リスボンの街が一望できる高台に位置する「エドゥアルド7世公園(Parque Eduardo VII)」。「魔女の宅急便」のような街並みとは一味違う都会的なリスボンの景観や、爽快感あふれる広大な芝生の斜面、癒しのカフェなど、公園の魅力をたっぷりご紹介します。
リスボン市街が一望できるエドゥアルド7世公園

「エドゥアルド7世公園(Parque Eduardo VII)」は、リスボン市街の北部に位置する高台の公園で、リベルダーデ大通り(Avenida da Liberdade)の頂上にあります。どのガイドブックにも必ず掲載されている、有名な観光スポットの一つです。

この広大で整然としすぎる佇まいにどこか共産主義的な匂いを感じて、訪れる前は全く魅力を感じていませんでした(実際、リスボンには社会主義の影響が残る建物や場所が多いのです)。

でも実際に訪れてみると、想像以上に素敵な場所でびっくり。高台から風景は素晴らしく、とてつもない爽快感も味わえます。人気スポットとして紹介されているのも納得ですね。

当初は人工的すぎて苦手に感じた広大な芝生の斜面と、幾何学模様に規則正しく刈り込まれた迷路のような植栽も、上から見下ろすと美しく見えるから不思議です。
名前の由来とちょっとした疑問

この公園はもともと「リベルダーデ(自由)公園」という名前だったものが、1902年にイギリスのエドワード7世のリスボン訪問を記念して「エドゥアルド7世公園」へと改名されたそう。

リベルダーデ大通りに面していることを考えると、元の名前のままで良かったのでは?と思わなくもありません。ちなみに「エドゥアルド」は「エドワード」のポルトガル語表記です。
公園周辺のおすすめスポット3選
ここからはエドゥアルド7世公園を訪れたらぜひ立ち寄りたい、個人的におすすめの周辺スポットをご紹介します。
圧巻の絶景「エドゥアルド7世公園展望台(Miradouro do Parque Eduardo VII)」

まず訪れたいのが、公園の頂上にある「エドゥアルド7世公園展望台(Miradouro do Parque Eduardo VII)」。ポンバル侯爵広場(Marquês de Pombal)を起点に、真っ直ぐに伸びるリベルダーデ大通りを通してテージョ川まで、リスボンの中心街をゆったりを見下ろすことができます。

リスボン特有のオレンジ屋根はあまり見えないので、サン・ジョルジェ城や他のミラドウロ(展望台)のような、「リスボンらしい」「魔女の宅急便」感はあまり味わえません。その代わり、リスボンの都会的な側面を感じられるので、他とはまた違った魅力があります。
エドゥアルド7世公園展望台(Miradouro do Parque Eduardo VII)
Alameda Cardeal Cerejeira, 1070-051 Lisboa, Portugal
居心地抜群のカフェ「リーニャ・ダグア (Linha d’Agua)」

展望台のさらに北。噴水のある大きな水盤の脇にはカフェ「リーニャ・ダグア (Linha d’Agua)」があります。

眺望こそありませんが、公園内にあるカジュアルなキオスク的な雰囲気と水辺特有の爽やかさ、独特のゆったりした時間が流れる居心地のいい空間です。

テーブルで食事を楽しむのもいいし、長椅子で日向ぼっこするのも気持ちいい。コーヒーを片手に、「あの子は賢いね」「悪ガキだなー」なんて言いながら、散歩中のワンコたちを眺めているだけでも癒されます。


食事やパンの種類も豊富で、時間が経っていたせいか少々油っぽかったものの、定番のパステル・デ・ナタも美味しいです。この辺りではおすすめの休憩スポットですね。
リーニャ・ダグア (Linha d’Agua)
Jardim Amália Rodrigues, Rua Marquês de Fronteira, 1070-099 Lisboa, Portugal
リスボン随一の高級デパート「エル・コルテ・イングレス(El Corte Inglés)」
カフェのすぐ脇には、スペイン系の高級デパート「エル・コルテ・イングレス(El Corte Inglés)」もあります。

リスボン中心街にあるデパートの中でも、特にハイブランドを揃える高級感漂う店舗で、東京でいう新宿伊勢丹のような雰囲気かな?ブランド品の良質なアイテムを探している時は、ゆったりとお買い物が楽しめるここに訪れます。
エル・コルテ・イングレス(El Corte Inglés)
Av. António Augusto de Aguiar 31, 1069-413 Lisboa, Portugal
公園へのアクセスは?
リスボン中心街からエドゥアルド7世公園へは、地下鉄ブルーライン(Linha Azul)のMarquês de Pombal駅、Parque駅、またはSão Sebastião駅で下車するとアクセスしやすいです。坂道を考慮すると、Parque駅かSão Sebastião駅下車が楽ですね。

リスボンのシャンゼリゼと言われるリベルダーデ大通りを北上し、徒歩でのアクセスも可能です。

石畳の歩道と美しい建物が並ぶリベルダーデ大通りは最高のお散歩コースですが、公園までは緩やかな上り坂が続くのでなかなか大変。私も時々ここで朝ランしますが、ゆっくりペースでも息が上がるほどの地味なキツさがあります。

リスボンには他にも見どころがあるので、「わざわざここまで来る価値はあるか?」と聞かれると正直微妙なところ。でも実際に訪れると予想以上に美しい風景に出会えるので、時間に余裕があれば訪れてみてはいかがでしょう?

エドゥアルド7世公園 (Parque Eduardo VII)
Pç do Marquês de Pombal, 1070-051 Lisboa, Portugal
【おまけ】サッカーのポルトガルリーグ優勝セレモニーから見るリスボン

先日は公園の麓のポンバル侯爵広場周辺で、サッカーのポルトガルリーグ優勝決定セレモニーが行われました。

私がちょうど訪れたのは、リスボンを拠点にするベンフィカとスポルティングの頂上決戦の日。祝賀パレード用に道路を封鎖するほどの超厳戒態勢でした。

それにもかかわらず、結果はまさかの引き分けに終わり、優勝決定は次の週末まで持ち越しに。

せっかくこれだけの人員とお金をかけたのにもったいないなぁと心配しつつも、私が一番番気になったのは、トラックで大量に運ばれていたビールの行方でしたね。