シドニーに来たほとんどの観光客が訪れる人気ビーチなのに、あまり宿泊する人は多く無いボンダイビーチ。今回はシドニー住民の私が敢えてボンダイ特有のビーチカルチャーを味わうべく、ビーチ沿いのブティックホテル「QT BONDI(キューティー・ボンダイ)に宿泊してみました。
ボンダイビーチのブティックホテル「QT」
「QT(キューティー)」はオーストラリアを中心にブティックホテルを展開するホテルブランド。小規模ならではのスタイリッシュで個性的なデザインのホテルは、シドニーにはシティとボンダイビーチにあります。
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親会社は映画館などを経営するエンターテインメント企業「EVT(イベント)」だそう。EVT傘下のグループ企業の中にはビジネスホテル的な「Ridges(リッジス)」もありますが、QTとはあまりにも対照的なイメージなので、個人的にはかなり意外です。
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シティにあるQTシドニーはState Theatreという劇場の隣にあるため、煌びやかでクラシカルな、どことなくキャバレーっぽい雰囲気が漂っています。1Fのカフェは穴場なのかいつも空いているので、混雑するCBDでちょっとだけお茶したい時に便利です。
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そんなシドニー屈指のおしゃれホテル「QT」ですが、シドニーに住んでいるとわざわざ宿泊することはありません。今回たまたま「そうだ、ボンダイに行こう」という流れになったので、前々から気になっていたQTボンダイに宿泊してみることにしました。
ボンダイビーチから歩いて3分
QTボンダイがあるのは、ボンダイビーチの目抜き通りCampbell Parade(キャンベル・パレード)沿い。Pacific Bondi Beach(パシフィック・ボンダイビーチ)というレジデンスやレストラン、ショップが入っているビルの中にあり、「通りを渡ればすぐビーチ」という立地です。
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6車線もある大きなCampbell Paradeを渡り、更に駐車場を横切らなければいけないので、「通りを渡れば」とは言いつつも砂浜に到達するまでにはそこそこ時間はかかります。とは言いつつも、ボンダイビーチのビーチサイドにあるホテルの数はかなり少ないので、貴重な存在です。
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建物自体はCampbell Parade沿いにありつつも、ホテルのエントランスがあるのは少し奥まったBeach RoadとGould Stret沿い。海側からアクセスする際どこから入っていいのか一瞬躊躇してしまいますが、この喧騒から少し離れた、裏手にあるひっそり感もブティックホテルっぽくて好感が持てます。
遊び心あるポップなインテリア
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エントランス前に並んだサーフボードと自転車は、ボンダイらしさを演出するデコレーションでは無く、コンプリメンタリー。宿泊客は無料で使うことができます。朝起きてサーフィン、自転車に乗ってボンダイ散策、なんてローカルっぽくて楽しそう。残念ながら今回は利用するチャンスはありませんでした。
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自動ドアを抜けると目に飛び込んでくる、カラフルなソファやポップなアート作品など、遊び心溢れるエントランスロビーのインテリアはボンダイビーチのイメージそのもの。入った瞬間に「QTボンダイに泊まるんだ!」と一気にテンションが上がります。
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建物自体が大きくは無いので、客室に向かうまでの廊下はクネクネ曲がっていてお世辞にも広いとは言えません。ただカラフルなカーペットやドアサインがQTらしいので、自分達の部屋がどんな感じなのかワクワクして来ます。
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こちらが今回私が宿泊した「QT Delux King Room」。カラフルなファブリック、遊び心溢れるインテリアではあるものの、ビビッドなロビーとはまた違った、パステルっぽい柔らかいカラーリングのポップなビーチハウスと言った雰囲気です。自分の部屋とは違ったテイストの部屋に泊まれるのも、ホテルステイの楽しいところですよね。
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40㎡の広さは広過ぎず狭過ぎず、二人で宿泊するにはちょうどいいサイズ感。キングサイズのベッドとゆったりとしたソファ、2人で軽い作業もできそうな丸いダイニングテーブルも置かれていて、居心地は抜群です。
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バスルームは洗い場のあるジャパニーズ・スタイル。浴槽も深めでたっぷりしています。「デザインホテルでよく見るけれど実は使いにくい」でお馴染みの、細いヘッドのハンドシャワーですが、天井にレインシャワーが付いているので何の問題もありませんでした。
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最近ホテルでよく見かけるブラックの水栓。自宅の水栓もシックにブラックで統一したいところだけれど、一掃しないとデザイン的に破綻するのでなかなか手を出せずにいます。ちなみにここは、シャワーヘッドだけがクロームでした。残念だけど、こういうことになっちゃうんですよね。
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アメニティは「無造作ヘア」でお馴染みのオーストラリアブランド、Kevin Murphyのもの。無造作なビーチスタイルを提唱しているブランドなので、ボンダイにはピッタリです。洗い上がりはフワッと軽めで、香りも良かったですよ。
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ただ浴室に換気扇が付いていないのが、個人的にはちょっと辛かった。ドアを開け放しておけばいいんだろうけど、お風呂の湿気が抜けないのは気にならないのかな?時々換気扇の付いていないホテルに遭遇するけれど、一体なぜなんでしょう?
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因みにTVにはFox-telが付いていて、NetflixやHuluなどが見放題だとか。ただ今回は全く使いませんでした。
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サービスアパートメント的な要素が強いのでミニキッチンもありますが、ボンダイには美味しいお店がたくさんあるので、こちらもほとんど使わず。ただ備え付けの洗濯乾燥機は本当に助かった!長期旅行中の人や水着などの濡れたものの洗濯問題はこれで解決です。
ちょっとだけビーチが見える?!パーシャル・オーシャンビュー
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ホテルの客室が並んでいるのは海とは逆方向なので、いわゆる窓からビーチがバーンと広がっているタイプの部屋ではないのが少しだけ残念。部屋の外には小さなバルコニーもあるけれど、Beach Road沿いに向いていて完全に「お隣のブロック積みアパートview」です。
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住民の皆さん、カーテンも開け放してくつろいでいるので、逆にこちらがバルコニーに出るのが憚られるほど。因みにこのアパート、恐らく築50年は経っていそうな佇まいにもかかわらず、1BRで家賃は¥300,000弱でした。シドニーの不動産、高騰し過ぎです。
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部屋は東側に向いているので、早朝は真正面のノースボンダイの丘から登る朝日が拝めて気持ちいい!バルコニーから乗り出すとちゃんとビーチも見えるから、パーシャル・オーシャンビューってことでいいですよね?
ボンダイらしさが満喫できる好立地
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ビーチから近いのはもちろん、QTが入っているのはショップやお店が並んだビルの中。オーストラリア最大手スーパーのWoolworthsをはじめ、カフェやレストラン、バーや量り売り系のナチュラルフードストアまで何でも揃っています。
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特にエレベーターで直接ウールワースの目の前に行けるのは、夜中ちょっと小腹が空いた時などにかなり重宝しました。
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今までこのブログで何度もご紹介していますが、カフェ天国のボンダイ。「どこでブランチしようか」という贅沢な悩みに頭を悩ませ、自分の胃袋に限界があるのを悔やむ毎日です。
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土曜日だったらすぐお隣のBondi Public Schoolでファーマーズマーケットも開催されているので、そこでの食べ歩きも楽しそう。普通の旅行だったら絶対に買わないようなフルーツやパン、野菜やチーズも、部屋にキッチンがあるから躊躇なく買えそうです。
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食べ物だけでなく、QTのあるGould Streetは、感度の高いショップが軒を連ねるボンダイきってのおしゃれストリート。ボンダイ生まれのアパレルや化粧品、セレクトショップなどでウィンドウショッピングするのも楽しいですよ。
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因みにQTの1Fには、ボンダイ生まれのコーヒーロースター「Will & Co.」の本店もあります。残念ながら私が訪れた時は閉店していたけれど、コーヒーを飲んだり、そのコーヒー豆をお土産にするのもいいかも。実はここのフーディとかトートバッグも結構可愛いので狙っています。
ボンダイのライフスタイルを満喫
ホテルとは言いつつも小規模なブティックホテルではあるので、チェーン展開している大型ホテルにあるようなファシリティは正直期待できません。ファシリティの不足に関しては近くの施設でカバーして、ボンダイのライフスタイルを満喫して下さい、というスタンスですね。
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併設のレストランが無いので、目の前でシェフがオムレツを焼いてくれるような朝食は望めませんが、シドニー有数のカフェがそこかしこにあるので、そこは全く気になりません。
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普通のホテルにあるようなトレーニングジムも残念ながら無いけれど、同じビルのB1FにあるSpeedos Fitness Clubを無料で使用することができるそう。ただすぐ目の前にボンダイビーチがあるので、私達は使用しませんでした。
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そういう訳で、必要最低限のファシリティですが、全く不自由は感じませんでした。逆に「ローカルのような暮らしを提供する」というこのホテルのコンセプトを考えると、ホテル近隣のエリアを十二分に満喫できる、という点で理にかなっているのかなと。
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一つ注意したいのが、深夜まで営業するお店が少ないシドニーの中でも、ボンダイの閉店の早さは尋常じゃないということ。21時にはラストオーダー、22時にはお店がクローズ、と日本では考えられない早さのお店が多いです。
呑気に構えていた私達はディナー難民になってしまったので、行きたいお店があれば予め予約しておくことを強くおすすめします!
ボンダイを暮らすように楽しめる
ボンダイは私達とって、週末のランニングやビーチ遊び、カフェでブランチしたりする場所なので、朝から夜までのんびりと過ごすことは今までありませんでした。
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ローカルに混じってサーフィンこそしなかったけれど、起き抜けにビーチサイドをコーヒーを飲みながらお散歩したり、アウトドアジムで懸垂したり。砂浜に寝転んで読書したり、濡れるのも気にせずそのまま海に飛び込んだり。裸足で部屋まで歩いて帰れる距離感だからこそ、存分にボンダイを楽しめた気がします。
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シドニーに旅行に訪れた際、ほとんどの人がシティにあるホテルを選ぶと思いますが、ボンダイはシティから車で20分、空港からも25分と意外にもアクセスは良いのです。2回目以降のシドニーだったら敢えて拠点はQTボンダイにして、少し違った角度からシドニー旅行を味わってみるのもいいですね。
6 Beach Rd, Bondi Beach NSW 2026, Australia
TEL:+61-2-8362-3900
コメント一覧 (2件)
先月のゴールデンウィークにシドニーへ行きましたが、Bondiは数時間しかいられずこちらの記事を拝見し、次回は一泊もいいかなと思いました!ローカルの方に混じってOZ lifeを体験するのも旅の醍醐味ですね^^
コメントありがとうございます。
ゴールデンウィークにシドニーにいらしたんですね!シドニー旅は楽しまれましたか?
わざわざBondiにステイする方はいらっしゃらないと思いますが、次回のシドニー旅では是非!
先程ボンダイビーチのおすすめ記事もアップしましたので、次回の旅のご参考になれば嬉しいです^_^