世界遺産ジェロニモス修道院:ベストな楽しみ方と混雑を避けるコツ

世界遺産ジェロニモス修道院:ベストな楽しみ方と混雑を避けるコツ

リスボン郊外のベレン地区に位置する世界遺産「ジェロニモス修道院」は、ポルトガルの大航海時代を象徴するマヌエル様式の最高傑作です。

今回はリスボン随一の観光スポットとして知られるこの修道院の楽しみ方と、混雑を避けるコツをご紹介します。

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大航海時代を象徴する「ジェロニモス修道院」

ジェロニモス修道院(Mosteiro dos Jerónimos )は、ポルトガル国王・マヌエル1世の命により、ヴァスコ・ダ・ガマのインド航路発見で得た富を活用して建設されました。1502年に着工し、主要部分は1551年に完成、最終的な工事は19世紀まで続いた、ポルトガルの黄金期を象徴する存在です。

世界遺産ジェロニモス修道院:ベストな楽しみ方と混雑を避けるコツ

建物には15世紀末から16世紀初頭にかけて発展した、ポルトガル独自の「マヌエル様式」が採用されています。航海や自然のモチーフ、レースのような繊細な装飾、そしてゴシックとイスラム建築の影響が見られるデザインが特徴です。

世界遺産ジェロニモス修道院:ベストな楽しみ方と混雑を避けるコツ

修道院は、大統領公邸であるベレン宮殿やアジュダ宮殿といった文化遺産が並ぶ、ベレン(Belem)地区の中央に位置しています。リスボン市街地からのアクセスもよく、電車ならベレン駅から徒歩10分、バスやトラムならほぼ目の前で下車できます。

ジェロニモス修道院の見どころ(写真映えポイント)

それでは、今回私がジェロニモス修道院に訪れて感じた見どころと、楽しみ方をご紹介します。思わず写真を撮りたくなったスポットもたくさんあるので、ぜひ参考にしてください。

ダイナミックな二層式の回廊

修道院の最大の見どころといえば、間違いなくこの「二層式の回廊(The Cloister)」ですね。写真や動画で何度も目にした風景なのに、実際に足を踏み入れると思わず「わぁ!」と声が出ました。

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廊下の長さは一辺55m。視線が一気に広がる開放感を感じながらも、奥行きのある廊下に落ちる影が、美しい陰影を生み出しています。

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廊下のリブ・ヴォールトなどゴシック建築味はあるものの、緻密に計算された左右対称の空間や幾何学模様のモチーフは、スペインで見たアルハンブラ宮殿のような、イスラム建築の要素を色濃く感じます。

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黄色味がかった石灰岩と青空との美しいコントラストも見事で、どのアングルを切り取っても絵になります。忙しなくシャッターを切り続ける中でも、微かに響く噴水の水音でゆったりと優雅な気分に浸れるのもいいですね。

海や自然をモチーフにした装飾

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装飾には、ポルトガル大航海時代を象徴する「航海」と「自然」のモチーフがたくさん使われています。航海を思わせるロープ、錨、地球儀、そして珊瑚や海藻、鳥や蛇などの自然モチーフなどが散りばめられているのが、マヌエル様式ならではなんだそう。

お馴染みの「テンプル騎士団の十字」があったり、何故か「アジア系に見える顔の彫刻」があったりと、彫刻のディテールを眺めて周るのも楽しいです。

レースのような繊細な石細工

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繊細なレースのような彫刻も、ジェロニモス修道院の特徴。柱や天井のアーチ、ベンチや窓枠など、建物のあちこちで見つけられます。

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同系色の石灰岩を使用しているので一見シンプルですが、ディテールが緻密で、一つ一つのデザインも微妙に違いがあります。見る角度や光の加減によって、また違った表情を見せてくれるのも魅力的です。

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植物モチーフが多いせいか、ガウディのサグラダ・ファミリアで見た果物や花のピナクルを思い出しました。ガウディもイスラム建築から大きな影響を受けていたことを考えると、イベリア半島全域に見られるイスラム文化の影響力の大きさには驚かされます。

西側食堂のアズレージョタイル

ジェロニモス修道院はとにかく広いので、ダイナミックな回廊の素晴らしい彫刻も、段々単調に感じてきます。そんな時は、1Fの西側にある食堂で気分転換です。

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部屋に入ると、カラフルでビビッドなアズレージョタイルが壁一面に広がっています。美しく見えるアズレージョで気分も明るくなりつつも、よく見ると奴隷貿易の様子など黒歴史も描かれていて、ちょっぴり複雑な気持ちにも。

彫刻が美しい南門

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教会のすぐ脇にある南門も、ジェロニモス修道院の人気の写真撮影スポットの一つ。高さ32mの真っ白な外壁に、聖母マリア像や聖人像の彫刻がずらりと並び、緻密な彫刻が生み出す繊細な陰影が美しいです。

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この門は修道院の外にありますが、あまりにも美しすぎて、思わず立ち止まって見惚れてしまったほど。混雑していて修道院に入れなくても、この南門だけでも見る価値はあります。

サンタ・マリア教会のヴァスコ・ダ・ガマの棺

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回廊を一通り見た後は、お隣のサンタ・マリア教会(Igreja de Santa Maria de Belém)にも立ち寄りました。内装は控えめで教会としての派手さはありませんが(しかも工事中)、その素朴で落ち着いた雰囲気が逆に趣があります。

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ここはマヌエル1世以後の王家の墓廟で、この教会の大礼拝堂にはインド航路を発見したヴァスコ・ダ・ガマと、ポルトガル史上最高の詩人ルイス・ヴァス・デ・カモンイスの棺も安置されていました。

入場は無料なので、修道院帰りに訪れてみましょう。ただし、わざわざこの教会だけを目的に来る必要はないかもしれません。

知っておくと便利な訪問のポイント

訪問は午後2時以降がおすすめ

多くのガイドブックには「開場時間(9:30)前に並ぶのがおすすめ」と書かれていますが、リスボンの中心から少し離れているせいか、ほとんどの観光客が朝一番にジェロニモス修道院を訪れます。

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朝は1時間以上の待ち時間も珍しくないので、今回は閉園時間の少し前を狙って訪れました。結果、これが大正解。週末にもかかわらず、わずか10分ほどで入場できました。人も少なく、写真撮影ものんびりできます。

ちなみに閉館(17:30)前の16:00前後になると、列はほぼありません。

チケットはオンライン購入で

チケットは予めオンラインで予約しておきましょう。現地のチケットオフィスでも購入できますが、チケットを購入するためだけで行列になることもあります。

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公式ホームページで日時と時間帯(午前または午後)を指定して購入すると、入場用QRコードが発行されます。ただし、ここで注意点が。メールには購入時の領収書のみが送られ、肝心のQRコードはiCloudかGoogle Driveにダウンロードする必要がありました。

チケットも一緒にメールで送ってくれれば簡単なんですけどね。

リスボアカードの方がお得

つい先日まで€12.00だったジェロニモス修道院の入場料も、気付けば€18.00に。個人的には十分その価値はあるかなとは思いますが、観光スポットをたくさん巡りたい方なら、リスボアカード(24時間で€31.00〜)を使った方が断然お得です。

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公共交通機関も乗り放題になるし、サンタ・ジュスタのリフト(往復€6.20)や、サン・ジョルジェ城(€15.00)など主要観光地も無料で楽しめます!

並ぶのは向かって左側の列

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修道院の入り口には、4つの立て看板が出ています。回廊(The Cloister)への入り口は建物に向かって一番左側で、中央の2つは出口、一番右はサンタ・マリア教会の入り口です。行列は建物の西側に沿ってできているので、最後尾に並びましょう。

訪れるなら、天気がいい日

ジェロニモス修道院は絶対に晴れの日に行くべき。回廊から見上げる青い空とのコントラストがとにかく素晴らしいので、天気が良くないと魅力が半減してしまう気が。繊細な装飾も、ポルトガルの青い空の元だからこそ映えますしね。

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基本的に晴れの日が多いと言われるリスボンですが、季節の変わり目のせいか、最近はずっと雨続きでした。そんな中、わざわざ晴れの日を待ってジェロニモスに訪れ、その美しさを十二分に堪能できて大満足です!

ポルトガルの黄金時代を堪能

リスボンを代表する観光名所、世界遺産のジェロニモス修道院。長蛇の列を想像して何となく足が遠のいていましたが、思い切って行って本当によかった!想像以上に素晴らしく、感動的な体験でした。

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青空の下で見る回廊の美しさは格別だったし、その後にはリスボンで一番美味しいと言われるパステル・デ・ナタも楽しめます。みなさんも、ぜひ晴れの日の午後を狙って訪れてみてください。

Mosteiro dos Jerónimos

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