リスボンの7つの丘の中で、最も観光客に知られていない「サンタナ（Sant’Ana）」の丘。その丘にある「トレル庭園展望台（Miradouro do Jardim do Torel）」は、地元の人々に愛される知る人ぞ知る絶景スポットです。
地元民の憩いの場「トレル庭園展望台」
ローカルに愛される絶景スポット「トレル庭園展望台（Miradouro do Jardim do Torel）」があるのは、「サンタナ（Sant’Ana）」の丘の西側斜面。リスボン7つの丘の1つと言われているサンタナは、東のサント・アンドレ（Santo André）と、西のサン・ローク（São Roque）の丘の間にあります。
大使館や大学病院、Palaceと呼ばれる立派な邸宅が並ぶ閑静な住宅街ながらも、裏手には適度なローカル感も漂います。リスボンの繁華街から少し離れているし、レストランやカフェが少ないせいか、観光客の姿もまばらです。
ベンチでおしゃべりするご老人やシートを敷いてピクニックをしている若者達、読書している学生さんなど、ローカル特有ののんびりとした空気が流れています。地元の人たちが憩いの場として大切にしている場所という感じですね。
落ち着いた雰囲気と美しい眺望
芝生の広場からは対岸のサン・ペドロ・デ・アルカンタラ展望台や、バイシャ地区にあるサンタジュスタのリフト、さらにテージョ川も望めます。西側の丘の連なりを眺めているだけでも、リスボンが「丘の街」なんだなということを実感できる景色です。
公園は西向きなので、昼過ぎから夜にかけて太陽がたっぷり降り注ぎます。丘の向こうに沈む夕日も美しそうなので、今度は夕暮れ時にも訪れてみたいです。
芝生の上で寝転ぶのもいいけれど、リスボンの日差しは強烈なのでご注意を！私は油断して足の甲に日焼け止めを塗るのをすっかり忘れてしまい、短時間にもかかわらずしっかりサンダル焼けしてしまいました。
アルコールの持ち込みは許可されているので、ワインやスナック、チーズなどを持ち込んでピクニックするのもいいですね。ただ、他の公園のように園内には売店やキオスクはないので、飲み物や軽食は持参した方がいいでしょう。（夏場にはカフェがオープンするらしい）
公衆トイレは閉鎖中で（開いていたとしても利用したくはない感じ）、私は近くのカフェまで歩いて行ってトイレを借りました。そういう多少の不便さも、観光地化されていない素朴な魅力なのかもしれません。
New JeansのPV撮影地として有名
韓国の人気アイドル「New Jeans」の”Super Shy”のミュージックビデオ撮影が行われた場所としても知られています。最近では聖地巡礼スポットとして観光客にも人気なんだそう。
映像では彩度と露出が高すぎて「本当にここ？」とは思ったものの、間違いなくここですね。広場の下にある池は、夏場にはプールになります。映像を見ると気持ちよさそうだけど、私は遠慮しておこうかな。
大規模な再開発が進むリスボンの街
公園の麓にあるリベルダーデ大通り付近は近年絶賛開発中のエリアなので、視界の先に大きなクレーンが立ち並んでいます。景観的に少し残念だけど、リスボンは街全体が開発中なので仕方ないですね。
今後の街並みの変化にワクワクする一方で、工事全体の進み具合はかなりスローな気が。一体いつになったら終わるんだろう？と心配になりますが、これもポルトガルあるあるですね。
トレル庭園のアクセス方法と注意点
公共の公園なのでゲートがあり、開園時間は8:00から20:00。夜は一気に人気がなくなるエリアなので、暗くなる前に帰りましょう。夏時間だったら20:00でも明るいので、夕陽鑑賞スポットとしても良さそうです。
リベルダーデ大通りからは、Telhal通りにある庭園の入り口からアクセスもできるし、ラヴラのケーブルカー（Elevador do Lavra）で上まで上がることもできます。
ケーブルカーの脇の道は階段になっているので、歩いて上ってみるのもいいですね。かなり急なので上るのはちょっと大変だけど、自分の体の脇ギリギリをケーブルカーが通り抜けるスリルも味わえます。
公園の足元には観光客が行き交うリベルダーデ大通りがあるのに、不思議と街の騒がしさはあまり感じないトレル庭園展望台（工事の騒がしさは感じますが）。都会の喧騒を離れて、地元の人々の憩いの場で、リスボンの日常を感じてみてはいかがでしょう。
トレル庭園展望台（Miradouro do Jardim do Torel）