ボンダイやブロンテなど、シドニーの人気ビーチが林立する東海岸「イースタンサバーブ」。中でも大きな波が印象的な地元でも人気の「MAROUBRA BEACH(マルーブラビーチ)」は、シティから少し離れているせいか、観光客らしき人を見掛けることはほとんどない、ローカルなサーフビーチです。
シドニー東海岸にある「マルーブラ・ビーチ」
世界的にも有名なBondi Beach(ボンダイ・ビーチ)からCoogee Beach(クージービーチ)まで、シドニー東海岸「Eastern Suburb(イースタン・サバーブ)」には訪れたい個性的なビーチがたくさんあります。その中でもシティからも若干距離があるMAROUBRA BEACH(マルーブラ・ビーチ)は、ローカル色が強めなちょっとマイナーなビーチです。
今回は夫の友人に勧められたということで、初めて訪れてみました。彼はこのビーチ沿いのロケーションとシティからの適度な距離感、牧歌的な雰囲気が気に入って、長い間マルーブラに住んでいたそう。そんな彼ですが、その後ビーチタウンとは真逆のサブカルの街ニュータウンに引越し、今ではメルボルンに住んでいるんですけどね。
シティ近郊の私の自宅からマルーブラまでは、車で30分弱。「割と距離がある」と言いつつも、30分以内でビーチに来れてしまうのはシドニーならではです。今回は徐々に暖かくなってきたので、せっかくだからサンライズ撮影も兼ねて早朝に訪れてみました。因みにマルーブラのビーチ脇には、4時間まで無料の駐車場もあります。
地元サーファーに人気の「雷のような」大きな波
私達がマルーブラに到着したのは、まさに日が昇る午前6時頃。この日は若干雲が出ていたけれど、そのおかげで朝焼けのピンクやオレンジの美しいグラデーションが撮影できました。シドニーはオーストラリア大陸の東海岸に位置しているので、美しい日の出が拝めるビーチはたくさんあります。この日のマルーブラは、優しい光に包まれた幻想的なサンライズでした。
「Maroubra」というのはオーストラリア先住民アボリジナルの人々の言葉で「like thunder(雷のような)」という意味で、海岸線に打ち付ける波音がまるで雷のように強かったことに由来しているとか。大きな湾曲した海岸線から生まれる独特のカレントがあり、特に北東側でパワフルな波とうねりが発生するそう。地元でも人気のサーフィンスポットです。
早朝から波打ち際にかなり大きな波が打ち寄せています。ボーッと海を眺めているだけでも、続々とサーファー達がgo out(海に入るのをこう言うらしい)していきます。「これからいくぞ!」という躍動感も絵になりますね。
因みに初心者向けに、サーフィンレッスンも開催されています。かなり波が高いビーチですが、たっぷり2時間のレッスンでサーフィンデビューしてみるのもいいのでは?
因みにマルーブラにはサーフ・ライフセービング・クラブが2つあり、1963年に設立されたThe South Maroubra Surf Life Saving Clubはオーストラリア最古のサーフ・ライフセービングクラブの1つなんだそう。1906年設立のタマラマビーチといい、1907年のボンダイビーチといい、シドニーには「最古」をうたっているライフセービングクラブがたくさんありますね。
2006年にはNational Surfing Reserve(国立サーフィン保護区)にも選ばれていて、こちらに関してはNSW州内では最初の選出らしいです。(オーストラリアでは2番目)
のんびり牧歌的なビーチタウン
外洋に面したこの広い砂浜は長さ1km以上もあり、イースタンサバーブで最大を誇るそう。確かにボンダイやクージーよりもはるかに大きい気がします。早朝のせいなのかはわかりませんが、ビーチはとても空いていて、観光客らしき人はまず見当たりません。
地元の人達が朝からお散歩や水泳に勤しんでいて、お年を召した人も肌寒いにも関わらず水着で果敢に海に飛び込んでいきます。通りすがりの「今、水から上がったばかりです」という装いのご婦人から、「あなた達もう中に入った?今日の海はとても気持ちいいわよ!」と言われました。気温の低さに若干日和っていた私達でしたが、その言葉を聞いて気合を入れて海水にダイブ!
若干冷やっとはしたけれど、確かに冷たすぎず暖かすぎず絶妙な温度で本当に気持ちいい。超リフレッシュできました。一応遊泳エリア内ではあるけれど、波はまぁまぁ高めです。ライフガードもしっかりスタンバイしていますが、泳ぎに自信がない場合は他のビーチがいいかも?
昔ながらのマルーブラのサーファー達は「Bra Boys」と呼ばれ恐れられている‥‥みたいな話も聞いたことがありますが、サーファーではない私達にはこんな温かいローカルな人達との素敵な出会いのあったビーチです。
ビーチ沿いのカフェ「PAVILION BEACHFRONT」でランチ
大きな波に揉まれまくったので、そこそこお腹が空いてきました。ビーチ沿いの大通りMarine Paradeにもカフェやレストラン、パブが並んでいますが、今回はビーチのすぐ目の前にある「Pavilion Beachfront Maroubra(パヴィリオン・ビーチフロント・マルーブラ)」でランチすることにしました。
今回訪れたカフェはPavilionと言う名前だったので、ボンダイやクージーのパヴィリオンを想像していたら、ローカル色強めの食堂という感じでした。フードにこだわりがあるらしくお値段は可愛くありませんでしたが、私がオーダーしたキヌアサラダはマンゴーやクランベリーがふんだんに入って爽やかな味わい。結構美味しかったです。
店内はインテリアが凝っていたりスタイリッシュだったりする訳ではないけれど、窓の外にはマルーブラのビーチが広がっていてロケーションはとにかく抜群です。
同じ建物内にはキオスクやサーフボードなどをレンタルできるサーフクラブ、シャワーやトイレもあります。ビーチ脇には他にもスケートボードパークやBBQグリル、子供用のプレイグラウンドもあり、まさにローカルの憩いの場という感じ。シドニーのビーチでお馴染みのロックプールも、もちろんビーチ北側の丘の上にありますよ。
シティから車で30分、少々時間はかかりますがバスでもアクセス可能です(396番なら乗り継ぎなしで40分)。波が高いので子連れのスイミングには向いていませんが、ダイナミックなビーチの眺望とのんびりした雰囲気を楽しみたい時にオススメのビーチです。
MAROUBRA BEACH