シドニー・サリーヒルズの人気レストラン「NOMAD(ノマド)」。築100年の倉庫をリノベーションした開放的な空間で、中東のエッセンスを取り入れたモダンオーストラリア料理を堪能しました。名物の薪火ピタパンや自家製の食材、1-Hat獲得の実力店ならではのホスピタリティまで、詳しく紹介します。
グルメとカルチャーの街「サリーヒルズ」
「シドニーでどこに滞在したらいい?」と聞かれたら、最近は迷わず「サリーヒルズ」と答えています。

サリーヒルズ(Surry Hills)はシドニー有数のおしゃれタウン。海は見えないけれど、それを補って余りある魅力があります。美味しいコーヒー、センスのいいショップ、そしてレベルの高いレストランが密集するサリヒルは、気づけば最近の私の定宿エリアになりました。(ボンダイもまだ捨て難いけれど‥‥)

今回のシドニー滞在でも、選んだのはやっぱりサリヒル。家族と一緒でも動きやすく、食にも買い物にも困らない。
その中で、どうしても外せなかったのがレストラン「NOMAD(ノマド)」です。
サリヒルの人気レストラン「NOMAD(ノマド)」へ初訪問
NOMADは私の「行きたいレストランリスト」の上位にランクインし続けていた一軒。

周囲からも「あそこは美味しい」と聞き続けていたのに、2019年の火災、そしてパンデミックによる休業。タイミングが合わないまま時間が過ぎ、とうとう私達がシドニーを離れることに。

限られた滞在時間の中で「ここだけは外せない」と、今回は事前にしっかり予約。「行きたい」と思った店には、行ける時に行っておくべき、ですね。
築100年の倉庫を改修したインダストリアルな空間

フォスター・ストリート沿い、築100年以上のレンガ造りの外観と大きなガラス窓。窓に描かれた「NOMAD」のロゴが夜の街に浮かび上がり、中の賑わいが外に漏れてきます。

店内に入ってまず感じるのは、圧倒的な天井の高さ。かつてビンゴホールや家具のショールームだった空間は、木の梁、むき出しのダクト、ガラスとコンクリートが混ざり合い、程よく無骨でインダストリアルな雰囲気。

高級店でありながらカジュアルな雰囲気が漂うのは、この開放感のおかげかもしれません。「気取らない上質さ」という、オーストラリアっぽさがよく出ています。

店の奥に広がるオープンキッチンで忙しなく働くシェフ達、お皿やグラスが触れ合う音、あちこちで聞こえる笑い声、そして薪火の香ばしい香り。その全てが、お店全体の活気ある空気感を作っています。

スタッフの対応もきめ細やかで、アレルギーにも柔軟に対応。メニューひとつひとつに丁寧に印を付け、キッチンとの連携もスムーズ。さりげないのにきちんとしている、そんなホスピタリティが最高です。
薪火とスパイスが織りなす中東×オーストラリアン
NOMADの料理は、レバノンにルーツを持つオーナーが、幼少期に親しんだ中東料理をベースに、スペインやモロッコの旅のエッセンスを盛り込んだモダン・オーストラリアン。

繊細すぎないけれど、ラフすぎない。素材の味を活かしつつ、ハーブやスパイスで奥行きを加える。その“ちょうどよさ”が、この店の料理の魅力です。

オーストラリア版ミシュランとも言われる『Good Food Guide』で、常に1〜2 Hat(ハット)を獲得しているのも納得。2026年現在も1 Hatを維持している実力派です。
名物の薪火で焼くピタパンは“必食”
スタッフの方に激推しされたのが、薪火で焼かれたWood fired flatbread(ピタパン)。表面はカリッと香ばしく、中は驚くほどもっちり。

中東のミックススパイス「 Za’atar(ザアタル)」の香りと程よい塩気が広がり、これだけでワインが進む、そんな妙に後引く一皿でした。
素材の個性を引き出す、プレートの数々

マーケットフィッシュ(この日はSnapper / マダイ)のグリルは、皮目の焼き加減が絶妙で、身はふっくら。独特のスパイス使いに、Nomadらしさが光ります。

チコリとポメロ、中東の発酵チーズ「シャンクリッシュ」のサラダは、苦味・酸味・コクのバランスが絶妙。

ナスのグリルはとろりと濃厚で、炭火のスモーク感とオリーブオイルの風味がじんわりと広がります。

自家製のシャルキュトリ(生ハム等)や、地元マリックヴィルの工房から届くブラータチーズなど、「地産地消」へのこだわりも随所に感じられます。
ワインが弾む、シェアする一品

ワインリストも充実していて、オーストラリア産を中心にサステイナブルな生産者のボトルが揃います。グラスワインも種類豊富。料理と合わせて選ぶのも楽しいし、相談できるソムリエがいるのもいいですね。

どの料理もポーションは少なめなので、いくつも頼んでシェアする楽しさもあります。

ただ正直に言うと、「また、これを食べに来たい」と虜になる一皿があったかというと、それは少し迷うところ。確かに美味しいけれど、そこまで主張は強くなかったかなという印象かな。

けれど、この空間、この空気、この時間。それらすべてが合わさって、「また来たい」と思わせる魅力があるのは確かです。
次はカウンター席でリベンジ
今回は家族の体調もあり早めの切り上げとなったこともあり、どこか余韻を残したまま店を後にしました。

次回はオープンキッチンを目の前にしたカウンター席に座って、豪快な薪火の熱を感じながら、ワイン片手にもう少し長くこの空間を味わいたいかな。

シドニーで「気取らずに美味しい夜」を過ごしたいなら、NOMADは間違いなくおすすめしたい一軒です。6年越しの初訪問は、また次の再訪が楽しみになる、そんな夜になりました。
16 Foster St, Surry Hills NSW 2010, Australia
TEL : +61-2-9280-3395
OPENING HOURS :
Lunch WED - SUN 12:00 – 14.30
Dinner SUN - FRI 17:30 – late / SAT 17:00 - late
