個性的なカフェが多く、カフェ天国とも呼ばれるリスボン。中でもノマドの聖地として知られる「サントス」地区には、素敵なお店が点在しています。
今回訪れた「BUNA（ブナ）」は、交通量が多い通りにありながらも、美味しいコーヒーでホッと一息できる小さなコーヒーショップです。
ノマドの聖地「サントス（Santos）」地区
リスボン市街の南西部。Bairro Alto（バイロアルト）の南、Chiado（シアド）の西、Estrela（エストレラ）の東に広がる、サントス地区周辺。この地域の正確な名称はかなり曖昧なので、今回はサントス地区ということにしておきます。
丘側にあるバイロアルトは急勾配の坂が多いものの、線路やテージョ川沿いにあるカイス・ド・ソドレ周辺は平坦で、比較的歩きやすいサントス地区。素敵なカフェやヒップなレストランがとても多く、そのせいかノマドワーカーにも人気のエリアです。
人気のフードコート「タイムアウトマーケット」もこのエリアです。そういえばあの上階にもコワーキングスペースがありますね。
以前このエリアに数日滞在したことがあり、その時は活気に満ちた魅力的な雰囲気に惹かれ「ここに住もうかな」なんて考えたこともあります。結局は別の場所に決めましたが、今回はそんな懐かしのエリアにお散歩に来てみました。
コーヒー専門店「ブナ・カフェ（BUNA cafe）」
シアド（Chiado）からトラムのレールが走るカルサダ・ド・コンブロ（Calçada do Combro）の坂を西へ下り、歩いている途中に目に入ったお店が、今回訪れたBUNA cafe（ブナカフェ）です。テラス席でくつろぐ人たちの雰囲気が素敵だったので、思わず店内に足を踏み入れてみました。
この日は祝日だったにもかかわらず、意外にもほとんどのお店が営業していました。中心部より少し静かな気がするのは、このエリアまで観光客があまり来ないからなのかもしれないですね。
コーヒー専門店なので、提供しているのはコーヒーのみ。お隣にある姉妹店のカフェ「Coffee and People」でランチをするのも良かったけれど、今回はお店の雰囲気が気に入ったので、コーヒーだけを楽しむことにしました。
エスプレッソからドリップまで、幅広いコーヒーメニュー
専門店らしくメニューはコーヒーに特化しつつも、窓際のトレーにはパンやペイストリーも少し用意されていました。狭い店内には中央にレジがのった小さなテーブルがあり、それを囲むようにエスプレッソマシンやコーヒー豆が置かれたカウンターが配置されています。
喉が渇いていた私はオートミルクのアイスラテを、夫はカプチーノとクロワッサンをオーダーしました。合計で€10.00未満だったかな。
お隣のカフェのコーヒーもここで淹れているので、出来上がったドリンクは次々と窓口へと吸い込まれていきます。バリスタの手際のいい、テキパキした動きを見ているだけで心地いいです。
スタッフのお姉さんは鼻歌を歌いながらダンスしたり、目が合うたびにニコッと笑顔を見せてくれます。そんな明るさに触れ、こちらも自然と笑顔に。あんな幸せオーラって、一体どうやって出せるものなんでしょう。
そんな店内の様子を眺めているうちに、注文したコーヒーが運ばれてきました。私のオートミルクラテは、マイルドながらもコーヒーの風味が際立つ絶妙な味わい。コーヒー本来の味を邪魔せず、むしろ際立たせている気がします。
エスプレッソだけでなく、ハンドドリップにも対応しているし、各種コーヒー豆も販売しています。シドニーを離れる際、カフェ文化との別れが寂しかったけれど、リスボンにもこういう本格的なカフェが多いことにかなり救われています。
私たちがコーヒーを飲んでいる間も、常連客らしいお客さんがひっきりなしに持ち帰り用のコーヒーを求めに訪れます。このカフェの人気の高さがうかがえるし、コーヒーの美味しさを考えたら納得です。
フレンドリーな雰囲気と心地いい空間
店内にWi-Fiは完備されているものの、PC利用は基本禁止です。リスボンでは最近そんなカフェが増えています。その影響なのか、本を片手に訪れる人が多い気が。確かに居心地のいい空間だから、読書も捗りそうです。
店内から眺める通りの景色もなかなかなので、テラス席に座るのもいいかも。ただ、この日は少し肌寒かったので室内の方が快適でした。外の通りは意外に車通りが激しくクラクションも響いているので、居心地的には少し気になるところですが。
店内の様子を眺めているだけで癒される、そんな雰囲気のいいカフェです。自宅から徒歩圏内であるものの、日常使いするにはちょっとだけ遠いのが残念。でも次にまたサントス周辺を訪れる際には、ぜひまた立ち寄りたいと思える場所ですね。