シドニーシティの片隅に佇む「STATE LIBRARY OF NEW SOUTH WALES(ニューサウスウェールズ州立図書館)」は、高層ビルと歴史的建造物が混在するシドニーの中でも、その格式の高さで際立っています。歴史的な建物と荘厳な雰囲気が魅力的な、美しすぎる図書館です。
シドニーの歴史的建築物 ニュー・サウス・ウェールズ州立図書館
シドニー・シティ近郊の図書館は、これまでにダブルベイのウラーラ図書館やサリーヒルズ図書館、そして最近オープンしたグリーンスクエア図書館などをご紹介していますが、歴史あるものから近代的なデザインのものまで、どこも建築・デザイン好きにはたまらないスポットばかりです。
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再開発真っ只中のシドニーには、高層ビルと歴史を感じる荘厳な建物が混在しています。中でもニューサウスウェールズ州立図書館(STATE LIBRARY OF NEW SOUTH WALES)は、図書館としてももちろん、印象的な建物と美しい読書室が、私の一押しのスポットでもあります。
歴史の香り漂う旧館:THE MITCHELL WING(ミッチェル・ウィング)
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ニューサウスウェールズ州立図書館は1826年に設立されたオーストラリア最古の図書館で、旧館のTHE MITCHELL WING(ミッチェル・ウィング)と新館のTHE MACQUARIE STREET WING(マッコーリー・ストリート・ウィング)の2つの建物で構成されています。ロイヤルボタニックガーデンの南側という好立地なので、シティからもアクセス抜群です。
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私がよく訪れるのが、100年以上前に建てられた旧館のTHE MITCHELL WING(ミッチェル・ウィング)。初めて訪れた際、この宮殿のようなエントランスの佇まいに、敷居が高くて入るのを躊躇してしまいました。
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エントランスに入ると、中には天井の高いホワイエが。壁の装飾と床の大理石が美しく、静まり返った様子も何やら厳粛な雰囲気です。もちろん公共の図書館なので誰でも気軽に入れますが、この雰囲気には毎回圧倒されます。
荘厳な美しさのReading Room(読書室)
個人的に特にお気に入りなのは、ホワイエの向こうにあるReading Room(読書室)です。本棚に囲まれた大空間には天井から柔らかな光が降り注ぎ、まるで時が止まったかのような静寂に包まれています。
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無駄な物音が一切せず、黙々と作業や勉強をする利用者たち。ここに来ると全く気が散る余地がなくなり、いつも集中力が爆上がりして、ものすごく仕事が捗ります。
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因みにこの部屋には水以外の飲み物や食べ物は持ち込み禁止です。コーヒーを飲んだりスナックをつまんだりはできませんが、私はお水を持ち込んで作業して、疲れたら併設のカフェでコーヒー休憩しています。
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また子供向けの館内ツアーもしているので、読書室の中も司書さんに連れられて子供達が通り過ぎることも。司書さんに「シーッ!」と言われながら、口を手で塞いで歩いている姿もカワイイです。
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館内にはフリーWi-Fiもありますが、残念ながら時間によっては遅めなこともあるのでご注意を。因みにWi-Fiが遅いのは、オーストラリアあるあるです。
貴重な初版本の写しがあるShakespeare Room(シェイクスピア・ルーム)
同じ旧館には、かの有名なイギリス人劇作家ウィリアム・シェイクスピアの書籍で埋め尽くされた、シェイクスピア作品のための部屋「Shakespeare Room(シェイクスピア・ルーム)」もあります。NSW州のシェイクスピア愛好家有志達の寄付によって作られたそうで、初版本のコピーも収蔵されていました。
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毎週火曜日の10:00am~4:00pmのみのオープンで、常駐のガイドさん(かなりの話好き)が部屋の隅々まで解説してくれます。無料の館内ツアーでも部屋には入れますが、時間に制限があるそう。しっかり見学したい人は、火曜日に行くのがオススメです。インテリアの細かいディテールも素敵なので、ご興味のある方は是非。
モダンな新館「THE MACQUARIE STREET WING(マッコーリー・ストリート・ウィング)」
新館のTHE MACQUARIE STREET WING(マッコーリー・ストリート・ウィング)は、マッコーリー・ストリートに面しているので、シティからアクセスするならこちらが便利です。
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ガラスに囲まれた明るいスペースは、旧館とは違ってモダンでカジュアルな雰囲気(というか、いたって普通)。旧館とは地下で繋がっているので、お互いに行き来も可能です。
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ミュージアム・ショップや併設のカフェ(Trim Cafe)もあるので、コーヒーを飲んだり、何かつまみながら気軽に調べ物をしたりする場合は、アクセスの良いこちらの方が便利ですね。
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定期的に様々な展覧会が行われる2Fのギャラリー・スペースに、先日はSYDNEY MORNING HERALD主催の報道写真展で訪れました。ルーフトップやギャラリースペースの拡張工事も終了し、新しく生まれ変わっています。
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私はがっつり集中したい時に訪れる場所ですが、特に作業をするのが目的でなくても十分楽しめます。建物の美しさはもちろん、歴史の浅いシドニーで「歴史」が感じられる貴重な場所です。建築好きの方にもおすすめですよ。
Corner of Macquarie Street and Shakespeare Place, Sydney NSW 2000
TEL:02-9273-1414
OPENING HOURS:
MON – THU:9:00am – 8:00pm
FRI:9:00am – 5:00pm
SAT – SUN:10:00am – 5:00pm
コメント一覧 (2件)
図書館は、都市の顔、都市の文化度だと思います。 図書館が静か!は当たり前として、荘厳さ!!!も、重要な機能ですね。本に囲まれるというのは、とても良い雰囲気。 シドニーもなかなか、ですね。 shakespeare room は、象徴的な印象です。本の並びなどの特徴はあるのかな。テーマ別のルームはあるのですか? 行ってみたい!
フィンランドかスエーデンの図書館には、話ができる施設もあるそうです。資料があって話が出来ないのは図書館、話が出来て資料がないのは コミュニティコモン(日本の公民館)と言ったことがあるけど、シドニーでは、新館が旧館を補っている印象を受けました。良いセンス。
建物や雰囲気が良いので「図書館に行こう!」と思わせる仕掛けになりますね。そういう意味ではシドニーの図書館の雰囲気はいいです。
Shakespeare Roomは残念ながら1つの小さな部屋だけなんです。ただエントランスの扉や額縁、天井や窓の細かいディテールなんかも凝っているので、建築好きには楽しいと思います。すごく話好きな(止めないとずっと話しているくらい)ボランティアのお爺さんもいるので、訪れるなら火曜日がオススメです。
因みに私のお気に入りのシドニーの図書館をまとめた記事をtripnoteというサイトにアップしましたので、機会があれば見てみてください。
子供達が遊ぶ仕掛け満載のダブルベイのウラーラ図書館や、サスティナブルなサリーヒルズ図書館についてもまとめています。
https://tripnote.jp/sydney/photogenic-library-osusume