リスボン旧市街「アルファマ(Alfama)」近くにある人気店「As Bifanas do Afonso(アズ・ビファナス・ド・アフォンソ)」。ポルトガル定番のB級グルメ「ビファーナ」を、観光の合間に街角で気楽に味わえます。
ビファーナ専門店「アズ・ビファナス・ド・アフォンソ」
「ビファーナ(Bifana)」はポルトガルを代表する定番B級グルメ。ニンニクやパプリカ、ワインやラードで煮込んだ薄切りの豚肉を、ポルトガルで定番のパン「カルカーサ(Carcaça)」に挟んだ、いわゆる“ポークサンド”です。

今回訪れたのは、そんなビファーナの専門店「As Bifanas do Afonso(アス・ビファナス・ド・アフォンソ)」。

バイシャ(Baixa)地区から坂道を少し上った、旧市街アルファマのほど近く。古い建物が立ち並ぶ通りの角に、ひときわ人だかりができています。

カウンターのみの小さなお店は、椅子のない立ち食いスタイル。ローカルのおじさん達がふらりと立ち寄り、店員さんと世間話をしながら、ビファーナをサクッと頬張って帰っていきます。

ほぼ全てのガイドブックに載っているので、やはり観光客が多いけれど、地元の人の姿もちらほら。時間帯によってはかなりの行列ができますが、回転は意外と早いです。

私の目の前には部活帰りらしき学生グループが並んでいて、皆1つでは足りないらしく、2つづつ注文してコーラで一気に流し込んでいます。
ビールを一緒に注文している人も多いし、確かにコーラやビールなどの炭酸と相性はよさそう。
行列ができる老舗B級グルメの名店
メニューには牛肉やハム、チーズや卵などもあったけれど、まずは一番人気の王道の豚肉のビファーナでしょう。

1つ€3.00(約¥535)と、日本の牛丼くらいのお値段。リスボンの中心地でこの値段は、ちょっと感動もの。

奥のキッチンでは、店員さんがリズムよくパンをカットし、熱々の大鍋からソースに浸った豚肉を次々と取り出して挟んでいきます。店内から漂ってくる豚肉の出汁とニンニクの香りが食欲をそそりますね。

ちなみにこのお店はリスボンでは珍しくキャッシュオンリーなので、現金必須です。

オーダーしてから待つこと1分少々。ずしりと重くて温かい、紙に包まれたビファーナが手渡されます。ちょうど目の前が広場になっているので、ベンチに座って食べることにしました。
ポルトガル風ポークサンド「ビファーナ」
一口かじると、パンの間から肉汁がジュワッと溢れ、口の中が豚肉の旨みでいっぱいに。
外はカリッと、中はもっちりとしたフランスパンのような食感のカルカーサ。中の柔らかい部分が豚肉のソースをしっかりと吸い込み、香ばしい外側のクラストがジューシーなお肉をしっかりと包み込んでくれています。

見た目はまるで日本の生姜焼きそのものだけれど、味は意外とあっさり。

欲を言えば、もう少しコクがあってもよかったかな。「生姜を効かせてちょっと醤油を垂らしたら美味しそう」なんて思ったけれど、それだとただの生姜焼きサンドになってしまうか。

カウンターにはマスタードとピリピリソース(ポルトガルの辛味ソース)が置いてあるので、味変しながら楽しむのもいいですね。

ちなみに見た目以上に食べ応えがあるので、1つで十分満足です。カルカーサのもっちりとしたボリューム感を侮るなかれ、ですよ。
リスボンの街角でローカルフードを

お店にテーブルも椅子もないので、みんな立ったまま、あるいは広場のベンチやガードレールに腰掛けて、思い思いのスタイルでビファーナを楽しんでいます。そんなのんびりした空気感も、リスボンらしくて心地いいです。

落ち着いた雰囲気で優雅にランチ‥‥という場所ではないけれど、観光合間に気軽に立ち寄れるローカルグルメとして間違いなくおすすめ。華やかさはないけれど、リスボンの日常とポルトガルの素朴な味わいを感じられる一軒です。
As Bifanas do Afonso(アス・ビファナス・ド・アフォンソ)
R. da Madalena 146, 1100-340 Lisboa, Portugal
OPENING HOURS :
MON - FRI 8:00 - 18:30
SAT 9:00 - 13:30
