リスボンのアルファマ地区にある「Taberna Sal Grosso(タベルナ・サル・グロッソ)」は、伝統的なポルトガル料理を現代的にアレンジしたカジュアルなレストラン。地元の常連客から観光客まで幅広い人々に愛され、美味しいワインと絶品料理が楽しめます。
アルファマの人気店「タベルナ・サル・グロッソ」

アルファマ地区の外れにあるレストラン「タベルナ・サル・グロッソ(Taberna Sal Grosso)」は、お気に入りのフード系Youtuberが紹介していたということもあり、以前からGoogle Mapsに保存していたお店。今回、リスボン通の知人からも勧められたので、絶対に美味しい店に違いないということで訪問しました。

お店はサンタ・アポローニア駅からすぐの場所にあり、サンタ・クララ広場で行われている泥棒市の帰りに立ち寄りました。実は泥棒市の方がついでで、このレストラン訪問が本来の目的です。

予約した方がいいと思いつつ、そこまで混んでいないだろうと安易に考えていたら、店の前を通ると既に外には行列が。とりあえず泥棒市を巡って時間を潰し、ランチの混雑時を避けることにしました。

マーケット巡りを終えて(戦利品はなし)、再びお店に訪れたのはすでに14:00過ぎ。もう空いているだろうなと思っていたら、店の外にはまだ人が。でも、ちょうど帰るお客さんがいたので、すぐに入店できることに。時間をずらして正解でした。

地元民に愛されるワイン食堂
ポルトガルには高級店の「レストラン」をはじめ、シーフードや軽食でお酒が楽しめるビアホール「セルべジェリア(Cervejeira)」、海鮮専門店の「マリスケイラ(Marisqueira)」や炭火焼き肉の「チュラスケリア(Churrasqueira)」など、様々な形態の飲食店があります。

今回訪れたサル・グロッソは、美味しいお酒とお料理が楽しめるカジュアルな食堂「タベルナ(Taberna)」という位置付け。気軽にお酒と食事が楽しみたい時、私がリスボンで一番お世話になっているジャンルのお店です。

店内には2人掛けのテーブル席が9つと、奥に6人掛けのテーブルが1つ並んでいますが、隣の人と肘が当たりそうなほどの距離感。アットホームな雰囲気の小さな店内なので、満席だとちょっと窮屈に感じるかもしれません。
サル・グロッソで味わうポルトガル料理

壁一面には大きな黒板が貼られ、ポルトガル語と英語でびっしりとメニューが書かれています。副菜、お肉、お魚、デザートまで、どれも美味しそうで選べません。店員さんの説明を聞くたびに、「じゃあ、それ!」「これも!」と注文していたら、「多すぎると思う」と笑顔で諭されました。今回は悩んだ末、3品を厳選してオーダーです。

オーダーしたのは、メインに定番のバカリャオ・ア・ブラスと、オクトパス&スイートポテトの2品、付け合わせにナスのスモークヨーグルト添えをチョイス。おすすめのポークベリーも気になったけれど、どうしてもシーフードを諦めることができず、結果的に魚介メニューを2品チョイスすることに。

日本の焼き茄子を想像していたら、想像の斜め上をいく一品だったのが、ナスのスモークヨーグルト添え。外側は飴細工のようにカリカリだけど、ナイフを入れると中から熱々の茄子がトロトロに溶け出し、コクのあるヨーグルトと香ばしいナッツの奏でるハーモニーがたまらない一品でした。この前菜だけで、私はすでにノックアウトです。

ポルトガル料理でお馴染みバカリャオ・ア・ブラスは、干し鱈と玉ねぎとポテトの卵とじ風料理。適度な塩気と食感がたまりません。このポテトの絶妙なサクサク感の正体が実はポテトチップスだと知った時は背徳感で震えましたが、だからこそお酒との相性が抜群なんです。

中でも感動したのが、グリルしたタコとサツマイモのマッシュポテトの組み合わせ。ポルトガルのタコは日本のタコのようなコリコリ感とは異なり、ふんわり&ムッチリとした独特の食感が特徴です。大きくて豪快な見た目とは裏腹に、味わいは驚くほど繊細で、じんわりと深い旨みが口の中に広がります。

そこにサツマイモのマッシュポテトが加わると、やさしい甘味とコクでさらに美味しさがアップ。ボリュームたっぷりすぎて正直食べるのは大変だったけれど、美味しすぎて結局完食。
案の定、今回もデザートまでは辿り着けませんでした。
ワインと相性抜群の絶品料理
ワインメニューも豊富で、グラスワインから好みのものをオーダーしました。そうそう、ポルトガルではグラスワインでも試飲させてくれるお店が多いので、それも魅力的です。

これは私の「ポルトガルあるある」ですが、ポルトガル料理があまりにお酒に合いすぎて、つい何杯もグラスをおかわりしてしまい、結局「最初からボトルで頼めばよかった!」と後悔することになります。

以前はこの失敗を(?)をよくしていたので、最近は食事の際は必ずワインをボトルで注文するようにしています。ボトルの方がワインの選択肢も広がるし、何より美味しいですからね。

今回は、店員さんのフレンドリーさとホスピタリティにも感動しました。メニューについての丁寧で的確なアドバイスと素敵な接客に感謝して、最後に記念撮影。おすすめされた料理は、どれも絶品でしたよ!

お酒と料理の絶妙なマリアージュが楽しめるお店ですが、もちろんお酒を飲まない人でも美味しい料理を心ゆくまで楽しめます。

アルファマ散策の途中や、近くのマーケットに訪れた後に立ち寄り、ポルトガルの食文化を存分に味わえるお店です。次は違うメニューを試してみたいので、また近いうちに行ってきます。
タベルナ・サル・グロッソ(Taberna Sal Grosso)
Calçada do Forte 22, 1100-256 Lisboa
TEL:+351-910-137-713
OPENING HOURS:MON - SUN 12:30 - 16:00 / 19:00 - 23:00