美味しいワインで有名だけれど、海にも面していてシーフードも美味しい南オーストラリア州。アデレードCBDに新しくオープンした話題のレストラン「FISHBANK(フィッシュバンク)」で、オイスターなどオーストラリアらしい絶品シーフードを堪能してきました。
アデレードにあるシーフード・レストラン「FISHBANK(フィッシュバンク)」
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アデレードCBDの目抜き通りKING WILLIAM STREETと南端のNORTH TERRACEの交差点にある「FISHBANK(フィッシュバンク)」は、2020年10月にオープンして以来、シーフードが美味しいレストランとしてローカルに大人気のお店です。
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レストランが入るのは1941年に建てられた「BANK OF NEW SOUTH WALES(ニュー・サウス・ウェールズ銀行)」のアデレード支店だった建物。ヨーロッパ建築を踏襲した建物の壁には、今でもその当時の看板が残されています。
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実はあのセレブ・シェフ「Jamie Oliver」のイタリアン・レストランだった場所でもあり、彼のレストラン・グループの破産に伴い撤退し、こちらのお店に変わりました。地元の人によると「FISHBANKみたいな素敵なお店になって良かった」とのこと。
文化遺産の元銀行を改装した店内
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店内に入るとまず天井の高さと開放感に圧倒されます。エントランスの正面からはキッチン全体が見渡せ、キビキビと動き回るシェフ達の動作もまるでパフォーマンスのようです。
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キッチンカウンター上部の細長いモニターからは、海を感じさせるアンビエントなムービーが流れています。これはイギリス人映像作家に「このレストランに流すため」にわざわざ作ってもらったビデオ・インスタレーションだそう。相当気合い入ってます。
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真鍮の照明やガラスのパーティション、大理石のカウンターやスチールパイプを組んだバーカウンター、木のウォールパネルやヘリンボーンのフローリングなどなど、歴史的建造物らしい建物の魅力とアール・デコな重厚感をしっかり残しています。
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「アンタッチャブル」な世界観もあってまるで映画のセットのようですが、さらに洗練されたシックでモダンなイメージがあります。家に持って帰りたいくらい個人的には超好みの世界観とインテリアです。
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このレストランの目玉の1つが「地下にあるトイレ」。元々金庫室だった場所をトイレに改修しているので、突き当たりには重そうな金庫の扉、脇には牢屋のような鉄格子が立っています。アデレードのトイレBEST5に選ばれたこともあるみたいで、確かにネタになりそうですね。
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サステイナブルで美味しいシーフード
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テーマカラーのブルーを基調にした魚のプレースマットは裏がメニューになっています。シーフードが美味しいレストランということでどれも美味しそうですが、今回はスタッフの方のオススメを中心にオーダーしました。
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南オーストラリア州のワインを中心に250種類以上あるワインリストから、まずはアデレード・ヒルズのシャルドネで乾杯。キリッと冷えた白ワインが水のように体に染み渡ります。魚をテーマにしたカクテルもあるそうで、それも美味しそう。
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Pacific Oyster, Coffin Bay SA($5.50 ea)
前菜はオーストラリア定番のシドニー・ロック・オイスターと、南オーストラリア州COFFIN BAYのパシフィック・オイスターを食べ比べ。どちらのオイスターも美味しいですが、脇に添えてあるレモンに、絞った時に種が落ちないようガーゼのような布が巻かれているのにビックリ。すごい心遣いです。
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お刺身の盛り合わせは左からKINGFISH、KING SALMON、YELLOWFIN TUNA。カルパッチョのようなサッパリとした味付けのサーモンも美味しいけれど、唐辛子とごま油で少しピリ辛に味付けされたマグロがスパイシー・ポキのようで美味しい!白ご飯にも合いそうな味付けです。
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Malaysian Flathead and Eggplant Curry, Coconut, Lemon and Lime Leaf($40.00)
シェフの一押しだという「Pipi(アサリのような貝)のトマト煮」はガーリックブレッドと一緒に。スパイシーな辛さとピピの旨みがたっぷり詰まったソースは、パンでお皿を拭ってしまいたい程中毒性のある味わいです。
もう一つのおすすめメニュー「Flathead(マゴチ)のマレーシア風カレー」は、フワフワの白身が出汁の効いた風味豊かなカレーに合います。こちらも白ご飯と一緒に食べたい美味しさです。
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全体的にイタリアンな味付けもあれば、マレーシアンやチャイニーズなどアジアン風もあり、多国籍なフレーバーのフュージョン料理という感じです。ただどの料理も魚の食感や風味、出汁などの美味しさを最大限に引き出しています。
因みにこちらのレストランでは「持続可能なシーフードレストラン」としてゼロ・ウェイストを目指し、可能な限り魚のあらゆる部位を料理に使い、他のレストランでは使われないような魚も積極的に使用しているそうです。
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カウンターの奥には”Dry Ager”と呼ばれる「乾燥熟成冷蔵庫」が。乾燥熟成肉はよく聞くけれど、魚介ではあまり聞いたことがないです。乾燥熟成されると魚の風味と食感が上がるそうですが、干物みたいな感じなのかな?どんな味なのか興味あります。
フレンドリーなスタッフのホスピタリティ
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笑顔の素敵なスタッフの皆さん。気配りや接客、料理の豊富な知識など彼らのホスピタリティ精神に感動です。本当に素敵なディナーが過ごせました。
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ディナーを提供するレストランとしては珍しく、平日は朝7時からオープンしていて朝食も楽しめます。因みに朝食に使われているパンは「URAIDLA HOTEL」のベーカリーのものだそう。この空間でパンとコーヒーで朝食もいいですね。
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バー・コーナーもあるので、夜は獲れたての新鮮なお刺身をつまみに、南オーストラリア産のワインで軽く飲むっていうのも良さそうです。でも美味しすぎて「軽く一杯」で終わらない可能性もありますね。
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料理も美味しくて、お店のインテリアや雰囲気も最高、そして店員さんのホスピタリティも素晴らしい。アデレードに訪れる機会があったら、新しいお店の開拓もいいけれど、是非また訪れたいと思わせるレストランでした。
Special Thanks to Tourism Australia
GROUND LEVEL, 2 King William St, Adelaide SA 5000
TEL:+61883100120
OPENING HOURS:
MON – FRI 7:00am – 12:00am
SAT – SUN 11:30am – 12:00am