大人の社会科見学 SYDNEY OPEN(シドニー・オープン) | SYDNEY(シドニー)

大人の社会科見学 SYDNEY OPEN(シドニー・オープン) | SYDNEY(シドニー)

2017114()5()2日間、ここシドニーではSYDNEY OPEN(シドニー・オープン)という普段は一般公開されていない歴史的な建造物やオフィスビルなど様々な建物を巡るイベントが開催されていました。職業柄、建築好きの私が行かない訳にはいかない!ということで肌寒い小雨の中行って来ました。

 

 

■SYDNEY OPEN(シドニー・オープン)とは?

ニュー・サウス・ウェールズ州の歴史的遺産の管理と維持を行なっているSYDNEY LIVING MUSEUM(シドニー・リビング・ミュージアム)という団体が開催しているイベントです。シドニー・シティ近郊にある、一般の人は普段見ることができない歴史的な建築物や近代的なオフィスの内部、教会の礼拝堂などに足を踏み入れることができます。

今年2017年は11/452日間開催されていて、11/4()は応募者のみが参加できるツアー形式のもの、11/5()はフリーパスを購入して、リストに入っている建物を見学することができるオープンアクセス形式のものでした。

特に4()のイベントはQVBのドーム屋根の上の部分や、ST.JAMES駅の未完成の地下トンネル、CENTRAL駅の廃車されたプラット・フォームなどが見られるかなりレアなツアーが開催されています。

実は10月頃から街に「SYDNEY OPEN」という看板を見掛けてはいたのですが、テニスかゴルフの大会だろうくらいに思っていた私。9月末からチケットが売りに出されていたのに全く気付かず、気がついたら全てソールド・アウトでした。残念。

今回私達は5日()に行われたイベントに参加することにしました。この日には45もの施設にアクセス可能でしたが、見学する時間や歩く時間を考慮すると10施設も回れません。シャトルバスもありますが、行きたいと思う施設をピックアップして、予め前日からマップを見て作戦を練りました。

 

 

■HYDE PARK BARRACKS MUSEUM(ハイド・パーク・バラックス博物館)

ホームページでチケットを購入して、指定されていたハイド・パークのすぐ隣にあるHYDE PARK BARRACKS MUSEUM(ハイド・パーク・バラックス博物館)に向かいました。ここでチケットを購入した際のQRコードを見せてエントリーし、腕に付けるピンクのリストタグをもらいました。これがパス代わりになり、参加施設をフリーで入場することができます。

この博物館は元々イギリスの流刑地だったオーストラリアに囚人収容所として建てられたもので、その後に移民収容施設、女性保護施設になったそうです。今ではオーストラリア開拓時代の歴史が展示してある、世界遺産にも指定されている博物館です。まだまだ先が長いのでここはサラッとチェックして、先を急ぐことにしました。

 

 

■BMA HOUSE(BMAハウス

BMA HOUSE(BRITISH MEDICAL ASSOCIATION HOUSE)1930年に建てられたアール・デコ様式の建物で、現在でも中にある医療機関やクリニックが営業しています。

ガーゴイルをあしらった特徴的なファサードは、ブロックの細かいところまでディテールが凝っています。この日の天気の悪さと相まって、ロード・オブ・ザ・リングに出てくるようなおどろおどろしい世界観を醸し出していますね。

室内は吹き抜けのシャンデリア、タイルの幾何学模様など落ち着いたアール・デコのインテリアでまとめられています。全体的にすっきりシンプルな構成ですが、照明などのディテールが凝っていて、とてもエレガントな雰囲気。こんな素敵なクリニックなら一度来てみたいですね。

 

 

■PTW ARCHITECTS(PTW アーキテクツ)

2017年、日本では銀座エルメスのビルでも知られている世界的建築家のレンゾ・ピアノによってデザインされたオフィスと住居の複合ビル『AURORA PLACE』。その建物の11Fにあるのが設計事務所『PTW ARCHITECTS』です。PTW ARCHITECTSは北京オリンピックの水泳スタジアム、以前ご紹介したセントラルにある『CENTRAL PARK MALL』を(共同)設計した事務所です。

日本では設計事務所に勤めていたので、こちらの設計事務所がどんな雰囲気なのか実はとても気になりました。最初の印象は「めちゃくちゃ広い!」「設計事務所なのに物がなくてキレイ!!」ということでした。昨日の夜は遅くまで片付けだったんでしょうか。設計事務所は激務なのに…本当に同情してしまいます。

奥の方はバリケードが立ててあり入ることができなかったので、そちらには現在進行中のプロジェクトや模型などが沢山あるんでしょうね。デスクやミーティング・スペース、休憩用のサンルームや広めのキッチンまであって、1フロア全てがPTWのオフィスでした。外部の人が普通のオフィスを見学できる機会なんて滅多にないので、純粋に楽しかったです。

 

 

■50 MARTIN PLACE(50 マーティン・プレイス)

赤いセラミック・タイルの外観が特徴的な50 MARTIN PLACE(50 マーティン・プレイス)は、1928年に建てられたビルをリノベーションしたMACQUARIE BANK(マックォーリー銀行)のオフィスです。天井の高い1FMACQUARIE銀行のロビーとCOMMONWEALTH銀行の窓口とで空間を分けています。実は私、この空間を一目見たいがためにコモンウェルス銀行のMARTIN PLACE支店で口座を開いたほど。通常は写真NGのこの空間も、今日は解禁です。

イオニア式の柱と照明や天井の装飾がとても素敵。エントランスホールだけでもうっとりです。

ホールのもう1つの目玉はこのガラス・チューブのような2機のエレベーター。古典主義と近代の融合で、とても不思議な感じです。このエレベーターで上階まで一気に上がります。

上階のオフィススペースに行くとガラッと雰囲気が変わり、ガラスとスチールで構成された近代的な空間になります。写真で見ると宇宙船のようですね。

元々2つの棟に分かれていた建物の間にブリッジを掛け、上からガラスのドームを被せたものが一番右の現状のプランです。吹き抜け部分のオレンジの階段がアクセントになっています。高低差約30m、さすがに見下げると足元がぞわぞわします。

歴史的な遺産を残しつつ、新しい技術を使って新たな形に姿を変える。古いものと新しいもの、上階と下階のギャップがある意味とても面白い建物でした。

 

 

■THE GREAT SYNAGOGUE(ザ・グレート・シナゴーグ)

1878年に建てられたハイドパーク脇にあるユダヤ教会です。残念ながら内部は写真NG、スマートフォンさえも受付で預けなければいけなかったので写真は撮れませんでしたが、ラビの方が丁寧に館内を説明して下さいました。設計もユダヤ教徒ではない建築家によるもの、ガラスやタイルなどほとんどの材料はロンドンから運び込まれ、ゴシックやロマネスクなど様々な様式を折衷したものだそう。パッと見、いわゆるユダヤ教会ではないようですが、こじんまりした中に手の込んだ細工が散りばめられていて、初めて見たシナゴーグに感動でした。

 

 

■SYDNEY MASONIC CENTRE(シドニー・メイソニック・センター)

都市伝説でもある意味有名なフリー・メイソンのシドニー・ロッジも一般公開されていました。今回は旦那さんの「1回見てみたい」という強い希望のもと訪れてきました。外観はとてもモダンで、板張りの型枠でテクスチャーを付けたコンクリートと、ガラス・ウォールのファサードが印象的です。(こちらのガラスウォール部分の設計は先ほど行ったPTW ARCHITECTSだそう)

禁断の秘密結社(!?)に足を踏み入れるということでドキドキしながらエレベーターに乗りました。内部には会議などをするホールが数カ所と、メイソンの歴史を展示したミュージアムがありました。ホールはブルーの天井に星がきらめき、カーペットはフリー・メイソンのシンボルであるコンパスと定規柄でした。

もちろんステンドグラスもフリー・メイソンのシンボル柄です。

ミュージアム・コーナーは外観とは打って変わって、良い意味でも悪い意味でも古き良き公民館的な感じがするほっこりした展示でした。「フリーメイソンは秘密結社ではないですよ。こんな慈善活動をしていますよ。」と言ったビデオが流されていました。何かとても不思議な空間で、話の種には行って良かったかもしれません。

 

■行きたい場所があり過ぎる!

本当はREDFERNで行われている新築のSYDNEY UNIVERSITYの校舎CARRIAGEWORKSという倉庫街も見たかったんですが、時間が無かったので今回は諦めました。私達も朝からフル稼働したのですが、6件でギブアップ。とてもじゃないですが全部なんて回りきれません!

古いものから新しいものが混在するシドニーで、普通のツアーでは絶対回れない建物や空間を体験できるこのイベント。建築好きの私や、都市伝説好きの旦那さんはもちろん、インスタグラムにも映える写真が撮りまくれるので写真好きにも必見です。期間は2日間ととても短いですが、来年も11月頃に開催されると思うので、その時期シドニーを訪れる際はSYDNEY OPENに参加することをオススメします!

 

 

SYDNEY OPEN
Tel(02) 8239 2211


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