シドニーのオシャレ図書館⑤ DARLING SQUARE LIBRARY(ダーリング・スクエア・ライブラリー)| DARLING SQUARE

新しい図書館が続々とオープンしているシドニーで、今回は絶賛開発中のエリアに新しくオープンした日本人建築家・隈研吾氏が設計したことでも話題の図書館「DARLING SQUARE LIBRARY(ダーリング・スクエア・ライブラリー)に初訪問しました。

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開発中の湾岸エリア「DARLING SQUARE(ダーリング・スクエア)」

シドニーCBDの西に広がる「DARLING HARBOUR(ダーリング・ハーバー)」は、多くの観光客で賑わう人気スポット。ダーリング・ハーバーの再開発としてNSW州が力を注いできた中でも、大注目プロジェクトの1つが「DARLING SQUARE(ダーリング・スクエア)」一帯の大規模開発です。

イベントなどが行われるコンベンションセンター(市民マラソンのCity2Surfのゼッケンはここで受け取り)や、チャイナタウンのPADDY’S MARKETに挟まれたポケット的なエリアで、鉄道跡地の公園GOODSLINEのすぐ脇にあります。

カフェやレストラン、美容院やエステ、アパレル・ショップやTATOOショップなどがあり「ココに来ればなんでも揃う」がコンセプトなんだそう。ほとんどのお店は既にオープンしていますが、現在もまだ工事は続いています。

建築家・隈研吾氏設計の「THE EXCHANGE(ザ・エクスチェンジ)」

そんなDARLING SQUARE開発計画の目玉が、新国立競技場も設計した日本人建築家・隈研吾氏設計の「THE EXCHANGE(ザ・エクスチェンジ)」です。この建物の中に新しい図書館「DARLING SQUARE LIBRARY(ダーリング・スクエア・ライブラリー)」があります。

建築好きでしかも図書館好きの私は、工事段階から竣工が楽しみでした。因みに下の写真が工事中の様子。よく見るとフロアごとに少しづつ床の位置をずらしていて、上部にはアイコニックな木製ルーバーが取り付けられています。

図書館まではTOWN HALL駅から徒歩で大体10分ほど。ICC(インターナショナル・コンベンション・センター)の前にあるTUMBALONG PARKを突っ切り、PIER STのガード下を潜ると、高層のオフィスビルやレジデンスの間に何層にも重なる木製スパイラルの外観が見えてきます。

GFには12のレストランが並ぶフードコート「MAKER’S DOZEN」、1Fには広東レストラン「XOPP」、その上の2Fに図書館があります。スペイン・バルからアジアン・フード、ボトルショップまでが軒を連ねるフードコートは、天井が高くていい感じです。

建物周辺のテラスにも席がたくさん用意されているので、天気が良ければ外での飲食もすごく気持ちがいいですよ。近くにはオフィスビルも多いので、ランチ時はビジネスマンや観光客で溢れます。

ただ以前訪れた時はあったはずのお店(UME BURGERとBANKSIIのプロデューサー達のコラボプロジェクト、和風パスタ屋さん「PASTA WAFU」など)が無くなっていたのにはビックリ。恐らく半年くらいしか持たなかったんじゃないかな。最近のシドニーのお店の入れ替わりは凄まじいですね。

木製スパイラルが印象的なファサード

建物をぐるりと囲う印象的な木製スパイラルは、まるで解かれた「曲げわっぱ」のようです。そのスパイラルに沿って階段を上ると、2F部分(日本で言う3F)に図書館があります。ファサードは「さすが隈さん」と言う感じでかなりインパクトあり。ガラスやスチールで覆われた高層ビルの狭間にある自然素材が、月並みですが都会のオアシスのようです。

アールが異なる細い木材が不規則に並び、このランダムな配置によって独特の軽快で動きがあるファサードを実現します。このスパイラルは建物の裾に行くにつれて、建物裏手の広場に伸びてパーゴラになります。DARLING SQUAREがこの建物を中心に広がるイメージですね。

ニューオープンの「ダーリング・スクエア図書館」

DARLING SQUARE LIBRARYは元々HAY MARKETにあった図書館をこちらに移動して、名前を変えてリニューアルオープンした図書館です。入り口の大きなエントランスホールには、ブルーの螺旋階段とおもちゃで出来た恐竜のインスタレーションがあります。

こちらは「TOYSAURUS」というアーティスト藤浩志さんの作品で、いらなくなったプラスティック製のおもちゃが組み合わさり、恐竜の彫刻に姿を変えたものだそう。2018年のシドニー・フェスティバルでタウンホールに展示された作品です。

このポップなインスタレーションの効果は絶大です。広い空間にソファがポツンポツンと置かれただけのスペースなので、この彫刻がなければかなりガランとした何もない(殺風景な)空間になると思います。

図書館は2フロアで構成されていて、上階には読書室や子供用のエリアが広がっています。建物周辺は高いビルに囲まれていますが、木製スパイラルがあるお陰で視線が適度に遮られ、目の前のビルにいる人影が気になったりはしません。

また木製スパイラルは日差しも遮ってくれるので、全面ガラスで覆われていますが日の光がさんさんと入る明るい空間と言うよりは、光を抑えた柔らかい落ち着いた空間という印象です。

CHILDREN’S AREAは図書館上階の北側、一番明るいエリアにありました。児童書が並ぶ本棚で緩やかにゾーニングされたエリア内は、カラフルな家具やクッションが並ぶリラックスした雰囲気です。親子連れが絵本を読みながら寛いでいました。

シドニーにある他の図書館よりも座席数が少ないので、ここに来て作業するのは難しいですね。ただWI-FIも完備してあり、座り心地良さそうなソファやテラス席もあるので、少し時間が空いてしまった時や誰かと待ち合わせする時に使えるかもしれません。

隈研吾氏設計と聞いて「中はどうなってるんだろう?!」とワクワクして出掛けましたが、想像以上にシンプルな空間で違う意味でビックリしました。各フロアの位置を微妙にずらすことで光や空間に変化があったり、建築的には面白い仕掛けはあるのですが‥‥予算が厳しかったんでしょうか。

シドニーにある新しい図書館の中では「GREEN SQUARE LIBRARY」や「MARRICKVILLE LIBRARY」のインテリアの方が、「ちゃんと考えてデザインしています感」があって個人的には断然良かったです。

残念ながら現在世界中を騒がせているコロナウイルス(COVID-19)の影響で、昨日(2020/3/19)からは図書館の営業を停止しています。DARLING SQUAREには美味しいお店がたくさんありますし、図書館はファサードだけでも見る価値はありなので、落ち着いたら是非訪れてみてください。

DARLING SQUARE LIBRARY

Level 1–2, Darling Exchange Building, 1 Little Pier St, Haymarket NSW 2000
TEL:02-8019-6477
OPENING HOURS:
MON – FRI:10:00am – 7:00pm
SAT – SUN:11:00am – 4:00pm
PUBLIC HOLIDAYS:CLOSE

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