ボルドー最終日はずっと訪れたかったワイン博物館「CITE DU VIN(シテ・デュ・ヴァン)」へ。ワインの基礎を学べるだけではなく、斬新な建築や美しい展示、そして絶景展望フロアで試飲もできる素敵な博物館でした。
「LA CITÉ DU VIN(シテ・デュ・ヴァン)」
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フランス語で「ワインの都市」という意味を持つ「LA CITÉ DU VIN(シテ・デュ・ヴァン)」は、ボルドー市街の外れにあるワイン博物館。設計事務所XTUのデザインによる斬新な建物は、ガロンヌ川岸にそびえ立つ捻れたガラスの渦のようです。
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独特なフォルムはデキャンタグラスをイメージしたもので、ワインの「滑らかな丸みと、流動的で官能的なキャラクター」を具現化したものだとか。建物のクールさもあって2016年にオープンして以来ボルドーのシンボルとして大人気だそうです。
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床面積13,350m²、高さ55mにも及ぶ施設内には博物館の展示室以外にも、7Fの展望レストランやカフェ、ワイン・ショップやギフト・ショップ、ワインに関するワークショップ・エリアなどがあります。ワインの産地やぶどうの種類、製造過程や楽しみ方まで、「ワインとは何か?」が楽しんで学べる総合エンターテインメント施設です。
ワインの街・ボルドーにあるワイン博物館
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博物館の入場は8Fにある試飲もできる展望フロアのチケットも付いて大人€25.00です。チケットを購入したら2F他にワークショップや特別展示が付いたチケットもあります。
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入り口ゲートでこちらのスマートフォン型の音声ガイドが配られます(日本語ガイドもあり)。
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各展示の赤丸の箇所にガイドをかざすと、その場その場で音声や映像が流れるというシステムです。私たちの耳にはそれぞれの違う言語で音声が流れ始めます。
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個性的な外観を思い出させる緩やかに湾曲した展示室内に、ワインボトルや樽などをイメージした遊び心たっぷりの展示ブースが点在しています。個性的なブースのデザインや展示方法を見ているだけでもかなりワクワクしますね。
ワインの生産地とテロワール(土壌)
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フランスやイタリア、スペインなど伝統あるワイン生産国を始め、世界各国の生産国の情報や有名ワイナリーの作り手のインタビューなどが国別で展示されています。アメリカやチリ、オーストラリアやニュージーランドなど「ニューワールド」ワインの展示もあり、オーストラリアではお馴染みのバロッサ・バレーのワイナリー・オーナーのインタビューもありました。
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バロッサと言えば「重めのShiraz」。私もオーストラリアでよく飲む定番ワインです。パネルの映し出されたプロジェクションマッピングはインタラクティブで、自分の手の動きで自由自在に操作ができるのも面白いです。
ワインのカラー(色味)
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ワイン・テイスティングの第1ステップである「色味」を見るブースでは、ぶどうの種類や熟成度によって変化する色をグラデーションになったカラー・チャートで表現しています。直感的でグラフィカルな展示がとても可愛いです。
ワインのアロマ(香り)
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テイスティングの第2ステップ「アロマ(香り)」のブースでは、ワインが持つ様々な種類のアロマをガラスのドームに閉じ込め、実際に嗅ぎ分けることができます。ワインを勉強する際には小瓶に入ったアロマオイルで香りを読み取る練習をしますが、ここは視覚的に見ながら確認できるのでとてもわかりやすいです。
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バラやスミレなどのお花、柑橘系の皮や蜂蜜などの食べ物系、鉛筆の削り屑や革手袋、ミントキャンディーやタイヤ(ゴム)などの変わり種まで、ワインの香りの要素である様々な香りがズラリと並んでいます。目を閉じて香りを嗅いで、アロマを当てるというクイズもあります。
フードとのペアリング
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フード&ワインの「ペアリング」は自分が選んだお料理に合わせたワインを選び、最終的に絵画がとしてモニターに映し出されるゲーム形式の展示です。間違うと「この料理には強すぎて、お互いの味を打ち消しあってしまう」などダメ出しが。
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今回はメインのお料理には「寿司」を選び、ワインはドライでエレガントなソヴィニヨン・ブラン「SANCERRE(サンセール)」を選びました。見事正解しましたが、超ベーシックで簡単すぎるペアリングでしたね;
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他にもワイン樽の作り方やワインの歴史、ボトリングの方法などここでは説明しきれないほどの展示があります。パネルに書かれた文字を読んだり、オーディオガイドを聞くだけのような一方的なものではなく、順路も無く自由に回れ、実際に見たり、触ったり、嗅いだり、動かしたりできる直感的な体験型展示なので全く飽きることがありません。
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いくら時間があっても足りないほど種類豊富なので、気が付いたらあっという間に時間が過ぎていました。
ボルドーを一望できる最上階でテイスティング
実は博物館の入場チケットには8Fにある「The Belvedere(展望台)」でのグラスワイン1杯分の試飲券が付いているんです!見学後はそのまま8Fまでエレベーターで上がりましょう。
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エレベーターを降りると、無数のワインボトルが吊るされたシャンデリアのホールと360°のパノラミックビューが広がっています。
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この日のワインはフランスワインを中心に、スペイン・ギリシャ・ポルトガルなどヨーロッパのワインから、アルゼンチンなどニューワールド系ワインまで全部で15本用意されていました。
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せっかくボルドーに訪れているということで、Médocの赤のブレンド(カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー)、Graveの白ワイン(ソーヴィニヨン・ブラン)をセレクトし、展望デッキに出て乾杯しました。
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展望デッキからボルドー市街とガロンヌ川を見渡し、博物館見学は終了です。
世界中のワインをショッピング
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8Fで試飲を終えたら1Fに降りてショッピングです。世界80ヶ国14,000本ものワインを揃えたワイン・ブティック「La Cave(ラ・カーヴ)」は、その品揃えだけでなくまるで宇宙船のような店内のインテリアや展示方法も圧巻でした。
実はここで先程試飲したワインを購入しようと思いましたが、残念ながら取り扱いがないとのこと。ビジネスチャンスなのに一体何故?!
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7Fには絶景と世界各国の500種類以上のワインが楽しめる展望レストラン「Le 7(ル・セット)」 がありますが、残念ながらこの日は既にCLOSEに。今回はワインショップの奥にある「La Brasserie(ラ・ブラッセリー)」で、軽めのランチをしました
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ギフトショップ「La Boutique(ラ・ブティック)」はシテ・デュ・ヴァンのオリジナルグッズやワイン関係の書籍、ワイングラスやデキャンタなどのワイングッズを豊富に扱っています。
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重いので諦めましたが、ワイン関連の本などワイン好きにはたまらない品揃えです。
帰りはガロンヌ川をクルージング
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帰りはホテルのあるボルドー中心街に戻るため、「CITÉ DU VIN」裏にあるフェリー乗り場からフェリーに乗りました。ボルドーの中心の「Quinconces (Jean Jaurès)」までわずか2駅、約20分程の短い船旅ではありますが、ガロンヌ川のクルーズ気分が味わえてとっても気持ちいいです。
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「Quinconces (Jean Jaurès)」で下船すると、水鏡が美しい「Le miroir d’eau(ミロワール・ドー)」があります。夕方になると軽快な音楽が流れる中、大道芸人や見物客で溢れ、とても賑やかな雰囲気です。
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今回はまず「ワイナリー巡り」をしてから「シテ・デュ・ヴァン」に訪れましたが、ワイン初心者もそうでない人も、想像力が掻き立てられる空間の中で予めワインの知識を入れて、その後シャトーを巡るというルートも楽しいと思います。
建物や展示がとにかく素晴らしいので、是非「LA CITÉ DU VIN」に訪れてみてください。
Esplanade de Pontac, 134 Quai de Bacalan, 33300 Bordeaux, France
TEL:+33-5-56-16-20-20
OPENING HOURS:
MON – FRI:10:00am – 6:00pm
SAT – SUN:10:00am – 7:00pm