リスボン発祥「パステイス・デ・ベレン」で味わう元祖エッグタルト

リスボン発祥「パステイシュ・デ・ベレン」で味わう元祖エッグタルト

ポルトガルを代表する伝統スイーツで、日本ではエッグタルトとして知られる「パステル・デ・ナタ」。その発祥の地であるジェロニモス修道院のお隣には、エッグタルト専門店の「パステイス・デ・ベレン」があります。180年以上受け継がれてきた秘伝のレシピで作られる、元祖エッグタルトを楽しんできました。

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ポルトガル伝統スイーツ「エッグタルト/パステル・デ・ナタ」

パステル・デ・ナタ(Pastel de Nata)はポルトガルの伝統スイーツで、小さなパイ生地にカスタードクリームを詰めたタルト菓子です。世界的にはエッグタルトとして知られ、外側にはサクサクのパイ生地、中のまろやかなカスタードクリーム、という絶妙なハーモニーが楽しめます。

リスボン発祥「パステイシュ・デ・ベレン」で味わう元祖エッグタルト
ポルトガル伝統スイーツ「パステル・デ・ナタ」

リスボンにはパステル・デ・ナタの専門店がたくさんありますが、パン屋さんやカフェ、スーパーのパンコーナーにまで普通に並んでいるほど、どこでも気軽に買える超定番のスイーツです。

ナタ発祥の味「パステイス・デ・ベレン」

パステル・デ・ナタをポルトガルで味わうなら、リスボン近郊のベレン(Belém)にある「パステイス・デ・ベレン(Pastéis de Belém)」は外せません。どの旅行ガイドでも紹介されている、おそらくポルトガルで一番の有名店です。
(ポルトガル語風に発音すると”パシュテイシュ”の方が近いです)

リスボン発祥「パステイシュ・デ・ベレン」で味わう元祖エッグタルト

もともとパステル・デ・ナタは、18世紀にジェロニモス修道院で誕生したと言われています。修道服の染み抜きやアイロンがけで大量の卵白を使用していた修道院で、余った卵黄を使って作ったお菓子がはじまりだったそう。この修道院発祥の秘伝のレシピを受け継いだのが、修道院の隣に位置するここ、パシュテイシュ・デ・ベレンです。

リスボン発祥「パステイシュ・デ・ベレン」で味わう元祖エッグタルト

このお店に初めて訪れたのは、2年前のポルトガル旅行でした。今はリスボンに住んでいるのに、自宅からベレン(リスボン郊外)までは少し距離があるので、なかなか足が向きません。今回はすぐお隣のジェロニモス修道院に行くことになったので、久しぶりに立ち寄ってみることに。まるで高校野球ですが、2年ぶり2度目の訪問です。

カフェテリアとテイクアウト

リスボン発祥「パステイシュ・デ・ベレン」で味わう元祖エッグタルト
右側がテイクアウト、左側がカフェテリアの入り口

お店はイートインのカフェテリアと、テイクアウト専門の持ち帰りカウンターが2箇所に分かれています。正面から見て右側から順に、テイクアウトカウンター、カフェテリア、新設のテイクアウトカウンターの入り口が並んでいます。
(テイクアウトは以前は1箇所でしたが、西側に新しく増設されていました)

リスボン発祥「パステイシュ・デ・ベレン」で味わう元祖エッグタルト

観光シーズンは行列ができますが、テイクアウトカウンターは回転が速いので、比較的待ち時間短め。前回はカフェテリアが長蛇の列だったので、空いていたテイクアウトカウンターで購入し、すぐ目の前にある公園で食べました。

リスボン発祥「パステイシュ・デ・ベレン」で味わう元祖エッグタルト

今回は観光帰りだったのでゆっくり休憩したかったし、トイレ利用もしたかったので、カフェテリアを選びました。

パシュテイス・デ・ベレンのオーダー方法

リスボン発祥「パステイシュ・デ・ベレン」で味わう元祖エッグタルト
奥には開放的なテラス席も

カフェテリアの入り口にも行列ができていましたが、わずか5分ほどで席に案内されました。入り口付近にも客席はありますが、奥の席の方が明るく開放感があっておすすめです。

リスボン発祥「パステイシュ・デ・ベレン」で味わう元祖エッグタルト

メニューはテーブルのQRコードから読み取る方式で、パステル・デ・ナタをはじめ、ペイストリーやパイだけで30種類以上、他にサンドイッチやアルコール類もあります。イラストが可愛らしいし、わかりやすいですね。

リスボン発祥「パステイシュ・デ・ベレン」で味わう元祖エッグタルト

ただ便利そうに見えるこのメニューですが、閲覧のみでオーダーはできません。店員さんは忙しそうで(暇そうな人はいるけど対応してくれず)、なかなかオーダーを取りに来てくれないし、やっと注文しても、しばらくしてから「品切れです」と告げられたり。スマホでオーダーできれば全て解決できるんじゃ?と思いました。

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店員さんは今でもメモ用紙とボールペンでオーダーを取っています。昔ながらの伝統を守るってやつなんでしょうか?

パシュテイス・デ・ベレンのナタの特徴

そんなこんなで、ようやくナタが運ばれてきました。焼きたてなのか、まだほんのり温かさが残っている気がします。普通はシナモンパウダーとパウダーシュガーをかけて食べますが、今回はとりあえずシナモンパウダーのみをかけてみました。

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パステル・デ・ナタ(€1.50)

一口ナタを頬張った瞬間、厚切りポテトチップスのようなザクザクとした食感に驚きました。軽いパリパリ感というよりは、むしろバリバリに近いような。パイ生地は塩気控えめで、心地よい香ばしさが残ります。出来立てならではの美味しさなのかな?

リスボン発祥「パステイシュ・デ・ベレン」で味わう元祖エッグタルト
シナモンパウダーをかけていただきます。

クリームは他店のパステル・デ・ナタと比べて、控えめな甘さが特徴です。そのせいか、卵本来のやさしい風味が際立ちます。小さい頃食べたクリームパンのようなプリンのような、懐かしい素朴な美味しさ。疲れていたせいか、このやさしい味わいに癒されます。甘さが絶妙だから、何個でも食べられそう。私は後から、1個しかオーダーしなかったことを後悔することになります。

今回は遅めのランチも兼ねていたので、他のペイストリーやスナック類も注文してみました。まずは塩っぱい系のポルトガル定番おつまみ「パステイス・デ・バカリャウ(Pastéis de bacalhau)」と「パステイス・デ・マッサ・テンラ(Pastéis de massa tenra)」を。もちろんビールも一緒に。

さらにポルトガル伝統スイーツの1つ「ボーラ・デ・ベルリン(Bola de Berlim)」とバニラのエクレア(Vanilla Éclair)もオーダーしましたが、砂糖がたっぷりで、喉が焼けるような甘さがきつかったです。「あぁ、私は海外に来ているのね」と実感させられる甘さというか。

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甘くないコーヒーかティーはマスト!

ホットティーをオーダーしていなかったら完食は無理でしたね。塩味系のスナックも注文しておいて大正解でした。

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決して悪くはないけれど、パステル・デ・ナタの美味しさと比べると、ごく普通の味わいでした。やっぱりこの店の真髄はパステル・デ・ナタにあります。最初に注文したものが品切れだった時、ナタに変更しておけば良かったと後悔!甘いものなら、ナタだけで十分満足。ナタだけでお腹を満たしましょう。

リスボン発祥「パステイシュ・デ・ベレン」で味わう元祖エッグタルト

今回久しぶりに食べて実感しましたが、間違いなく現時点で私の「パステル・デ・ナタ」ランキングで堂々のNo.1に輝いています。

世界遺産巡りの休憩に

リスボン発祥「パステイシュ・デ・ベレン」で味わう元祖エッグタルト

周辺には世界遺産に指定されているジェロニモス修道院やベレンの塔、発見のモニュメントなど、リスボン有数の観光名所がずらりと並ぶエリアなので、ベレン地区を巡った際に必ず訪れたい名店です。

リスボン発祥「パステイシュ・デ・ベレン」で味わう元祖エッグタルト

リスボンの中心街に支店がないのが残念だけど、それがかえって「ここでしか味わえない特別感」を生み出しているのかも。リスボン市街からは電車やバスで一本で行けるので、わざわざ足を運ぶ価値は十分にあります。

パステイス・デ・ベレン(Pastéis de Belém)

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