オーストラリアやニュージーランド発祥の「オセアニアン・カフェ」が日本で話題らしい。本格コーヒーと絶品フード、さらにリラックスできる空間も楽しめる、まさにオセアニアンスタイルが体験できるカフェ。そんな東京近郊にあるオセアニアンカフェ6軒に訪れた。
オセアニアン・スタイルのカフェとは?
イタリア系移民の影響から広まったと言われる、オーストラリアやニュージーランドのカフェ文化。エスプレッソベースのコーヒーと、美味しいブレッキー(朝食)やブランチ、人々が集う場として独自の進化を遂げ、今ではオセアニアン・カフェとして確固たる地位を確立している。
そんなオセアニアの雰囲気が楽しめるオセアニアン・カフェが、日本でも人気らしい。
バリスタではないので専門的なことは語れないけれど、今ではオーストラリアのカフェ文化にすっかり魅了されている私。コーヒーはもちろん美味しいし、どのフードもハズレがなく、お店の雰囲気も素晴らしい。その空間にいるだけでワクワクしてしまう。
高品質のコーヒー豆を自社で選別して焙煎するロースター系カフェから、レストラン顔負けの料理とリラックした雰囲気を提供するカフェなど、東京近郊にある個性豊かで、オセアニアな雰囲気が楽しめるカフェをご紹介したい。
1. ビルズ(bills)横浜赤レンガ倉庫店:港で世界一の朝食
ふわふわのパンケーキや「世界一の朝食」で既に日本でもお馴染みのbills(ビルズ)は、オーストラリア・シドニー生まれのレストラン&カフェ。日本国内には8店舗もあり、国内に4店舗しかないオーストラリアよりもはるかに知名度が高い。
東京には原宿や銀座、二子玉川にお店がある中で、今回訪れたのは日本2号店としてオープンした「横浜赤レンガ倉庫店」。横浜港が見渡せるロケーションながら、適度に囲まれた落ち着き感もあり居心地がいい。気のせいか、ビルズの本店があるシドニーのダーリングハースト店の雰囲気に似ている気がする。
リコッタチーズのパンケーキやオージーブレッキーなど、本店お馴染みの人気メニューはもちろん、「ベリーベリーパンケーキ」なる赤レンガ倉庫店オリジナルメニューもある。定番メニューは押さえておきたいけれど、オリジナルメニューもかなり気になる。
ちなみにコーヒー豆は、同じシドニー発祥のロースター「シングルオー(Single O)」のものを使用している。使っている豆もがシドニー本店と同じなのも、さりげなく嬉しい。
bill 横浜赤レンガ倉庫
〒231-0001 神奈川県横浜市中区新港1-1-2 横浜赤レンガ倉庫2号館1F
TEL:050-3188-6550
OPENING HOURS:MON - THU 9:00〜22:00 / FRI 9:00〜23:00 / SAT 8:00〜23:00 / SUN 8:00〜22:00
2. シングルオー(Singles O):シドニー生まれの人気ロースター
シドニーのコーヒー業界における、サードウェーブの先駆けと言われる「シングル・オー(Single O)」。シドニーのサリーヒルズ店をベースに、シドニー各地のカフェやレストラン(上記のbillsにも)にもオリジナルのコーヒー豆を提供している。
日本進出は2014年と、意外にも10年の歴史がある。今では両国と日本橋浜町、さらに渋谷アクシュにも店舗展開しているそう。小さな焙煎所だった両国の一号店は、 2024年に同じエリアの新店舗へ移転。赤茶色の錆びた佇まいがかなりいい感じだ。
東京店でお馴染みのオリジナルのコーヒーサーバーには、シングルオリジンのドリップコーヒーが銘柄別に並んでいる。エスプレッソ中心のオーストラリアでは、見かけなかった気がする。日本ならではの雰囲気を楽しみたいなら、サーバーでオーダーするのもいいかも。
Single O 両国 Roastworks / Cafe
〒130-0014 東京都墨田区亀沢3-21-5
TEL:0362404455
OPENING HOURS:WED - SUN 10:00〜18:00
3. デウスエクスマキナ(Deus Ex Machina)浅草:オーストラリア発祥の人気アパレル
シドニーのキャンパーダウンで誕生した、ライフスタイルショップ「デウス・エクス・マキナ(Deus Ex Machina)」。すでにアパレルブランドとして日本ではお馴染みだが、ショップ併設のカフェではオセアニアンカフェの雰囲気が味わえる。
場所はスカイツリーを望む、浅草の高架下複合施設「東京ミズマチ」の一角。窓の外には広大な隅田公園が広がっているので、晴れた日の開放感は半端ない。公園には犬連れのお客さんも多く、もちろんここもドッグフレンドリーだ。
店舗併設のカフェながら、豆はバリスタ厳選のオリジナルというこだわりも。さらに定番のロゴマークが描かれた、オリジナルのクラフトビールも製造している。ボリューミーなサンドイッチやホットドッグを、ビールと一緒に流し込むのも良さそう。
Deus Ex Machina 浅草
〒131-0033 東京都墨田区向島1丁目2-8 W5
TEL:03-6284-1749
OPENING HOURS:MON - SUN 11:00〜19:00
4. チビ(CIBI):メルボルン発の人気ライフスタイルショプ
シドニー民の私でも知っている、メルボルン発祥の人気カフェ「CIBI(チビ)」。メルボルンはオーストラリア随一のカフェの聖地とも言われる場所。そんなメルボルンの人気カフェが東京にあるのなら、訪れないわけには行かない。
東京にある2店舗の内の1つが、千駄木にあるCIBI東京店。谷根千と言われるエリアの古い印刷工場をリノベした店内は、古いものと新しいものは入り混じった、いい意味でキレイすぎない絶妙なバランス感。メルボルンのフィッツロイ店のような、人々で賑わう食堂感が漂っている。
もう1店舗の北参道店があるのは、代々木と千駄ヶ谷の間にある「ダガヤサンドウ」エリア。雑居ビルの1Fにある小さなお店は、気軽に立ち寄れるコーヒースタンドのような雰囲気。近隣に通勤する人達や、明治神宮帰りの人にも良さそう。
CIBI Tokyo Store
〒113-0022 東京都文京区千駄木3丁目37-11
TEL:03-5834-8045
OPENING HOURS:MON - FRI 8:30〜16:30 / SAT - SUN 8:00〜17:30
5. オールプレス エスプレッソ(Allpress Espresso):ニュージーランドの人気ロースター
オセアニアンカフェを語る上で、忘れてはいけない存在の「ニュージーランド」。オーストラリアだけでなく、ニュージーランドも魅力的なコーヒー文化に溢れている。そんなニュージーランド生まれカフェの代表選手といえば、「オールプレス・エスプレッソ(Allpress Espresso)」だろう。
世界各地に進出しているオールプレス・エスプレッソ。東京では、コーヒーの聖地「清澄白河」とオフィス街の「虎ノ門ヒルズ」に店舗を構えている。今や30軒以上のカフェがある清澄白河でも、オールプレスのオープンは2014年と、あの「ブルーボトル」よりも早いらしい。
焙煎機の音と香ばしい香りが漂う、広々とした大空間の清澄白河店と、オフィス街らしくモダンでクリーンな雰囲気を醸し出す、スタイリッシュな虎ノ門ヒルズ店。雰囲気が全く異なる2店舗だけど、どちらも個性的で甲乙つけがたい魅力がある。
Allpress Espresso 東京ロースタリー&カフェ
〒135-0023 東京都江東区平野3-7-2
TEL:03-5875-9131
OPENING HOURS:MON - FRI 9:00〜17:00 / SAT - SUN 10:00〜18:00
6. イキ・エスプレッソ(IKI Espresso):日本とニュージーランドが融合したカフェ
最後にご紹介するのは、日本生まれながらも、オセアニアの雰囲気を存分に感じられるカフェ「イキ・エスプレッソ(IKI Espresso)」。ニュージーランドで知り合った夫婦が、日本でKIWI(キウイ / ニュージーランド人の意)文化を広めるべく、清澄白河にカフェと焙煎所兼イータリーの2店舗を展開している。
上記にご紹介した5つのカフェとは異なり、オーストラリアやニュージーランドに本店のあるカフェではないものの、オーナーのスピリッツやお店の雰囲気は、完全にオセアニアンスタイルと言えるだろう。
明るくこぢんまりとして居心地がいい「イキ・エスプレッソ」と、柱梁剥き出しでウェアハウス感満載の大空間「焙煎所兼イータリー」。一つのブランドで全く違った雰囲気が楽しめるのは、コーヒーの聖地・清澄白河ならではなのかもしれない。
IKI Espresso
〒135-0006 東京都江東区常盤2-2-12
TEL:03-6659-4654
OPENING HOURS:MON - FRI 8:00〜17:00 / SAT-SUN 8:00〜18:00
東京でオセアニアン・カフェを楽しむ
オーストラリアで暮らしていたせいか、日本に帰ってきても「オージースタイル」のカフェに無性に行きたくなる。早朝のお散歩の合間や、ちょっとした休憩の時、何かに煮詰まって外の空気が吸いたい時に、「カフェに行きたいな」と思うのは、おそらく「在豪あるある」なのかもしれない。
残念ながら日本には早朝からオープンしているお店は少ないものの、逆に15:00で閉店してしまうようなお店もはなかなかない。コーヒーは朝だけでなく、夕方にも飲みたくなるもの(カフェインがどーのこーのという話は置いておいて)。だから夜まで営業している日本のカフェは、それはそれでありがたい。
今回、東京近郊で訪れたオセアニアン・カフェは、オセアニアらしい心地よいリラックス感と、居心地の良さが感じられるお店ばかり。ぜひこちらのリストを参考に、オセアニアンスタイルを体験してみては?
その時はもちろん、オセアニアの定番コーヒー「フラットホワイト」をオーダーするのをお忘れなく。