シドニーに数ある個性的なパブの中でも、ロックスの人気店といえば、オーストラリア最古のパブ「ロード・ネルソン・ブルワリー」。歴史遺産の建物と店内の雰囲気だけでなく、オリジナルのクラフトビールや美味しいパブ飯も楽しめるお店です。
ロックスの人気パブ「ロード・ネルソン・ブリュワリー」
もともと「Public House(パブリック・ハウス)」を意味する「Pub(パブ)」は、公共の家、まさに大人の社交場。平日の夜には仕事帰りにグラス片手に疲れを癒し、週末は昼間からランチを楽しみ、通勤客の通る朝のうちからビールを飲み始める強者もいるほど、オージーはパブが大好きです。
スロットマシンが置いてあったり、競馬やフットボールを観戦しながらベットをしたり、レストランのように食事を楽しめたりなど、シドニーには個性的なパブが数多くあります。
その中でもロード・ネルソン・ブルワリー・ホテル(Lord Nelson Brewery Hotel)は、歴史遺産に指定されている建物と、自家醸造所でつくるこだわりのクラフトビールが人気のパブです。
オーストラリア最古の歴史あるパブ
ロード・ネルソンは1841年に創業したパブで、「オーストラリア最古」「シドニー最古」のパブと言われています。ローカルに「シドニーでオススメのパブは?」と聞くと、よく名前が挙がる有名なパブです。
実は「オーストラリア最古」と言われるパブは他に何軒もありますが、ここは「創業以来、継続してライセンスを維持しながら、場所で営業しているパブ」という意味で最古なんだそう。元祖とか本家とか真打とか、パブ業界にも色々ありそうです。
場所はロックス地区の高台にあり、アーガイルカット(Argyre Cut)のトンネルをくぐり、シドニー天文台方面に向かって坂を上ると右手に見えてきます。白い砂岩ブロックの外観は、創業当時の面影を残すべく1990年代にリノベーションされたものだそう。
因みに画像の左奥に見えるのが、シドニーが見渡せる絶景バーのHenry Deaneです。
昔は深夜にアルコールを提供できるのがホテルだけだったという名残から、「HOTEL」という名称のパブは多いです。ロード・ネルソンも店名に「HOTEL」が付いていて、ちゃんと上階には宿泊施設があります。
サイトでチェックしただけですが、客室のインテリアや雰囲気が意外にもシックで素敵です。繁華街から離れているものの場所はいいので、ここに宿泊するのも楽しそうですね。
大人気のオリジナルのクラフトビール
ロード・ネルソンでは1986年から、お店の奥にある醸造所でオリジナルのクラフトビールの醸造をしています。
保存料や添加物、砂糖などを一切加えず、100%ナチュラルにこだわった、ハンドメイドのクラフトビールです。フレーバーの種類の豊富で、様々な賞にも輝くほど、味にも定評があります。
アルコール度数やフレーバーが異なる、個性的なオリジナルのビールは全部で6種類。6枚のメニューボードの、右から左に行くほどビールの色が濃くなり、テイストも重く、アルコール度数も高くなります。
ワインやカクテルもありますが、やっぱりここに来たらオリジナルのクラフトビールを飲んでおきたいところ。オーダーする前に試飲ができるので、気になるものを飲んでからオーダーするのもいいですね。
席に座ってゆっくり飲み比べたかったので、4種類選べるテイスティングボード「Pony Taste Pack」をまずはオーダー。因みにPonyは140mlです。
1番左のTRAFALGAR PALE ALEはかなり軽めのペールエール。かすかな酸味と少ない苦味でサラッと飲めます。ビール好きには少し物足りないかもしれないけれど、ビールの苦味が苦手な人にも楽しめるビールです。
2番目のTHREE SHEETSはこのお店の看板メニューで、ボトルショップでも購入できる人気商品です。口に入れた途端独特のフルーティさが広がり、後味に若干の苦味が残る、軽めのペールエールです。個人的には一番好きかな。
3番目のOLD ADMIRALも、もう1つの看板メニュー。こちらも瓶入りも購入できます。前の2つに比べると色も濃くて、アルコールも6.1%と一番高め。鼻から抜ける香りにウィスキーに似た重厚感も感じるので、パンチが欲しい方にはオススメです。
1番右のNELSON’S BLOODは一番色が真っ黒な色の割には、まろやかな味わいと軽やかさで、意外にも飲みやすい。個人的に飲まず嫌いだった黒ビールも、チョコレートのような香りとクリーミーな味わいでクセになりそうです。
一通り飲んだ後に、追加で「VICTORY BITTER」のMIDDY(ミディ/ 285ml )をオーダー。フルーティさとパンチのある苦味のバランスが絶妙な美味しさで、夫はこれが一番お気に入りだったようです。
クオリティの高い美味しい「パブ飯」
ビールに合いそうなポテトやピザ、チーズプレートなどのおつまみ系から、ステーキなどのパブでお馴染みのガッツリ系まで、食事メニューもかなり充実しています。ランチやディナースポットとして訪れるのもおすすめです。
私はグルテンフリーのネパールチキンカレーをオーダーしました。ぱっと見はカレーというよりトマトシチューのようですが、トマトの酸味とコクのバランスが絶妙で、パブ飯だとは思えないほど美味しい!その辺のカレー屋さんにも全く引けを取らないくらい、クオリティはかなり高いです。
夫がオーダーしたビーフ・ミートパイは、マッシュポテトとグリーピースマッシュが入って、かなりのボリューム。シドニーのどこでも食べられる定番カフェメニューですが、このグレービーソースとマッシュポテトの濃厚な味わいが、他のミートパイとは一線を画すほど、高級感ある美味しさだったとか。
地元民にも観光客にも愛される名店
あまりにも有名なお店なので、訪れる前はそこまで期待値は高くなかったものの、パブ初心者も上級者も、地元の常連客も観光客も、全ての人を受け入れる懐の深さがある、アットホームな雰囲気のあるお店です。
店内のインテリアはクラシックな趣があり、清掃も行き届いていてとてもキレイ。パブにありがちな、トイレの汚さなんてありません(大抵のパブは女子トイレだけはキレイなので、問題ありませんが)。子連れファミリーや女性同士のグループでも入りやすい雰囲気です。
ビールはもちろんですが、何よりご飯が美味しいので、オーストラリア最古のパブで絶品のパブ飯をいただきながら、美味しいクラフトビールで乾杯したいなら、ここがおすすめです。
19 Kent St, The Rocks NSW 2000
TEL:02-9251-4044
OPENING HOURS:
MON – SAT:11:00am – 11:00pm
SUN:12:00pm – 10:00pm
コメント一覧 (2件)
もう素敵です~
通ったことはありますが、入ったことがなくて、いつもとても気になってました。
ビールいいですね!
前回投稿のHotel Palisadeの上にあるバーもとっても素敵でした~。
そこもなかなか中には足を運んだことがなくて、でも本当に気になってましたので、中の様子がみれて嬉しかったです!
The Lord Nelsonは店内もキレイで、何よりお料理も美味しくて本当にオススメです。
ビールはグルテンなので私は味見する程度でしたが、どれも美味しかったですよ。
最古のパブなので、話の種にもいいと思います。
またルーフトップ・バーのHenry Deaneは初めて旅行で訪れた時からお気に入りで、
本当に素敵で是非訪れていただきたい激推しのお店です。
先日も日本からのゲストにご紹介したくらいお気に入りです(^^)
Mayumi