARE ROOM(シェイクスピア・ルーム)」は、かの有名なイギリス人劇作家WILLIAM SHAKESPEAREの書籍で埋め尽くされたシェイクスピア作品のための部屋。

NSW州のシェイクスピア愛好家の有志達の寄付によって作られたそうで、初版本のコピーも収蔵されているんですよ。毎週火曜日の10:00am~4:00pmのみのオープンで、話好きのガイドさんが常駐していて部屋の隅々まで解説してくれます。
旧館のエントランス・ホワイエを抜けて、左の廊下の奥にあります。因みに無料の館内ツアーでは曜日関係なく部屋には入れますが時間に制限があってサラッとしか見れないそうなので、がっつり見たい場合はやっぱり火曜日に行くのがオススメです。
インテリアの細かいディテールがデコラティブでとても素敵なので、ご興味のある方は訪れてみてはいかがでしょうか。
モダンな新館「THE MACQUARIE STREET WING(マッコーリー・ストリート・ウィング)」

新館のマッコーリー・ストリート・ウィングはマッコーリー・ストリート側にあるので、シティ・レールのマーティン・プレイス駅やセント・ジェームズ駅からもアクセス抜群です。

ガラスに囲まれた明るいスペースは旧館とは違ってモダンでカジュアルな雰囲気で、旧館とは地下で繋がっているので行き来可能です。ミュージアム・ショップや併設のカフェ(Trim Cafe)もあるので、コーヒーを飲みながら気軽に調べ物をしたりする場合はアクセスの良いこちらの方がいいかもしれません。
定期的に行われるギャラリーでの展示
2Fのギャラリー・スペースでは定期的に様々な展覧会が行われています。現在は残念ながら工事中でCLOSEしていますが、階段室もとても素敵です。

SYDNEY MORNING HERALD主催の報道写真展など入場料も無料の展覧会も定期的に行われています。現在ルーフトップやギャラリースペースの拡張工事中なので、所々囲われていて入れない箇所もありますが、それが出来上がった際にはまた素敵なスポットになりそうですね。

がっつり集中したい時には訪れるお気に入りの図書館です。図書館としてだけではなく、建築好きの方にはおすすめのスポットですよ。
Corner of Macquarie Street and Shakespeare Place, Sydney NSW 2000
TEL:02-9273-1414
OPENING HOURS:
MON – THU:9:00am – 8:00pm
FRI:9:00am – 5:00pm
SAT – SUN:10:00am – 5:00pm
コメント一覧 (2件)
図書館は、都市の顔、都市の文化度だと思います。 図書館が静か!は当たり前として、荘厳さ!!!も、重要な機能ですね。本に囲まれるというのは、とても良い雰囲気。 シドニーもなかなか、ですね。 shakespeare room は、象徴的な印象です。本の並びなどの特徴はあるのかな。テーマ別のルームはあるのですか? 行ってみたい!
フィンランドかスエーデンの図書館には、話ができる施設もあるそうです。資料があって話が出来ないのは図書館、話が出来て資料がないのは コミュニティコモン(日本の公民館)と言ったことがあるけど、シドニーでは、新館が旧館を補っている印象を受けました。良いセンス。
建物や雰囲気が良いので「図書館に行こう!」と思わせる仕掛けになりますね。そういう意味ではシドニーの図書館の雰囲気はいいです。
Shakespeare Roomは残念ながら1つの小さな部屋だけなんです。ただエントランスの扉や額縁、天井や窓の細かいディテールなんかも凝っているので、建築好きには楽しいと思います。すごく話好きな(止めないとずっと話しているくらい)ボランティアのお爺さんもいるので、訪れるなら火曜日がオススメです。
因みに私のお気に入りのシドニーの図書館をまとめた記事をtripnoteというサイトにアップしましたので、機会があれば見てみてください。
子供達が遊ぶ仕掛け満載のダブルベイのウラーラ図書館や、サスティナブルなサリーヒルズ図書館についてもまとめています。
https://tripnote.jp/sydney/photogenic-library-osusume