日本でも有名建築家が設計した大学キャンパスが増えていますが、シドニーでも斬新な大学校舎が続々と誕生しています。今回は建築界の巨匠フランク・ゲーリーが設計した「UTS(シドニー工科大学)」のビジネススクール「DR CHAU CHAK WING BUILDING」をご紹介します。
UNIVERSITY OF TECHNOLOGY SYDNEY(シドニー工科大学)
「UNIVERSITY OF TECHNOLOGY SYDNEY(シドニー工科大学、通称UTS)」はシドニーのシティ中心にある都市型の大学。有名建築家を起用して続々と攻めた校舎を建て続けていて、先日も新校舎「UTS CENTRAL」をオープンしたばかりです。
特にユニークな外観が印象的な校舎「DR. CHAU CHAK WING BUILDING(ドクター・チャウ・チャック・ウィング・ビルディング)」が有名で、この校舎は現在進行中のキャンパス再開発工事の旗艦プロジェクトになっています。
フランク・ゲーリー設計の大学校舎
「DR. CHAU CHAK WING BUILDING」は世界的な有名建築家であるFRANK O GEHRY(フランク・ゲーリー)が設計したUTSのビジネススクールの校舎です。ビルには莫大な寄付をしたという中国人投資家の名前が付けられています。流石ですね。
「オペラハウスに匹敵する建物を作って欲しい」というオーダーで設計されたこのビルは、ゲーリーによる初のオーストラリア作品になります。建築業界ではもちろん注目度は高いですが、シドニー有数のアイコニックなビルとして地元でも評判です(かなり賛否両論あるみたいですが)。実は私も初めて旅行でシドニーに訪れた際、すぐに見学に行きました。
ダンボールの緩衝材のような外観の「ペーパーバッグ」ビル
ゲーリー設計の建物の特徴と言えば、グニャグニャの有機的なフォルムです。スペインのビルバオにあるグッゲンハイム美術館やロスのウォルト・ディズニー・コンサートホールなどなど、独特の波打つようなデザインが印象的な建物ばかり。
ブロックが波打つファサードには32万個ものブロックが使われていて、何とそれを手作業で積み上げたというから気が遠くなります。梱包に使うダンボール緩衝材のような外観から「PAPER BAG BUILDING」という愛称で親しまれています。
エントランスから館内に入ると、シルバーに輝くうねうねと湾曲するメタリックな階段が目の前に広がります。
館内は教室や自習エリアなどがあり、外壁から突き出ている四角い窓部分は内部では印象的な出窓になっています。波打つ壁に外壁の名残を感じますが、意外にも内部はシンプルな印象です。
波打つブロックと直線的なスチールとガラスのコントラストが美しい北側の入り口には、夜はバーになるカフェ「80 Bar & Cafe」もあります。コーヒーが近場の相場よりも若干安いので、ちょっとした休憩にもいいかもしれません。
竣工当初はその奇抜な外観から地元ではかなり賛否両論あったそうですが、「オペラハウス」のように将来歴史的な遺産になるかも?個人的には世界的建築家の設計した建物で勉強できるなんて、UTSの学生さん達がとっても羨ましいです。
フランク・ゲーリーから隈研吾まで建築巡り
UTSビジネススクールは、以前ご紹介した鉄道跡地の公園「GOODS LINE」の脇に建っています。歩道を歩いていると思わず二度見してしまうような、かなり目立つビルです。
GOODS LINEはCENTRAL駅から現在開発中の注目エリアDARLING SQUARE(ダーリング・スクエア)まで通っています。
DARLING SQUAREにはレストランやカフェをはじめ、新しくオープンした隈研吾氏設計の「THE EXCHANGE」もあります。建築好きの方はゲーリー設計のビジネススクールからのDARLING SQUARE巡りもオススメですよ。
14-28 Ultimo Rd, Ultimo NSW 2007
TEL:02-9514-3505