「THE GOODS LINE(グッズ・ライン)」は、シドニーのCENTRAL(セントラル)駅からDARLING HARBOUR(ダーリング・ハーバー)までを繋ぐ遊歩道。NYにあるTHE HIGN LINE(ハイライン)のような線路跡地を利用した空中庭園で、市民がランチをしたりコーヒーを飲んだりする憩いの場です。
シドニーの空中庭園「THE GOODS LINE(グッズライン)」
「THE GOODS LINE(グッズ・ライン)」があるのは1855年から物品輸送の貨物鉄道の線路だった場所で、元々はDARLING HARBOURからREDFERNの近くまで繋がっていました。
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線路自体はダーリング・ハーバーの周辺の再開発に伴い1984年を最後に使われなくなりましたが、一部の線路はSYDNEY LIGHT RAILへと変わり今でも使われています。
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そして2015年、荒涼とした工業地帯だったこの線路跡地は、このTHE GOODS LINEという空中庭園として生まれ変わりました。
シドニー鉄道の歴史を感じる線路跡地
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元々線路だったこの長〜い一本道。砂利、コンクリート、鉄、木材など当時のものが一部でそのまま使われており、昔の鉄道インフラの名残を感じさせる仕掛けがあります。人々が行き交うセントラル側の道にはまだ線路が残っています。
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このULTIMO ROAD(アルティモ・ロード)から見上げたULTIMO ROADの鉄橋は1879年に建設されたもので、オーストラリア最古の鉄橋だそうです。
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信号機のインターロック(安全装置)も遊歩道の緑地に並んでいて、昔の線路の名残を感じます。昔ながらの朴訥とした機能美溢れるデザインがとても魅力的で、時代を感じる錆びたものとカラフルな新しいものが一緒に並んでいる様子が面白いです。
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カラフルなストリート・ファニチャー
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所々に配置されたストリート・ファニチャーも面白いです。まだ使ってる人は見たことがありませんが、スチール製のポップなイエローの卓球台がカワイイです。
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同じイエローの鉄板でベンチや長いテーブルもあります。近くにはオフィスや学校も多いので、お昼時にはランチする人達や勉強する若者達で溢れます。
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所々に芝生や植栽が植えられていますが、歩道部分はフラットでバリアフリー。ベビーカーでお散歩する人やランニング、サイクリングを楽しむ人達もいます。
フランク・ゲーリー設計のUTSのキャンパス
GOODS LINEを歩いていて一番目に留まるのは、やっぱり有名建築家フランク・ゲーリー設計のUTS(シドニー工科大学)のビジネススクールの校舎でしょう。
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まるでペーパーバッグ(ダンボール緩衝材)のような不思議なファサードには32万個ものカスタムデザインしたブリックが使われています。
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ゲーリーの特徴である独特の波打つような外観がとても印象的な建物です。見上げていると平衡感覚を失うような不思議な感じになりますが、この有機的なデザインのおかげで自然と周りの雰囲気にフィットしています。
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セントラル駅からダーリングスクエアへの抜け道
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CENTRAL駅の南コンコースから地下道を通れば、このGOODS LINEに出られます。DARLING HARBOURの手前にあるPOWERHOUSE MUSEUM(パワーハウス博物館)まで約500mと短い距離です。
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同じく鉄道高架を利用した公園であるNEW YORKのHIGH LINEとまではいきませんが、CENTRALから面白い建物や開発中のDARLING SQUARE(ダーリングスクエア)の町並みを見ながら歩くのは全く飽きません。
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単純に観光名所であるDARLING HARBOURに抜ける抜け道としても使うのもいいですが、都会の喧騒の中で休憩や環境を楽しむための仕掛けもいっぱいあるので、ベンチや芝生に座ってコーヒー片手に日向ぼっこしてみるはいかがでしょうか。