シドニー大学内の美術館 CHAU CHAK WING MUSEUM(チャウ・チャク・ウィン美術館)| CAMPERDOWN

その美しい校舎が「ハリーポッターの撮影場所らしい」という噂が流れ、大勢の観光客が訪れる「University of Sydney(シドニー大学)」。今回はその中庭型校舎ではなく、2020年にオープンしたばかりの構内にある美術館「Chau Chak Wing Museum(チャウ・チャク・ウィン美術館)」に訪れました。

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オーストラリア有数の名門大学「University of Sydney(シドニー大学)」

シドニーCBDの西、Camperdown(キャンパーダウン)にあるUniversity of Sydney(シドニー大学)はオーストラリアでも有数の名門大学。BroadwayとPrincess Highwayに挟まれた一帯には、大学の校舎や関連施設が点在しています。

シドニー大学と言えばオックスブリッジ様式のGreat Hall(グレート・ホール)と中庭型建物のQuadrangle(クワドラングル)世界の美しい大学BEST10にも選ばれた、荘厳で美しい建物は一見の価値ありです。

映画「ハリーポッター」の撮影舞台になった‥‥なんて噂がまことしやかに流れたことで、観光バスが乗り付けたくさんの観光客が訪れる人気観光スポットにもなっています。因みにその噂は嘘です。

10月末〜11月には構内に点在する「ジャカランダ」の紫色の花が咲き乱れる、美しいジャカランダ・スポットとしても有名です。一般の人でも入れるので、ジャカランダのお花見なんていかがですか。

シドニー大学構内にオープンした美術館

そんなシドニー大学に新しくオープンしたのが、今回ご紹介する「Chau Chak Wing Museum(チャウ・チャク・ウィン美術館)」。場所はメイン・エントランスの坂の右側、クワドラングルの手前にあります。2020年11月にオープンしたばかりですが、かなり長い間工事していたので「やっとオープンしたのね」という感じです。

美術館の名前にもなっているChau Chak Wing氏は中国系オーストラリア人の実業家で、以前ご紹介したフランク・ゲーリーが設計したUTSビジネス・スクールには「Chau Chak Wing Building」と彼の名が付けられています。この美術館の建設に$1,500万(13億円)寄付したとか。チャウ氏、恐るべしです。

有名設計事務所が手掛けたモダンな内装

コンクリート打ち放しのマッシブなフォルムの建物をデザインしたのは、NSW州立美術館の改装も手掛けたオーストラリアの設計事務所JPW。砂岩を思わせる薄茶色のプラットフォームの上に、コンクリートの四角い箱が張り出すように置かれたようなミニマルなデザインです。坂を登り、クワドラングルの目の前にあるエントランスからアクセスします。

2,000㎡ある館内は全部で4層に分かれ、シドニー大学のコレクションが収蔵されています。元々はクワドラングルの一角にあった小さなスペースで展示されていたものが、こちらに移動したことで一気に3倍の展示スペースになったそうです。

館内はコンクリートとガラス、鉄と木などの異素材を均等に使った、主張すぎずシンプル。当たり前だけどとにかくキレイです。広々とした展示スペースや、贅沢に取ったエントランス&ホワイエ。私達が訪れた時は閉まっていましたが館内にはカフェもあって、大学内にこんな美術館があるなんて羨ましいです。

地階のホール部分にはローマ時代の彫刻が。建物の東側に位置するので、窓の向こうはセントラルにある緑の壁のショッピングモール「CENTRAL PARK MALL」や「UTS(シドニー工科大学)」が見えます。

膨大なコレクションのハイライトはミイラ?!

館内で一番大きなスペース「Ian Potter Gallery」では、先住民アボリジナルとトレス海峡諸島の人々によるアート作品が展示されていました。入り口には昔は神聖な儀式で使われていたと言われている特有のトーテム・ポールが並び、石や木、樹皮や葉などの自然素材を使った作品の数々は膨大です。この展示は国内の博物館賞も受賞しているそうですよ。

アボリジナルの人々は自然を敬い神秘的な力を信じていたと言われていて、独特のタッチは何かsuperstitiousなものも感じ心に響きます。せっかくオーストラリアにいるんだし、いつか家にも飾ってみたいなと目論んでいるところです。

意外に面白かったのがシドニー各地の土を並べたインスタレーション。同じシドニーなのに土の色ってこんなに違うんですね。自分の住むエリアの土を探して「こんな色だった?」「ロックスってこんなに茶色いんだ」なんて言いながら見比べるのも面白かったです。

実はこの美術館では、南半球最大の考古学コレクションだというNicholson Collectionで、エジプト、ギリシャ、イタリア、キプロス、中東の古代遺物を30,000以上収蔵しています。大学でこのコレクション数って半端ないですね。

中でもこの美術館の目玉展示は、特別室に展示された4体の「ミイラ」。しかもMRI映像付きなので、包帯で巻かれた中身が映像で見れるのも面白いです。子供の時に訪れた大英博物館でも実はミイラが一番印象に残っているので、ミイラって人を惹きつけるなにかがあるのかも。とにかく大学内で本物のミイラが観られるって結構すごくないですか?

シドニー大学散策の合間に訪れてみて

NSW州立美術館オーストラリア現代美術館のような美術館に比べると若干見劣りはするけれど、展示内容は大学の構内にある美術館だと思えないくらいかなり本格的。学生でなくても無料で入場することができるので、シドニー大学に訪れた際は立ち寄ってみてはいかがでしょう。

CHAU CHAK WING MUSEUM

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