スペインの首都マドリードから北西に約100kmの世界遺産の街「SEGOVIA(セゴビア)」。ローマ水道橋や大聖堂、白雪姫城のモデルになったアルカサルなど、小さな街ながら見所満載の「セゴビア旧市街」に1泊して街中を散策しました。
レトロな街並みの「SEGOVIA(セゴビア旧市街)」
「SEGOVIA(セゴビア)」はマドリードから高速鉄道AVANTで約30分。車でも1時間でアクセス可能なので、マドリードからも日帰り出来る人気観光スポット。ローマ時代と中世後期が入り混じった歴史感じる旧市街の街並みは、世界遺産にも登録されています。
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旧市街はローマ水道橋から緩やかに傾斜する小高い丘に広がり、街全体が城壁に囲まれた城塞都市です。そこだけ時間が止まっているような錯覚を起こす、TOLEDO(トレド)にも似た「レトロ美しい街」を丸一日散策しました。
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【1】街の中心「PLAZA MAYOR (マヨール広場)」
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セゴビア旧市街の坂を登った頂上にある街の中心「マヨール広場」は、広場の中央にあったサン・ミゲル教会でスペインを統一に導いた女王・イサベル1世が戴冠した歴史ある場所。その一角には「セゴビア大聖堂」がどっしりと構えています。
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広場にはカフェやレストラン、お土産屋さんが建ち並び、観光客で賑わいます。
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お土産屋さんにはセゴビア名物「子豚に丸焼き」に因んで子豚の置物や、カゴ製品が並びます。家には絶対に飾らないけど、編まれたアニマルヘッドのオブジェが意外に可愛かったです。
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広場の一角にあるお菓子屋さんで、素朴なセゴビアのお菓子をおやつにゲット。右側のアーモンド粉、小麦粉、砂糖のクッキー「Mantecado(マンテカード)」は、口の中に入れるとホロホロと溶けていく独特の食感がやさしい味わいです。
【2】マヨール広場にあるカフェ「LA CONCEPCIÓN(ラ・コンセプション)」
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昼過ぎにトレド市街を出発したので、セゴビアに到着したのは既に夕方近く。「セゴビア大聖堂」に向かう前に、広場にあるカフェ「LA CONCEPCIÓN(ラ・コンセプション)」で遅めのランチをしました。
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日差しは強いですが乾燥しているので、パラソルの下は冷んやりしています。やっぱり外で食べるランチは気持ちいいです。
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今回のスペイン旅行でハマり飲みまくっている、トマトとニンニクの冷製スープ「ガスパチョ」。トレドの暑さも厳しいですが、内陸のセゴビアの暑さもかなりのものです。冷たいガスパチョとボリュームタップリのツナ・サラダでパワーチャージです。
Plaza Mayor, 15, 40001 Segovia, Spain
TEL:+34-921-46-09-30
OPENING HOURS:MON – SUN 9:00am – 2:00am
【3】スペイン最後のゴシック様式「CATEDRAL DE SEGOVIA(セゴビア大聖堂)」
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ランチをした後に向かったのは、マヨール広場の一角にある「CATEDRAL DE SEGOVIA(セゴビア大聖堂)」です。18世紀に建てられたスペイン最後のゴシック様式と言われる教会は、美しく優雅な様子が「大聖堂の貴婦人」とも呼ばれているそうです。そう言われると街に溶け込む様子が、気品を感じる気がしないでもないですね。
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礼拝堂や祭壇の装飾や美しいステンドグラスは、華美過ぎない慎ましやかな雰囲気。今回様々な教会を見て回った結果、私は装飾を抑えたシンプルな教会が好きなんだということを実感しました。仰々しい装飾が多いと、見ている途中でお腹いっぱいになってしまいます。ただサグラダ・ファミリアは全然別格です。
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この教会で印象的だったのは回廊の美しさ。煌びやかではありませんが、無造作に置かれた様々な道具のシャビーな雰囲気がたまりません。
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教会に入場する際、鐘楼のタワーに登れるチケットもオススメされました。暑さと疲労で今回は鐘楼は諦めましたが、タワーの上から眺めるセゴビアの旧市街の見晴らしもすごそうですね。
Calle Marqués del Arco, 1, 40001 Segovia
TEL:+34-921-46-22-05
OPENING HOURS:MON – SUN 9:00am – 9:30pm
【4】街のシンボル「ACUEDUCTO DE SEGOVIA(ローマ水道橋)」
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ホテルの部屋でおやつの「マンテカード」を食べて小休止した後、 夕日を見に(と言っても既に夜9時近く)いよいよセゴビアの代名詞「ACUEDUCTO DE SEGOVIA(ローマ水道橋)」を見に行きました。
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「ローマ水道橋」は2世紀のローマ時代に市民の給水源として建設されて、実際に19世紀までは使用されていたとか。大きな丘に挟まれているため、高低差を無くすため高さ約30m、長さ約800mと超特大。セゴビア市街に車で入った瞬間ドーンと目の前に広がる水道橋を見て、思わず大きな声を上げてしまったほどダイナミックです。
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連続する167のアーチは接着剤を使わず積み上げられていて、絶妙なバランスで保たれている石は何と2万個以上。どういうバランスで成り立っていて何で崩れないのか、見れば見るほど不思議です。
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階段を登って展望台「POSTIGO DEL CONSUELO(ポスティゴ・デ・コンスエロ)」から見下ろす水道橋の眺めも壮大です。この日は下にあるPLAZA DEL AZOGUEJO(アソゲホ広場)でイベントが開催されていたので、民族音楽の心地よいリズムの反響と夕日と共に水道橋を楽しめました。
ACUEDUCTO DE SEGOVIA
Plaza del Azoguejo, 1, 40001 Segovia
TEL:+34-921-46-67-20
【5】水道橋を見渡すレストラン「RESTAURANTE CASARES(カサレス)」
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水道橋を堪能していたら、既に時間は夜10時過ぎ。セゴビア名物「子豚の丸焼き / Cochinillo(コチニージョ)」のレストランは沢山ありますが、水道橋を見渡すレストラン「RESTAURANTE CASARES(カサレス)」でディナーすることに。
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乾燥したスペインではとにかく喉が乾きます‥‥ということで、お約束のCAVAで乾杯。この旅行で一体何杯のCAVAを飲んだんだろう‥‥。
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CROQUETA DE BOLETUS(€9.00)
SALTEADO DE BOLETUS CON LANGOSTINOS(€14.00)
ポルチーニ茸のクリームコロッケと、同じくポルチーニとエビのソテーをオーダー。サクサクした食感のコロッケは一口サイズですが量がたっぷり。ポルチーニ茸のコリコリとした食感とコクのあるソースが美味しいソテーは、スペイン内陸を感じさせる濃いめの味付けです。
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JUDIONES DE LA GRANJA(€9.00)
セゴビアを代表する郷土料理の1つ「JUDIONES(白インゲン豆のスープ)」は、セゴビア近郊特産の白インゲン豆を、豚肉やチョリソの出汁でじっくり煮込んだコクのある煮込み料理。体の芯から温まるセゴビアのおふくろの味だそうです。
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10時過ぎるとやっと日も沈み、辺りが暗くなると共にオレンジ色にライトアップされた水道橋が浮かび上がります。美しい水道橋を眺めながらお食事ができる素敵なレストランでした。
Av. del Padre Claret, 2, 40001 Segovia, Spain
TEL:+34-921-04-77-12
OPENING HOURS:MON – SUN 10:00am – 12:00am
【6】白雪姫城のモデル「ALCÁZAR DE SEGOVIA(アルカサル)」
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朝起きて朝日に照らされたセゴビア大聖堂を横目に見ながら、恒例の朝ランへ。ホテルのあるマヨール広場から坂を下ると5分足らずでディズニー映画「白雪姫」のモデルになったことで有名な「ALCÁZAR(アルカサル)」に到着します。
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スペイン語で「城」という意味の「ALCÁZAR」は、アラビア語で「宮殿」や「砦」という意味もあるそう。元々は古代ケルト人の城だった場所で、ローマ時代には宮殿、12世紀には要塞、その後更に宮殿として時代ごとに形を変えてきた古城です。
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城の外壁にはセゴビア独特の左官壁である「エスクアグラフィアド」が施されています。街中でも様々な壁のパターンを見かけますが、アルカサルのものは丸型が鎖帷子のように繋がる鎧をイメージさせるデザインでした。
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内部の豪華な装飾、武器や鎧の展示も素晴らしいそうですが、オープン前に外観だけ眺めに訪れました。断崖絶壁に建つ様はまさに要塞のようで、あまり白雪姫城のモデルという感じはしませんが、牧歌的なセゴビアの風景を一望できるお城でした。
Plaza Reina Victoria Eugenia, s/n, 40003 Segovia
TEL:+34-921-46-07-59
OPENING HOURS:MON – SUN 10:00am – 7:30pm
【7】セゴビア旧市街を朝ランニング
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旅先の朝ランニングはその土地の地理も把握できるし、まだ誰もいない街を自分のペースで独占できるのが楽しいです。更に朝の誰もいないセゴビアの街並みを走ると、本当に自分だけタイムスリップしたような不思議な感覚になります。
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昼間や夕方と違って幻想的な写真が撮れるのも朝ランニングならでは。最後に朝日に照らされたローマ水道橋を眺めてから、ホテルに戻り朝食を食べ、セゴビアを後にしました。
ローマ時代と中世の歴史が詰まった、コンパクトな町並みに見所が詰まった街・セゴビア。マドリードからも近いので、日帰りトリップだけでも十分に楽しめるおすすめのスポットです。