毎週末シドニー各地で開催されるファーマーズ・マーケットは、実際に生産者の話を聞きながらお買い物できるヘルシー志向の人々の恒例行事。今回はアートスポットとしても人気のCarriageworks Farmers Market(キャリッジワークス・ファーマーズ・マーケット)をご紹介します。
おしゃれアートスポット「CARRIAGEWORKS(キャリッジワークス)」
1880年代のRedfern(レッドファーン)にある鉄道車両の工場が、建物の老朽化や会社の経営不振によって1988年に一旦閉鎖。その後、このスペースの可能性を感じたNSW州が建物を購入し、2007年に文化芸術施設「CARRIAGEWORKS(キャリッジワークス)」がオープンしました。
今では展覧会、演劇、ファッションショーなどのイベントなどが行われ、おしゃれな芸術の複合施設として使われています。
こちらを設計したのは、古き良きものを残しつつ、新しく生まれ変わらせることが得意な設計事務所TONKIN ZULAIKHA GREER。PADDINGTON RESERVOIR GARDENSなど彼らの手がけたプロジェクトはどれも素敵です。
地産地消の人気ファーマーズ・マーケット
キャリッジワークスの一角にある鉄鋼作業所だった場所で週末行われているのが、今回ご紹介するCarriageworks Farmers Marketです。
地産地消をテーマに掲げたマーケットで、NSW州内やシドニー近郊で生産された選りすぐりの農作物や食料品を扱い約70のストール(露店)が並んでいます。このロケーションと活気溢れる感じがたまりません。
オーガニックの野菜やフルーツ、有機肥料のみで育てられた鶏肉や卵、グラスフェッド牛乳から作られたチーズやアイスクリーム、搾りたてのコールドプレス・ジュースなどなど。実際に生産者の方と話をしながら、こだわりの商品が選べます。
こちらの美味しそうなパンが並んでいるBREAD & BUTTER PROJECTは、Bourke Street Bakeryのオーナーであるポール・アラム氏とデイビット・マクギネス氏が始めたプロジェクト。オーストラリアに来る難民の人達に、パン職人としての技術と職を提供しているそう。
手に職をつけて新しい生活を始めたい人と、技術のある職人が欲しい人がウィンウィンになるシステムは、移民が多いオーストラリアならではのアイデア。購入したパンの代金はそのまま彼らの教育資金になるそうなので、微力ながら役に立てたら嬉しい、という思いでクロワッサンとデニッシュを購入しました。
今回気になったが「Enokido Miso」さんという日本人の方が運営するお味噌屋さん。まさかファーマーズ・マーケットで日本人の方にお会いできるとは思っていなかったのでビックリです。
オーストラリアでもお味噌は購入できますが、もちろん日本よりも種類は少ないですし、美味しい無添加のお味噌を探すのも大変です。こちらのお味噌は100%オーストラリア産の原料で作られた、完全オーガニックな手作り味噌。私はグルテン・フリーの玄米麹を使った「BROWN RICE MISO(玄米味噌)」と「グルテンフリー醤油」を購入しました。
原材料はオーガニックの大豆、玄米、塩のみというシンプルさ。お出汁を入れなくてそのまま味噌だけでいいそうで、味も素朴でとっても美味しい!シドニーでオーガニックな日本食材に巡り合えるという、嬉しい出会いでした。
マーケットのフード系ストールでランチ
お店を一通り見たらお腹が空いたのでブランチは、BAR PHOでMSG&グルテンフリー、グラスフェッド・ビーフ(牧草のみで育てられた牛肉)のフォーにしました。
やっぱり朝はアジアンフードのやさしい味がホッとします。さっぱりしながらもコクがあるので、見た目よりもボリュームたっぷりでかなりお腹いっぱいです。
サリーヒルズにある人気ロースター・カフェSINGLE Oのストールも出ていました。食後はこちらのコーヒーで締めました。安定の美味しさです。
このお店では「使い捨てカップ極力廃止する」運動をしていて、コーヒーはマグカップで受け取り、飲み終わった後に返すというシステムでした。今回は最初それに気付かず、何も考えずにテイクアウェイカップにしてしまいました。反省;
色々なお店を回ってお買い物をして、美味しいご飯を食べて、外でコーヒーを飲みながらのんびり過ごす……何ともシドニーらしい週末の過ごし方です。
開放感あるフォトジェニックなギャラリーとカフェ
ファーマーズ・マーケットに訪れたら、お隣のギャラリースペースに寄るのも忘れずに。工場特有の開放的な天井の高さと、点在する窓から入る光と影のコントラストがとにかく美しいです。タイミングが合えば、様々な展示が無料で見学できます。
この時はちょうどドイツ人アーティスト「カタリーナ・グロッセ」の展覧会が開催中。天井から吊るされた大きな布をカラフルにペイントしたインスタレーションは、絵画なのか彫刻なのか建築なのか判断がつかないほどダイナミック。この空間の良さをフルに活用した、まるでこの空間のために作られたかのような作品でした。
また、ギャラリーの脇にあるこちらの「CORNER STONE BAR & FOOD(閉店)」というカフェは、家具や小物、ディテールも素敵で、場所の良さとの相乗効果で全てがオシャレに見えます。
キャリッジワークスへの行き方
Carriageworksの場所は、「Redfern(レッドファーン)」駅のLAWSON ST側の出口を出てから徒歩7〜8分。駅を出て、線路を左手に見ながら西へ向かって歩くと、工場跡地らしい建物が見えてきます。階段を降りれば到着です。
工場跡地という非日常的な空間で、唯一無二なフォトジェニックなマーケットが楽しめます。工場の暗さと日差しの強さのコントランストも、何とも言えない雰囲気です。ファーマーズ・マーケットやギャラリーやカフェに行かずとも、建物を見るためだけでも訪れたい場所です。
245 Wilson St, Eveleigh NSW 2015
*Every Saturday 8:00am – 1:00pm
コメント一覧 (2件)
写真すごいいいですね。カメラは何を使っているんですか?シドニーに住んで長いですがこんなマーケットあるって知りませんでした。(^o^)これからも更新楽しみにしています。
ありがとうございます!そしてレスポンスが遅くなってしまってごめんなさい。何故か最近コメントを頂いてもメールが来ず、たった今メッセージを確認しました。
カメラは去年まではCANONの70Dを、年明けからは(中古の)5D mark iiiを使い始めました。
CARRIAGEWORKS、本当にオススメですよ。マーケットもそうですけど、特に建物がオススメです!