フレームの無い透明なバブル(泡)のように丸いテント「バブルテント」。シドニー郊外にグランピング施設としてオープンして以来、メディアやSNSで話題になり、現在予約が取れないほどの大人気スポットになった「BUBBLETENT AUSTRALIA(バブルテント・オーストラリア)」に訪れました。
BUBBLETENT AUSTRALIA(バブルテント・オーストラリア)とは?
BUBBLETENT AUSTRALIA(バブルテント・オーストラリア)はシドニー在住の俳優カップルがオープンしたグランピング施設。2人は不規則な俳優という仕事の合間に昔から興味のあったホスピタリティ・ビジネスをいつか立ち上げようと計画していました。
旅先で訪れたニュージーランドの星空の美しさに感激し、星空の美しさを時間を気にせず寝転がりながらいつまでも眺められたら…と考え、ヨーロッパのサイトでバブルテントを見付け、遂にはバブルテント・オーストラリアをオープンさせてしまいました。
シドニーから200km、車で3時間半の小旅行
バブルテントはシドニーの北西部、世界遺産であるブルー・マウンテンズより更に車で1.5時間ほどにあるLITHGOW(リスゴー)とMUDGEE(マッジー)の間、CAPERTEE VALLEY(カペティ・バレー)にあります。
外から中が丸見えという透明なテントの性質上、ゲストのプライバシーはしっかりと守られているので詳しい場所は公表していませんが、予約をした際には全ての情報が「ウェルカムパック」として送られて来るので安心。シドニー・シティからは車で大体3時間半ほどです。
グランドキャニオンに次ぐ世界第2位の大峡谷
バブルテントがあるカペティ・バレーは、世界でグランド・キャニオンに次いで2番目に大きい峡谷だそう。車に乗っているとあまり気付きませんが、高低差がかなりあるようで時々耳がキーンとなります。
牛や馬、カンガルーや羊の群れを横目にいくつか丘を越えていくと、山の向こう側にバブルテントが見えて来ました。大自然の中に唐突に現れる透明のビニールテントがまるで不時着した宇宙船のようで何ともシュールです。まるでスターウォーズに登場する近未来の住宅のようにも見えて来ます。
道は舗装されおらず所々ガタガタしているので出来れば車は四駆がベストですが、普通車でもなるべく車高が高めであれば問題ありません。以前、注意したにもかかわらずスポーツ・カーで来てしまい、辿り着けなかった人達もいるみたいなのでご注意ください。
ラグジュアリーなグランピング体験
ホテルのような快適な空間
「GLAMPING(グランピング)」とは「GLAMOROUS」と「CAMPING」を合わせた造語で、贅沢でラグジュアリーなキャンプのこと。東京育ちで昔からアウトドアは得意な方ではありませんが、オーストラリアに来てから少々は慣れたかなとは言っても、いざキャンプとなると話は別。テントを張って、寝袋で寝て、トイレは外……というのはあまりにもハードルが高すぎます。そんな私に全ての設備が揃っているグランピングは本当にありがたいです!
丸い透明な室内は開放感があり、光がサンサンと入ってとても暖か。フワフワのベッドに、テーブルや座椅子、天体観測用のアプリが入ったiPadやBluetoothのスピーカー、望遠鏡。ベッドの下の引き出しにはコーヒーやカップなどの食器、カトラリーや予備のブランケット、湯たんぽなど必要なものは揃っています。
バスルームには洗面カウンターとトイレがあります。トイレはコンポストトイレと呼ばれる木屑を撒くもので水洗ではありませんが、木の良い香りが漂っていて驚くほど臭いません。
透明のテントの中で大自然を満喫
バブルテントの一番の醍醐味は、室内に居ながらにして周りの大自然を体感できるということ。視界を遮るものが全くないので、ベッドに寝ながら目の前の絶景を楽しんだり、星空はもちろん、日が沈んで翌朝昇るという時間の移り変わりを体感できます。
もちろん断熱材などはないので、テント内は太陽が出ている昼時は暑いですし、夜はかなり冷んやりします。でもベッドに入って毛布に包まれながら外部を感じられるという非日常的な体験は最高です。雨が降っている時に雨音を感じながら過ごすのもいいですね。
ここではオーストラリア固有種の鳥の1/3が生息しているそうで、朝日が昇ってくると伴に、あちこちから様々な鳥のさえずりが聞こえて来ます。空の色や動物の鳴き声で、刻々と移り変わる時間の経過を肌で感じられる、初めての経験ができます。
テラスにファイヤーピット、キッチン、デイベッドが
キャンプと言えばキャンプ・ファイヤーですが、外のデッキ・テラスにはファイヤー・ピット(焚火台)もあります。
食べ物は自分達で用意していく必要がありますが、簡単な調理もできるキッチンや冷蔵庫も完備してあるので料理をすることも可能。お気に入りのワイン、ハムやチーズなどを用意して、火に当たりながら沈む夕日を眺めるのは最高です。
またジョーロが付いた簡易シャワーもあるので、こちらにお湯を入れて浴びることもできます。汗をかいた日は絶景を眺めながらこの開放感の中で水浴びもいいですね。
ベッドで横になりながら天体観測
この辺りは街灯がほとんど無いことからライト・ポリューション(光の公害)が少なく、近くに天体観測の中心地でもあるWIRUNAという街もあるので、まさに天体観測にはもってこいの場所。新月の時は月も暗いので、ベッドから見上げると今まで見たことがないくらいの量(言い方が悪いですが『気持ち悪い程の量;』)の星が瞬いていました。
逆に満月が近いと空全体がうっすらと明るく、夜寝る時も少し眩しいくらいです。「月が眩しくて眠れない」なんていう経験も、テントが透明でないと感じませんよね。
星座に因んだ3つの異なるバブルテント
現在、こちらのバブルテント・オーストラリアにはそれぞれ星座の名前が付いた3つのバブルテントがありますが、それぞれ趣が違うのでどこに泊まろうか迷ってしまいます。
◇LEO(レオ・獅子座)
2017年10月のBUBBLETENTオープン時からあるのがこちらのLEO。3つあるテントの中でも一番高台にあります。
LEOの魅力は何と言っても高台にあるため、真正面から上がる朝日、背面に沈む夕日など刻々と移り変わる景色を360℃楽しめること。写真では表現しきれないのが残念ですが、空が様々な色に変化していく様が美し過ぎるんです。
実は10月のオープン当初にこちらのLEOに泊まったことがあるんですが、夕日が沈むにつれて空がピンクからパープル、ブルーに変化して、月が出て来ると眩しいくらいの月の明るさを感じ、明け方月が沈んで暗くなったと思ったら目の前の空がオレンジになって朝日が出る・・・という、まさに時間の移り変わりを肌で感じることができました。
またLEOにはハンモックが設置されていて、それがまたいい雰囲気を醸し出しているんです。あの適度にゆるい独特の揺れ、癖になるくらい気持ちいいですよ。
<LEO> 1泊2日 日 – 木:$310 / 金 – 土, 祝日:$370(2泊以上必要/1泊に付)
◇CANCER(キャンサー・蟹座)
2017年の12月にLEOから遅れること2ヶ月半後にオープンしたのがこちらのCANCER。
LEOより少し丘を降りたところにあるので、カペティ・バレーの断崖絶壁ビューが楽しめます。荒々しい断崖の絶景を楽しむことができるのはここCANCERだけの醍醐味です。
バブルテントは透明なので、昼間はビニールハウス状態で中はかなりの高温になります。デッキのデイベッドでくつろいでも良いですし、崖付近の木陰にあるフローティング・ベッドに揺られながら読書したりワインを飲んだりして過ごすのもオススメですよ。
<CANCER> 1泊2日 日 – 木:$310 / 金 – 土, 祝日:$370(2泊以上必要/1泊に付)
◇VIRGO(ヴァーゴ・乙女座)
CANCERと同じ時期にオープンしたのがこちらのVIRGOです。
LEOやCANCERとは少し離れた場所にあり、こちらもCANCER同様断崖絶壁に建っていますが目の前が開けているので開放的なパノラミック・ビューが楽しめます。
VIRGOの一番の特徴はお風呂があること!薪を焼べて炊くSWEDISH BATH(いわゆる五右衛門風呂)を完備しています。こちらは最低2泊以上の宿泊がマストになっているので、お風呂に入れるのはかなり有難いです。しかもこの絶景を見ながらのお風呂、本当に最高です!
もう1つ忘れてはいけないのが、木陰にあるブランコ。オーストラリアは徐々に涼しくなって来たとは言え、やはり日差しの強さはまだまだ半端ないので、ブランコにゆらゆら揺られながら絶景をボーッと眺めているだけでかなり気持ちいいです。
<VIRGO> 2泊3日 日 – 木:$450 / 金 – 土, 祝日:$530(2泊以上)
テントは全て絶妙な位置に建てられているので、それぞれのテントからは他のバブルテント周辺の様子が見えないようになっています。しっかりとプライバシーが守られているので、もし裸でウロウロしていたとしても誰にも見られることはありません。
敷地が1,000エーカー以上あるので、絶景を見ながらのトレッキングも楽しめます。峡谷を空から眺めるヘリ・ツアーや、近くにあるワインの街・マッジーでのワイナリー巡り(これはかなりオススメ!)、カヌーや釣りなどのアクティビティもあります。
誰にも邪魔されない静か場所なので、食べ物などをしっかり買い込んで15:00からチェクインして、ハンモックやブランコに揺られながら読書したりお昼寝したり、絵を描いたり、書き物をしたり…ここでの時間を満喫するのが一番オススメかもしれません。
オーストラリアで絶景グランピング体験
自分でテントなどアウトドアグッズを準備して設置するのはキャンプ初心者には敷居が高いので、室内に居ながらにして自然環境を享受できるバブルテントでの体験は最高でした。
因みにオーナーの1人は日本人のMayuさんなので、日本語での対応も可能です。Mayuさんによると世界各国のメディアから問い合わせがあったりお客さんが来るそうですが、まだ日本人のお客さんは来ていないそうです(私達以外)。
シドニーの主要情報サイトに掲載されたり、TVでも度々紹介されているそうなのでかなり予約も取りづらくなっていますが、シドニーに来た際は少し足を伸ばして、まだまだ日本ではメジャーではないグランピング体験してみてはいかがでしょうか。
*BUBBLETENT AUSTRALIAの記事はLINEトラベル、tripnoteにも寄稿しているので、是非ご覧になってください。
BUBBLETENT AUSTRALIA
Capertee, NSW 2846(詳細はお問い合わせを)
TEL:(0412) 133 052
コメント一覧 (4件)
流星群のとき、彗星が近いとき、が狙い目だな。次は何時だろう?
5月には日本では地理上見られない水瓶座流星群が見れるみたいです。
10月にはりゅう座流星群、オリオン座流星群が見られるかもしれないので是非!
こういうところがあるなんてびっくりです。
大自然の解放感!ステキ~です!!いつかは私も行ってみたいです。
私は数日後にシドニーへ出発です^-^
Mayumi様のブログ再度確認して行きたいところチェックしております(笑)
ブログでご紹介してくれましたカフェとか、
色々チャレンジしてみますね!
車がないと行き辛い場所なので今回のシドニー旅行ではちょっと厳しいかもしれないですが、
本当に素敵なところなのでオススメですよ。
シドニーは徐々に涼しくなってきたので、風邪ひかないように気をつけてください。
シドニー旅行、楽しんでくださいね!