シドニー建築巡り③ UTS CENTRAL(シドニー工科大学セントラル校舎)| CHIPPENDALE

世界的に有名な建築家フランク・ゲーリー設計のオーストラリア初の作品など、有名建築家を起用して攻めた校舎を建て続けているシドニー工科大学、通称UTS。そのUTSが新たにオープンする校舎「UTS CENTRAL」の内覧会に参加しました。

CONTENTS

UNIVERSITY OF TECHNOLOGY SYDNEY(シドニー工科大学)

オーストラリア国内の中でも優れた8大学であるとされる「Group of 8」に入る学校のうち、シドニーにあるのは「SYDNEY UNIVERSITY(シドニー大学)」と「UNSW(ニュー・サウス・ウェールズ大学)」の2大学。「UNIVERSITY OF TECHNOLOGY SYDNEY(シドニー工科大学、通称UTS)」は、前述の2大学のようにアカデミックな研究に長けているというよりは、実践的なスキルが学べることで人気がある大学です。

CENTRAL駅から歩いてすぐのBROADWAY沿いにあるのでシティからのアクセスも抜群で、シドニーにあるどの大学よりも一番シティに近い都市型の大学です。目の前には緑の壁が有名なCENTRAL PARK MALLがあり、チャイナタウンからも歩いてすぐなので、お買い物や食べ物には困らない便利なエリアにあります。

UTSは積極的に著名建築家を起用して斬新な校舎を建てていて、数年前には建築界では知らない人はいない巨匠、FRANK GEHRY(フランク・ゲーリー)が設計したビジネス・スクール(経済学部棟)の建物が話題になりました。このビルはゲーリー唯一のオーストラリアにある作品で、見た目がダンボールの緩衝材に似ていることから「PAPER BAG(ペーパーバッグ)」とも呼ばれています。

UTS TOWERはシドニーで一番醜い建築?!

メイン校舎のBuiding 1(通称UTS TOWER)は1979年に建てられたもので、建設当時は「シドニーで最も醜いビル」などと評され、とても不名誉な称号をもらっています。

以前ご紹介したTHE ROCKSにあるSIRIUS BUILDINGと同じく、コンクリートの荒々しさと重量感が漂う「BRUTALIST ARCHITECTURE(ブルータリスト建築)」としても有名です。(こちらも竣工当時はオーストラリア史上醜い建物と言われていたそう)

デザイン的な軽さはありませんが、個人的にはこの荒々しさや重さ、朴訥な感じも悪くないと思っています。

2019年11月オープンの新校舎「UTS CENTRAL」

今回新しくオープンするのは、UTS TOWERの隣に建つUTS CENTRAL(Building 2)というビル。2016年の中頃から始まった工事は、老朽化して手狭になった既存のビルを解体して「時代に合わせた機能を取り入れる」目的て建て替えるかなり大きなプロジェクトです。

隣のUTS CENTRALとは通路やバルコニーで繋がっていて、中で行き来が出来るようになっています。直線的で暗く重々しいUTS TOWERと、ガラスとスチールを使った軽快で曲線的なデザインのCENTRALはものすごいコントラストです。

建物は15フロアで構成されていて、下部の5フロアには図書館や読書室、自習室があり、上階のねじれたようなフォルムの10フロアは法学部の施設やIT学部の研究室が入る予定です。

因みにこちらの設計はシドニーの設計事務所「FJMT architects」が担当しています。流れるような曲線を多用したデザインと、シャープでモダンな室内空間がFJMTらしいです。

BROADWAY側の入り口から中に入ると2層の吹き抜けのロビーが広がっています。左手奥に降りて行くとフードコート、真っ直ぐ上に上がると上階へのエスカレーター、右手に降りると地下のラボがあります。

まずは上階に上がって図書館へ。

近未来感満載のUTS LIBRARY

こちらはLevel 5から3層に渡って広がるREADING ROOM(読書室)。3層吹き抜けになっているので開放感が半端無いですね。因みに窓の向こうに見える小さな窓が沢山あるビルはサイエンス系の学部ビルです。

こんなに開放感があると逆に落ち着かないかも?!なんて心配になってしまいます。

こちらがLevel 7から4層渡って広がるLIBRARY(図書館)エリア。先程の読書室が上から見下ろせ、北側にある大きな窓からはサンサンと陽の光が入ってきます。建物の本格オープンは11月なので、まだ本棚には何も入っていませんでした。

ここの図書館のもう一つの目玉と言えば、シドニー・シティのスカイラインが一望できる開放感あるこのテラスでしょう(残念ながらハーバーやハーバー・ブリッジは見えません)。こんな気持ちいいテラスがあれば、勉強に行き詰まったりした時にいつだってリフレッシュできそうですね。羨ましい。

テラスに並んでいたSTEORAのスマートベンチは、ソーラーパネルが内蔵されていて、USBチャージやワイヤレス充電に対応、free wi-fiスポットにもなる超高性能のベンチでした。夜は照明にもなるみたいで、すごく便利ですよね。

図書館を出て反対のBROADWAY側にもテラスがあります。目の前にはセントラルパーク・モールの緑の壁がドーンと鎮座していてこちらのviewも圧巻です。

二重螺旋の美しい階段

DNAの分子構造にインスピレーションを得たという二重螺旋(DOUBLE HELIX)の階段は、デザイン性だけでなく、「登ってみたくなる」階段を作ることでエレベーターやエスカレーターの使用頻度を抑える働きがあるとか。

見下げると吸い込まれそうな美しい階段は、確かに登ったり降りたりしたくなるかも。人の動きをさりげなくアシストするデザインが面白いです。

地下にあるカラフルなラボ(研究室)

地下にはこんなカラフルな研究室がありました。こちらは生物学や物理学などの授業で使用される、270人収容可能なラボだそう。骨伝導スピーカーを使用して複数の異なる授業が一気に行うことも出来るそうです。すごいですね。

生徒の憩いの場「ALUMNI GREENS」

BROADWAYと建物を挟んで反対側には、学生達の憩いのスペースである芝生の中庭(ALUMNI GREES)があります。カラフルな遊具がポップでカワイイです。

ランチをしたり、グループで集まって課題の相談をしていたり、カラフルなベンチもあるので座って本を読んだりしている学生達がいます。校舎の脇に思い思い好きなように過ごせる、気持ちがいい場所があるっていうのはいいですね。

因みにCENTRALの建物内にはこのALUMNI GREENS側と、BROADWAY側の両方からアクセスできます。

学食レベルを超えたシドニーの穴場フードコート

校舎自体のオープンはまだまだ先ですが、一際活気があったのが一足早くオープンしたフードコート。イタリアンや寿司、マレーシアンからメキシカンまで全部で8つのショップが出店しています。学食なのにこれだけバラエティ豊富に取り揃えているなんて羨ましい。一般の人も利用可能なので、穴場ランチスポットになりそうですね。

因みにサスティナビリティを意識していて、どのお店もプラスティック製品は全く使わず、リサイクル可能の容器やストローを使用しています。こういう環境意識は今の時代、特に大学など情報を発信していく場所としては必要不可欠なんですね。

今回残念ながら上階の見学は出来ませんでしたが、法学部には模擬裁判所などもあるそうです。外部の人の図書館利用は難しいですが、中庭やフードコートは誰でも利用可能なので是非訪れてみてはいかがでしょうか。

UTS CENTRAL

61 Broadway, Ultimo NSW 2007
TEL:02-9514-2000

【公式】トリップアドバイザー
PLEASE SHARE THIS POST ♡

コメントする

3 × 3 =

CONTENTS