世界遺産が二つ同時に楽しめるオーストラリア・QLD(クイーンズランド)州のケアンズ。あまりにも有名な大珊瑚礁群の「グレートバリアリーフ」と、もう一つが世界最古の熱帯雨林「クイーンズランドの湿潤熱帯地域」です。
今回はそんな熱帯雨林の国立公園にある「Mossman Gorge(モスマン渓谷)」で、ジャングルトレッキングと川遊びを楽しんできました。
世界最古の熱帯雨林「MOSSMAN GORGE(モスマン渓谷)」
オーストラリアにあるケアンズ近郊には2つの世界遺産があり、1つはクイーンズランド州の沖合に連続する大珊瑚礁地帯「グレートバリアリーフ」。そしてもう1つが、世界最古の熱帯雨林「クイーンズランドの湿潤熱帯地域」です。
私が滞在した「Port Douglas(ポートラグラス)」はケアンズからは離れているものの、グレートバリアリーフに行くボートが出ているマリーナもあるし、「クイーンズランドの湿潤熱帯地域」に登録されている「Daintree National Park(デインツリー国立公園)」へもアクセス抜群のリゾートタウンでした。
世界遺産「クイーンズランドの湿潤熱帯地域」には複数の国立公園が登録されていて、デインツリー国立公園もその一つ。今回はその南端に位置し、ポートダグラスから車で20分程度(ケアンズからは1時間30分程度)の「Mossman Gorge(モスマン渓谷)」に訪れることにしました。
ポートダグラスからサトウキビ畑の続く牧歌的なCaptain Cook Hwy(キャプテンクック・ハイウェイ)を北上し、ウールワース(スーパー)などもある少しだけ栄えた雰囲気のモスマンの街を抜け、さらに山の中へと車を走らせるとビジターセンターに到着します。
渓谷があるのはビジターセンターから2〜3km先なので、ここに車を駐車してチケット(大人$13.05)を購入し、シャトルバスに乗って向かいます。渓谷まで歩いて向かう強者もいましたが、車で行くことは推奨されていないので向こうにはパーキングはありません。
カルチャーセンター内にはギフトショップやアボリジナルアートのギャラリー、カフェやトイレや簡易シャワーがあります。トイレはあらかじめここで行っておいた方がいいですね。
渓谷は木が鬱蒼と茂るジャングルなので、虫刺されにはご注意を。私は何故か虫除けをホテルに忘れるという痛恨のミスを犯し、何箇所も蚊に刺されるという大惨事になりました。オーストラリアの蚊に刺されると何故か大きく腫れるし、しかもすごく痒んですよね。
ビジターセンターにはナチュラル系の虫除けも売っていたので、忘れた場合はそこで購入するのを強くオススメします。
併設のカフェ「Mayi Café and Restaurant」
モスマン渓谷に行く前に、センター内のカフェ「Mayi Café and Restaurant」でランチすることにしました。場末の食堂感満載の外観と冷蔵ケースに並んだラインナップにあまりテンションは上がりませんでしたが、ホットメニューは意外にも美味しくていい意味で裏切られました。
今回オーダーしたフィッシュタコスはカリカリ&フワフワで野菜との食感も抜群、ビーフバーガーはジューシーでボリュームたっぷり。どちらも大満足の美味しさでした。お皿とかプレゼンテーションをさらに洗練させれば、シドニーのカフェでもっと値段が取れそうです。
ソイミルクのカプチーノも普通に美味しい。割とどこに行ってもちゃんとしたコーヒーが飲めるオーストラリアって、やっぱり有難いし最高です。
カフェの向こうには熱帯雨林が広がっていて、「木々の間から今にも恐竜が出て来そうだよね」なんて言いながらランチしました。いっぱい食べてお腹も大満足。いよいよモスマン渓谷に向かいます。
「アバター」の世界のようなジャングル感
バスに乗って約5分。モスマン渓谷のトレッキングがスタートです。トレッキングと言いつつもデッキやコンクリートでしっかり舗装されているので、かなり歩きやすくビーサンの人もいます。特に重装備の必要はありません。
デインツリーの森には1億8000年の歴史があり、現存する熱帯雨林の中でも世界最古だそう。しかも当時の草食恐竜が食べていた希少な植物もあるとかで、あまりの壮大なスケールにイメージすらできません。リアルに「ジュラシックパーク」や「もののけ姫」的な世界観が楽しめますが、それもそのはず、実際に映画「アバター」の森のモデルにもなっています。
鬱蒼と茂る深い緑と湿気を帯びた空気、そこかしこから聞こえる鳥のさえずりと水の流れる音など、歩いているだけで体全体が自然のパワーにすっぽりと包まれます。
木陰の空気は冷んやりしつつも湿度高めで、生えている植物にシダ系のものが多いのも熱帯雨林のジャングルっぽいですね。
実は私、虫とジメッとした森がものすごく苦手です。リゾートは大好きだけど、湿度高めのリゾートにある森の中のヴィラやプールは、周辺や水辺が気になって全然リラックスできません。そんなへなちょこの私ですが、遊歩道と手摺りで適度に守られているのはかなりのストレス軽減でした。(それでも葉が脚に触れただけでビクビクするけれど)
透き通った水の迫力ある滝で川遊び
熱帯雨林のトレッキングに興味はありつつも、モスマン渓谷でとにかく楽しみだったのは清流での川遊びです。世界遺産の水が流れるモスマン川で泳げるということで、洋服の下に水着を着て参戦しました。やっぱり川遊びは大人気なので、賑やかな声が聞こえて来ます。
川の水は海水よりも冷たいので、飛び込むにはちょっとした気合いが。ただ一旦中に入ってしまえば、逆にその冷たさが気持ち良く感じるから不思議です。上から見ると岩の苔の色で緑色に見えますが、中に入ると水の透明度に驚きます。水の上からも泳いでいる魚や、川底を歩く自分のペディキュアまでも確認できます。
1億8000年前の森を流れる水に身を委ねる、と考えると何だか感慨深いです。冷たい水に入るのも修行っぽいし、体の中の悪いものが浄化されていくような爽快感さえも感じます。ただの川遊びなのに、すごく癒された時間でした。
一見楽しそうに見える川遊びですが、水の流れは想像以上に急です。泳ぎに自信のある私も油断すると流されそうなくらいだったし、岩から岩への移動も苔で滑りやすいのでヒヤッとしました。ライフガードもいない場所なので、泳ぐ際はご注意を。
手軽に世界遺産の大自然を満喫
さらに車で2時間北上した先には、環境ドキュメンタリーでお馴染みのデイビッド・アッテンボロー卿が「The most extraordinary place on Earth(地球上で最も特別な場所)」と評したCape Tribulation(ケープトリビュレーション)もあります。ただ移動距離も長いし、途中フェリーで川を渡ったりなど、少々面倒くさいのも正直なところ。
私達がモスマン渓谷にいたのはランチも含めて3時間程度ですが、ジャングルに川に食事にと大満足の体験でした。グレートバリアリーフに行くにはツアーボートに乗る必要があるので時間もお金も掛かるけれど、手軽に世界遺産を楽しむならモスマン渓谷はオススメです。
Mossman Gorge Rd, Syndicate QLD 4873, Australia
TEL:+61-7-4099-7000
シャトルバスは毎日8:00amから6:00pmまで(詳細はホームページでご確認ください)