美しいシドニーハーバーを見渡す抜群のビューを誇るバーもいいけれど、敢えて隠れ家的なバーに訪れたいのなら、地下にあるスピークイージーな雰囲気のある「PALMER & CO. （パーマー＆コー）」はいかがでしょう？
隠れ家バー「PALMER & CO. （パーマー＆コー）」
「PALMER & CO.（パーマー＆コー）」は1920年代、アメリカでアルコールの製造、販売、輸送が全面的に禁止されていた「禁酒法時代」をコンセプトに作られたバー。お酒は禁止されていたけれど、隔離された空間の中では人々が自由な時間を楽しんでいたスピーク・イージーの雰囲気を体現しています。
場所はシドニーCBDの中心、George St（ジョージストリート）とPitt St（ピットストリート）の間にあるAbercrombie Laneという細い路地の途中。大きな看板がないので少し戸惑うかもしれないけれど、ガードマンのいる明かりが灯った場所が入り口です。ここでIDを見せて中に入ります。（日本人は若く見えるので、英語版のIDが無い場合はパスポートを持って行った方がいいかもしれません）
今回は従兄弟とCHOPHOUSEでステーキを食べた後に「近場でお酒が飲めるいい感じの所」というリクエストの元、遊び心のあるこのバーを選びました。
地下へと階段を階段を下り、大きな木の扉を開けて中に入ると、そこはまるで映画「アンタッチャブル」の世界。薄暗い店内に少し敷居の高さを感じるかもしれないけれど、オーストラリア最大のホスピタリティ・グループ「MERIVALE GROUP」が運営するバーなのでご安心を。
「禁酒法時代」のスピークイージーな雰囲気のインテリア
音楽が流れ、お客さんの話し声が響く店内は、かなり活気で溢れています。夜景が見える開放感や、ピアノが流れるしっとりとした落ち着き感は、いい意味でありませんのでご注意ください。
レンガ積みの味のある壁やそこに描かれた燻んだレタリング、オレンジ色の仄暗い照明やバーカウンターなど、細部のディテールに至るまでかなり凝っていて映画のセットのようです。
クローシュを被ったフラッパーなウェイトレスさん、シャツにサスペンダーやボウタイ、ジレを羽織ったバーテンダーさんなど、店員さんのクラシカルな装いは「華麗なるギャツビー」そのものです。（因みに映画「華麗なるギャツビー」のロケ地はシドニーなんですよ）
こだわりのオリジナルカクテル
オーダーはキャッシュ・オン・デリバリー方式なので、カウンターで注文し、席に持って行くスタイル。カクテルを注文できるカウンターは店内に何箇所もあるので、空いているところに並べばあまり待たずに済みます。
30種類以上のジン、80種類以上のウイスキー、40種類以上のスピリッツを揃えているそうなので、まずはオリジナルカクテルをオーダーしました。カクテルはメニューを見ただけでどんな味か想像できないのがチャレンジングですが、そんな時はバーテンダーさんのオススメを聞いてみるのもいいですね。お酒の苦手な人にはノンアルコールカクテルもあります。
BLOOMSDAY（$20.00）
私がオーダーしたのは右端のBLOOMSDAY。エルダーフラワーとグレープフルーツの柑橘系にキュウリ独特の風味が混ざり合った爽やかな味わいですが、ウォッカと酒が入っているのでアルコール濃度は高めのカクテルです。
その他は何を頼んだか忘れてしまいました；
水曜日から日曜日の夜にはオーストラリア産ワインも楽しめるので、2杯目はオーストラリアン・ワインもいいですね。因みに2杯目はMORNINGTON PENISULA（モーニントン・ペニンシュラ）のPINOT NOIRをいただきました。
オリーブやチーズ、ホットドッグやチーズサンドイッチなどのフードもあり、シャルキュトリの乗ったチーズプラッターが人気メニューだそうで結構美味しそうでした。ただゆっくり席でご飯を食べる感じではないので、どこかでご飯を食べてから2件目に訪れるのがいいかも。
シドニーの地下にある大人の社交場
「東京では若い人が多い店だと大人とか年配の人が入りづらかったりするけど、シドニーは色んな世代の人達が一つの空間にいて楽しいよね」と従兄弟が言っていました。今まであまり考えたことがなかったけど、確かにそうかも。
お店は深夜3時までオープンしています。私達が訪れたのは深夜でしたが、入店した時はほぼ満席で、立って飲んでいるグループも結構いました。公式ホームページからも予約もできるので、席を予約した方が確実かもしれません。
以前訪れた際は生のバンド演奏も入っていました。楽しい音楽と美味しいお酒を楽しみながら、最高の雰囲気の中で気の置けない仲間とワイワイ過ごせるスポットです。若者から大人な男女にもオススメのお店なので、たまにはこんなお店で過ごしてみるのもいいですね。