リスボン・シアド地区にある「Café A Brasileira(カフェ・ア・ブラジレイラ)」は1905年創業の老舗カフェ。リスボン最古のカフェの一つとも言われ、伝統のコーヒー“ビカ”発祥の地としても知られる、街を代表する人気スポットです。
1905年創業の名物カフェ「Café A Brasileira」
1905年創業の「Café A Brasileira(カフェ・ア・ブラジレイラ)」は、リスボン・シアド地区を代表する名物カフェ。“ブラジル風カフェ”という名の通り、もともとはブラジル産コーヒーの輸入販売店としてスタートしたのだそう。

リスボン最古のカフェかどうかについては諸説あり、そこは断言を避けておきたいところ。以前ご紹介したコンフェイタリア・ナシオナル(Confeitaria Nacional)も、リスボン最古と言われていますしね。

けれど、知名度という点では間違いなくトップクラスで、リスボン滞在中に一度は名前を耳にする存在です。

場所は地下鉄グリーンライン(Linha Verde)のBaixa-Chiado(バイシャ・シアド)駅。シアド側出口の長い長いエスカレーターと上った先にあります。立地が立地だけに、店の前は一日中にぎやかです。

人で賑わうガレット通り(Rua Garrett)の中でも特に、グリーンの庇と重厚なファサード、常に人で埋まったテラス席がひときわ目を引きます。
詩人たちが集った、サロンの記憶
アールデコとアールヌーヴォーが織りなすクラシカルな店内や、きびきびと動き回るギャルソンたちの姿。そんな光景がなんとも“ヨーロッパ的”で、いい意味で少しリスボンらしくありません。

もちろんリスボンもヨーロッパなのだけれど、どこかパリの老舗カフェのような、ポッシュな空気が漂っています。このカフェがかつて、リスボンの知識人や文化人たちの社交場でもあったと聞いて、それも納得です。

店外のテラス席の一角には、ここで多くの時間を過ごしたポルトガル文学を代表する作家、フェルナンド・ペソア(Fernando Pessoa)の銅像が。隣に座って記念写真を撮るのは、今やこの店のお約束です。

目の前のシアド広場(Largo do Chiado)には、詩人アントニオ・リベイロ(António Ribeiro)の銅像。
通りを挟んだ先には、国民的詩人ルイス・デ・カモンイス(Luís de Camões)の姿もあります。

ーーそれにしてもポルトガルって、国民的詩人がやたら多くない?
そんなことを考えながらコーヒーを飲むのも、ここならではの楽しみ方なのかもしれません。
ちなみに近くに世界最古の本屋さんもありますよ。

観光地ど真ん中、それでも立ち寄りたくなる理由
Café A Brasileiraと言えば、やっぱり “ビカ(Bica)”。ポルトガルで定番のエスプレッソタイプのコーヒーで、ここが発祥と言われています(これも諸説あり)。

お馴染みのエッグタルト「パステル・デ・ナタ」をはじめ、ポルトガルの伝統菓子もずらり。コーヒーや紅茶だけでなく、軽食やお酒も揃っているところが、旅行中には何かと便利です。

とはいえ、観光地のど真ん中。お客さんのほとんどは旅行者で、地元の常連さんらしき姿はあまり見かけません。それでも「観光客向けだから」と切り捨ててしまうのは、少しもったいないです。

特におすすめなのは夕暮れ時。目の前の広場にストリートミュージシャンが現れ、街に音楽に包まれます。そんな中で飲む一杯のコーヒーは、不思議と記憶に残るもの。

静か過ごすカフェではないけれど、喧騒も音楽も含めて、街の空気ごと味わうにはぴったりの場所。そんな「リスボンらしい時間」を味わうためのカフェです。
Café A Brasileira(カフェ・ア・ブラジレイラ)
R. Garrett 120 122, 1200-205 Lisboa, Portugal
TEL : +351-21-346-9541
OPENING HOURS : MON - SUN 8:00 - 0:00
