「7つの丘の都市」と呼ばれる、起伏に富んだ地形が特徴的な街・リスボン。丘の上にはミラドウロ(Miradouro)と呼ばれる展望台があり、美しい街並み、テージョ川、オレンジ色の屋根が広がるリスボンらしい絶景を一望できます。
今回は、そんなリスボンの7つの丘と、訪れておきたいおすすめのミラドウロ10選をご紹介します。
7つの丘の都市:リスボン

「7つの丘の都市」と呼ばれるリスボンを訪れる前は、「それだけ坂道が多いってことね」くらいに考えてはいたものの、実際に来てみたら想像以上の急勾配に翻弄される毎日を過ごしています。

ただ、そんな急勾配を息を上げながら登った先には、リスボンならではの景色が楽しめる「ミラドウロ(Miradouro)」と呼ばれる展望台があります。そこからの眺めは圧巻で、まさにポストカード・ビュー。
オレンジ色の屋根が続く街並みと、キラキラ輝くテージョ川のコントラストは、もう絶景としか言いようがありません。

今回は、私が実際に制覇した7つの丘と、その丘に点在するおすすめのミラドウロを計10箇所ご紹介します。どこも本当に素敵なスポットばかりなので、ぜひこちらの記事を参考に訪れてみてください。
1. サン・ジョルジェ(São Jorge)— 最も高い丘にある「サン・ジョルジェ城」

リスボンの7つの丘で最も高い丘「São Jorge(サン・ジョルジェ)」に建つサン・ジョルジェ城(Castelo de S. Jorge)。古代から城塞、王宮、軍事施設としても使われていた歴史ある石造りの城です。

お城散策はもちろんですが、ここの見どころは何と言っても景色の素晴らしさ。リスボンの街並み、テージョ川、4月25日橋、対岸のキリスト像まで、主要スポットが全て見渡せます。今回紹介する中で唯一入場料(しかも€15.00!)はかかってしまうけれど、その価値アリです。

気候のいいシーズンは、城内のレストランのテラス席も最高ですね。私的「リスボン有数の絶景バー」の一つです。

サン・ジョルジェ城(Castelo de S. Jorge)
2. サン・ヴィセンテ(São Vicente)—「サンタ・ルジア」と「ポルタス・ド・ソル」で魔女宅気分
旧市街アルファマ地区の東に位置する「São Vicente(サン・ヴィセンテ)」は、サン・ジョルジェの南東に広がる丘。その丘の中腹には、2大人気スポットのサンタ・ルジア展望台(Miradouro de Santa Luzia)とポルタス・ド・ソル展望台(Miradouro das Portas do Sol)があります。

サンタ・ルジア展望台では、カラフルなアズレージョタイルや緑豊かなブドウ棚がある美しい庭園の中で、目の前に広がるアルファマの街並みとテージョ川が調和した、リスボンらしさが凝縮された場所です。

諸説ありますが、ジブリ映画「魔女の宅急便」の舞台と言われるのも納得の、映画の世界に迷い込んだような気分が味わえます。ただ展望台自体はそこまで広くないので、観光シーズンは写真撮影の場所取りは難しいかもしれません。
サンタ・ルジア展望台(Miradouro de Santa Luzia)

サンタ・ルジア展望台よりも圧倒的な大パノラマを求めるなら、隣接するポルタス・ド・ソル展望台がおすすめ。丘一面に広がるオレンジ色の屋根や、荘厳なサン・ヴィセンテ・デ・フォーラ教会やパンテオン、その奥の空までが、まるで一枚の絵画のような美しさです。
観光客だけでなく、地元の高齢者やストリートミュージシャン、スケボーを楽しむキッズたちにも愛される憩いの場所です。「太陽の門」という意味を持つ「ポルタス・ド・ソル」の名にふさわしく、朝日や夕暮れ時に旧市街の絶景を楽しめるスポットです。
ポルタス・ド・ソル展望台(Miradouro das Portas do Sol)
どちらの展望台も近いので、ぜひ両方の展望台を巡って、それぞれの魅力を比べてみましょう。
3. サント・アンドレ(Santo André)— リスボンで一番高い「セニョーラ・ド・モンテ」と「グラッサ」

3つめの丘「Santo André(サント・アンドレ)」にあるのは、リスボンで一番高い位置にある「セニョーラ・ド・モンテ展望台(Miradouro da Senhora do Monte)」。一番高いだけあって、高台からサン・ジョルジェ城をはじめとするリスボンの街並み全域が約270°にわたって見渡せます。

私がリスボンに初めて訪れた時、空港から乗ったタクシーの運転手さんが「絶対に行くべき!」と真っ先に教えてくれたのがここでした。彼にとっては「ここからの眺めが最高!」とのことで、やっぱり地元の人それぞれにお気に入りの絶景スポットがあるんですね。
セニョーラ・ド・モンテ(Miradouro da Senhora do Monte)

サント・アンドレの丘には、もう一つの見どころ「グラッサ展望台(Miradouro da Graça)」もあります。セニョーラ・ド・モンテとサン・ジョルジェ城の中間に位置し、少し奥まった場所にあるせいか、ゆったりと落ち着いた雰囲気を楽しめる展望台です。

展望テラスにはキオスクがあるので、ビールやワインを飲みながらゆったりとくつろげるのもこの展望台の魅力。

最近、丘の中腹から展望台までケーブルカーが開通したので、さらにアクセスが便利になりました。
グラッサ展望台(Miradouro da Graça)
セニョーラ・ド・モンテ展望台からも徒歩圏内なので、両方の展望台を一度に訪れることも可能。どちらも美しいサンセットが楽しめる絶景スポットです。
4. サン・ローク(São Roque)— 日本のCMでもお馴染みの「アルカンタラ展望台」

4つめの丘「São Roque(サン・ローク)」にあるのが、「サン・ペドロ・デ・アルカンタラ展望台(Miradouro de São Pedro de Alcântara)」。中心街からのアクセスもよく、広々とした開放感と美しく整備された公園の雰囲気が魅力。ベンチに座ってゆっくりできるのもおすすめポイントです。

実は昔、日本の消臭剤(消臭力)のCMでミゲル君という少年が「消~臭~力~」と歌い上げていたのがまさにここ。何だか見覚えありませんか?我が家ではここを「消臭力」と呼んでいて、「今日は消臭力まで行く?」なんて言っています。

公園のすぐ脇にはグロリアのケーブルカー(Elevador da Glória)乗り場もあるので、急な坂道も楽に上がれるし、観光アトラクションとしてもいいですね。 往復€4.20はちょっと高いので、私はまだ乗ったことはありません。
サン・ペドロ・デ・アルカンタラ展望台(Miradouro de São Pedro de Alcântara)
5. シャガス(Chagas): 鋼鉄製のエレベーター「サンタジュスタのリフト」

「サンタジュスタのリフト(Elevador de Santa Justa)」は、高低差のあるバイシャ地区とチアド地区を繋ぐエレベーターです。通りにそびえる鋼鉄製の外観は圧巻で、思わず立ち止まって見上げてしまいます。かつては市民の交通手段でしたが、今では完全に観光名所となり、まるでテーマパークのアトラクションのような行列ができています。

このエレベーターの頂上に位置するのが、リスボン5番目の丘「シャガス(Chagas)」です。€5.30を支払い、1時間並ぶのはちょっと…という方は、階段や坂道を登って行くのもあり。確かに登るのは大変だけど、頂上からの絶景は一見の価値ありですよ。

カルモ通り(Rua do Carmo)の途中に、エレベーター頂上まで行ける階段があります(H&MとMANGOの前辺り)。
サンタジュスタのリフト(Elevador de Santa Justa)
6. サンタ・カタリーナ(Santa Catarina)— 夕日が美しい「サンタ・カタリーナ展望台」

人気レストラン、バー、クラブが軒を連ねるリスボンの人気夜遊びスポット「バイロアルト(Bairro Alto)」の東に位置する、リスボン6つめの丘「サンタ・カタリーナ(Santa Catarina)」。この丘の中腹にあるサンタ・カタリーナ展望台(Miradouro de Santa Catarina)は、地元民にも観光客にも人気の絶景スポットです。

ここは古き良きリスボンらしい風景というよりも、テージョ川と4月25日橋のダイナミックさが味わえる場所。サンセットの時間帯になると、夕陽に輝くテージョ川を見るためにたくさんの人達が訪れます。片隅にあるキオスクで、美しい夕陽を眺めながら乾杯するのもいいですね。

展望台のすぐ脇には、観光客に大人気のビカのケーブルカー(Elevador da Bica)も走っています。ケーブルカーで上まで登れば、階段を上ることなく、平坦な道を通って展望台まで行くことができますよ。
サンタ・カタリーナ展望台(Miradouro de Santa Catarina)
7. サンタナ(Sant’Ana)— 韓国アイドルのPV撮影が行われた「トレル展望台」

サント・アンドレとサン・ロークの丘の間に位置する「サンタナ(Sant’Ana)」。大使館や学校が立ち並ぶ閑静な住宅街に広がる「トレル庭園展望台(Miradouro do Jardim do Torel)」は、リスボンの日常を感じられるローカルに愛される公園です。

公園からは「サン・ペドロ・デ・アルカンタラ展望台」や「サンタジュスタのリフト」を一望できます。地元民が集うローカルな公園ですが、韓国アイドル「NewJeans」の”Super Shy”のPV撮影に使用されたことから、最近では聖地巡礼スポットとして観光客にも人気なんだそう。

近くにはラヴラのケーブルカー(Elevador do Lavra)乗り場もあるので、リベルダーデ大通りからの急な坂道も楽々上れます。以前、ケーブルカーが工事中だった時に歩いて上ってみましたが、急坂で足がパンパンになりました。
トレル庭園展望台(Miradouro do Jardim do Torel)
【オマケ】リスボン市街を見渡す「エドゥアルド7世公園」
「7つの丘」でもないし、「展望台」でもないけれど、リベルダーデ大通りの頂上にある高台の公園「エドゥアルド7世公園(Parque Eduardo VII)」も、最後におまけとしてちょっとご紹介。

1902年にイギリスのエドワード7世のリスボン訪問を記念して命名された「エドゥアルド7世公園」。元々は「リベルダーデ(自由)公園」という名前だったそうですが、リベルダーデ大通りに面しているのだから、そのままで良かったような気もします。

ガイドブックには必ず載っている定番観光スポットなので、もちろん存在は知っていましたが、社会主義的な建築を思わせる大規模で整然とした佇まいに、これまで何となく抵抗がありました。でも、お買い物帰りに立ち寄ってみたら、これが想像以上にリラックス感があって気持ちよかった!

リベルダーデ大通りからリスボン中心街、テージョ川まで視線がまっすぐ抜ける景色は圧巻。まさに百聞は一見に如かずとはこのことですね。最初は違和感があった規則正しすぎる幾何学模様の芝生も、実際に目にすると美しく見えるから不思議です。
ここを出発点にして、リベルダーデ大通りを南下しながらウィンドウショッピングするのも楽しそうですね。
エドゥアルド7世公園(Parque Eduardo VII)
リスボンの魅力を丘の上から
歩きにくく滑りやすい上に、太ももやふくらはぎがパンパンになるほど疲れる。リスボンの起伏に富んだ地形には苦労させられるけれど、だからこそ、その先に見える景色に感動できるのかもしれません。知らんけど。

今回は7つの丘と展望台(ミラドウロ)をご紹介しましたが、リスボンは思いがけない路地や建物の合間からも、息をのむような景色に出会える街。ぜひ、あなただけのお気に入りの景色を見つけてみてください。