レンブラントとアボリジナル・アート ART GALLERY OF NSW(NSW州立美術館)| CBD

シドニーの「ART GALLERY OF NEW SOUTH WALES(ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館)」で開催中のレンブラント展へ。歴史を感じる荘厳な館内や本格的なアボリジナル・アートや、更に美味しいレストランもあって、一日たっぷり楽しめるお気に入りの美術館です。

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オーストラリア最大のART GALLERY OF NSW(ニューサウズウェールズ州立美術館)

ART GALLERY OF NEW SOUTH WALES(ニューサウスウェールズ州立美術館)はシドニーCBDの東側に位置する公園「THE DOMAIN」の一角にある、1871年に設立されたオーストラリア最大規模の歴史ある州立美術館。ドメインの緑道を通り抜けて行くと、周りに何もないところに突如荘厳な外観が出現します。

ネオクラシック様式の6本の円柱を抜けると、中には開放的なエントランス・コートが広がります。館内は1870年代建てられた旧館とその後続々と拡張している新館で構成されている広大な美術館です。因みにこの美術館は公営なので入場料はもちろん無料で、特別展示以外の常設展は全て無料で鑑賞することができます。

現在は金沢21世紀美術館の設計で世界的にも有名な日本人建築家ユニット・SANNAによる「Sydney Modern Project(シドニー・モダン・プロジェクト)」という施設の拡張工事が進んでいます。

現在の緑地部分をかなり大胆に削るプランなので賛否両論はあるようですが、シドニーで日本人建築家の設計した公共建築物が建つのは誇らしくもあり、2021年の完成が今から楽しみです。

特別展示「レンブラントとオランダ黄金期」

ちょうど現在「REMBRANDT AND THE DUTCH GOLDEN AGE (レンブラントとオランダ黄金期)」という特別展示が開催中。夫がレンブラント好きなのと、知人のフォトグラファーに「光と影の陰影の表現がすごく参考になるから絶対行った方がいい!」と激推しされたので訪れてみました。

週末、更に展示終了間際だったということで、チケットを購入するのにも長蛇の列。予めチケットをネットで購入しておけば、そのまま入り口でバーコードスキャンでOKだったのにやってしまいました。次回は絶対にそうした方がいいですね。

17世紀のオランダを代表する画家、レンブラントを始めフェルメールなどの作品が展示されていました。宗教画や風景画はもちろんですが、オランダ東インド会社を始め当時の盛んな貿易や経済発展を描いているものが多く、世界屈指の富裕国だったイケイケ時代のオランダを感じる作品が多かったです。

いよいよレンブラント作品のコーナーに到着。照明も暗く黒く塗装された壁に囲まれたスペースに、数カ所から照らされたスポットライトの先に自画像や肖像画が展示されていました。彼のアトリエは高い位置に窓があったようで、一方向から光が当たった作品に合わせた演出がされていました。薄く当たった光と、影の部分の繊細な表現がとても素敵でした。

ヨーロッパの古典絵画やオーストラリアン・アート

季節ごとに変わる特別展示もそうですが、あらゆる種類の作品を取り揃えている常設展示も見逃せません。エントランス・コート右側に広がる旧館のエリアでは、ヨーロッパの古典絵画や彫刻(ピカソやモネの絵画やロダンの彫刻まで)やオーストラリア初期の植民地時代の美術作品が展示されています。

エントランス・コート左側にあるエリアには20・21世紀のオーストラリアン・アーティストによる作品が展示してあります。先程の旧館とは打って変わって、作品も展示スペースもかなりモダンな印象です。こちらの展示作品も頻繁に入れ替わるので、行く度に違ったものを鑑賞できて楽しいです。

その他にもB1Fにはアジア美術に特化した展示ルーム(日本のteam Labの光のインスタレーションや茶室もあります)や地下2Fにはモダン・アートの展示スペースがあります。

オーストラリア最大のアボリジナルアート・コレクション

オススメは国内最大の収蔵数と言われているアボリジニアル・アートです。文字を持たない先住民アボリジナルの人々のコミュニケーションの手段をアート作品として発掘したのが、当時の美術館の副館長さんだそう。アボリジナル特有の色使いで描かれた独特のドット・ペインティング(点描画)の作品が、B3Fのイリバナ・ギャラリーに展示してあります。

展示されているものはコレクションのほんの一部だというくらい膨大なコレクションですが、他にも1Fの20・21世紀美術エリアや1Fのエントランス・コートにもアボリジナル・アートが展示されています。特にエントランス・コートの展示はしっかりと距離を取った上で全体を眺められるので、作品のダイナミックさを堪能できます。

併設のカフェとレストランもオススメ!

シドニーにある美術館は何処も素敵なカフェやレストランを併設していて、ここニューサウスウェールズ州立美術館には先日ご紹介したレストランのCHISWICK AT THE GALLERY(チズウィック・アット・ザ・ギャラリー)やカジュアルに入れるB1FのCAFE AT THE GALLERY(カフェ・アット・ザ・ギャラリー)などがあり、どちらも見晴らしが良くてオススメです。

水曜日はナイトミュージアムへ

通常は5:00pm閉館ですが、水曜日のArt After Hours(アート・アフター・アワーズ)という催しでは10:00pmまでオープンしています。特別展示に関するレクチャーやトークショー、ワークショップ、アートツアーなどのイベントも満載。メイン・ホールでの音楽演奏などもあるので、水曜日の夜にお時間がある場合は夕食後に訪れてみてはいかがでしょうか。

また毎週金曜日の11:00amから、日本人ボランティアの方による無料の日本語ツアーも開催しています。美術館の歴史やオーストラリア初期の作品の歴史的背景、アボリジナル・アートなどのコレクション内容などが聞ける約1時間ほどのツアーです。11:00amに1Fのインフォメーション・デスクで集合するだけで予約は必要ありません。私も参加したことがありますが、まずこちらのツアーに参加してその後にゆっくり美術館巡りをするルートはオススメです。

木漏れ日が入る明るいホールや眺めの良いレストラン、公園や海を見渡せるロケーションなど天気の良い日はもちろんですが、雨が降ってしまった時や忙しいお昼間を避けて夜に訪れるのもオススメ。シティから歩いて行ける距離ですので、マッコーリーズ・ポイントに行かれる際は立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

*NSW州立美術館の情報についてはLINEトラベルにも寄稿しているので、是非ご覧ください。

ART GALLERY OF NEW SOUTH WALES

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